2019年1月17日

ソリッドステートアレイ: Gartner社のマジッククアドラントが明らかにする活気ある市場

競争が激化する中、AIや予測分析などのイノベーションが不可欠となっています。

ソリッドステートテクノロジーは、破壊的であると同時に避けることができないものでもあります。私たちは、こうしたテクノロジーが登場し、これまでのエンタープライズストレージに取って代わりつつある状況を目の当たりにしていますが、ソリッドステートアレイは非常に処理が速く、あらゆる種類のアプリケーション、特に入出力処理中心のアプリケーションにメリットをもたらします。ソリッドステートテクノロジーは、進化に伴ってコストが下がり、容量が増えて安定性も向上しているため、最終的に機械的なディスクやテープに取って代わる可能性がこれまで以上に高くなっています。
ITリーダーにとっては、今後ソリッドステートの導入を進めると同時に、経済的な方法で今日のアプリケーションのパフォーマンスのニーズを満たすための移行の計画を立てることが課題となります。これはごく簡単なことのように思えるかもしれませんが、幅広い選択肢があるため、慎重に評価を行わなければならない困難な課題と言えます。こうした課題への対応には、Gartner社のマジッククアドラントが役に立ちます。
マジッククアドラントでは、ビジョンの完全性と実行能力という2つのベクトルでベンダーの評価が行われます。同社が2018年7月に発表したソリッドステートアレイに関するマジッククアドラントでは、2016年から市場規模が27%拡大し、2017年にその規模が63億ドルに達した、非常に変化の大きい市場に関してこのような分析を行いました。そして同社は、「急速に変化するストレージアレイの設計や機能、パフォーマンスの大幅な向上、非常に競争力の高い価格設定、多くの新規参入企業とこの市場で生き残りをかける既存のベンダーの存在などの点から、ソリッドステートアレイ(SSA)市場は今もなお非常に動的である」と述べています。

今日では、PCI Express (PCIe)をベースとするソリッドステートドライブのパフォーマンスと相互運用性の両方を向上させる、NVM Express (NVMe)テクノロジーの人気が高まりつつあり、Gartner社は、内部でNVMeを使用するSSAが、2021年までに2017年の1%未満から大幅に増加し、市場の売上高の30%を占めるようになると予測しています。また同社は、サーバーとSANに外部のNVMe over Fabrics (NVMe-oF)接続を使用するSSAの売上高が、2021年までに2018年の1%未満から30%弱にまで増加すると述べています。
Gartner社は、ハードディスクドライブを構成できないソリッドステートのみのアレイに区分を限定していますが、この市場では、マジッククアドラントの対象となった7社を含む、11社のベンダーがSSAでさまざまな種類のソリッドステートストレージを提供しています。それらのベンダーは、以下のとおりです(アルファベット順)。

  • Dell EMC
  • ヒューレット・パッカード エンタープライズ
  • Hitachi Vantara 
  • IBM
  • Kaminario
  • NetApp
  • Pure Storage

HPE社やIBM社などの有名な大企業からPure Storage社やKaminario社などのストレージに重点を置く企業まで、選択肢は数多くありますが、いくつかの競争上の差別化要因がこうした状況に変化をもたらす可能性があります。その1つがソフトウェアであり、たとえば興味深い事例として、HPE社は、当初Nimble Storage製品で使用されていたInfoSight予測分析ソフトウェアを3PARなどの他の製品ラインに展開しています。
HPE社のDavid Wang氏がこちらの記事で説明しているように、InfoSightは、AIテクノロジーを使用してフラッシュストレージに予測分析を適用することにより、コストを抑制すると同時にパフォーマンスを大幅に向上させます。同氏によると、多くのITリーダーは、たとえストレージの影響が半分以下であったとしても、パフォーマンスが低下すると単純にフラッシュを追加しています。多くの場合、パフォーマンスが低下する原因は、構成や相互運用性などの問題にありますが、それらの原因を分析して切り分けることができなければ、多くのITリーダーが問題を解決するためにフラッシュを追加し続けることになります。IT運用担当者がコスト効率の向上を強く求められる時代においては、こうしたアプローチは有効ではありません。
Wang氏が指摘しているように、インフラストラクチャのパフォーマンスを把握したり予測したりするInfoSightの機能は、管理者が認識する前に問題に自動的に対応できる機能に直結します。このような予測は、多くのITリーダーにとっての最終目標である自律運用の重要なポイントとなるわけですが、自動化された手段で問題を解決できれば、コストが削減されてパフォーマンスが向上し、管理者が問題への対応ではなく、戦略的なタスクに重点を置くことが可能になります。そしてそれが、競争の激しい市場での強力な差別化要因になります。
SSD市場は成長を続けているため、今後投資が増加してイノベーションが拡大し、競争が進むのは間違いないでしょう。Gartner社のマジッククアドラントは、市場をリードするベンダーの最新情報を入手するための有効な手段であり、ニーズに合ったソリューションの選定に役立つ素晴らしいツールでもあります。

この記事/コンテンツは、記載されている個人の著者が執筆したものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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