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2020年6月12日

2020年の中堅・中小企業向けテクノロジー: 存在感を増すハイブリッドクラウド

中堅・中小企業向けはクラウドの導入に乗り出し、社内における専門知識の不足やセキュリティ上の懸念といった従来の課題に取り組みながらも、この新しいテクノロジーに対する試みを進めています。

小規模および中規模企業のITリーダーは、今後の展望の中でハイブリッドクラウドに重きを置いています。オンプレミスクラウドとパブリッククラウドの2つのサービスの組み合わせであるハイブリッドクラウドは、企業サーバーの応答性とパブリッククラウドサービスの拡張性という、両者のメリットを併せ持つソリューションを提供します。

「ハイブリッドクラウドは、中堅・中小企業に大きな影響を与えています。中堅・中小企業は、オンプレミスのフットプリントを最小限にしてオーバーヘッドコストを削減するために、クラウドストレージ、Office 365、AWSに移行しつつあります」ITソリューションプロバイダーのSubIT社で、航空テクノロジーおよびエンジニアリング部門のパートナーおよびシニアバイスプレジデントを務めるJoaquin Ochoa氏は、そう述べています。

Aberdeen社によれば、ハイブリッドクラウドは2020年に7%から21%へと、3倍に急増することが見込まれています。Aberdeen社は、2019年11月に実施された調査で、中堅・中小企業を従業員が500人までの企業と定義しました。一方、すでに中堅・中小企業の38%に導入されているプライベートクラウドは、2020年には16%増加すると見込まれています。

Aberdeen社によれば、小規模な企業での急増が顕著なのは、中堅・中小企業はハイブリッドITから大企業よりも大きな利点が得られるためです。例えば、78%の中堅・中小企業がITの柔軟性を向上できるのに比べて、それ以外の企業では36%のみです。また、79%の中堅・中小企業がリスクを軽減できるのに比べて、それ以外の企業では47%にとどまっています。(図1)。なぜ違いがあるのでしょうか。

「多くの要因が考えられます」Aberdeen社のリサーチディレクターであるJim Rapoza氏はそう言います。「おそらく、最も大きな要因は後発者のメリットです。中堅・中小企業は後になってからハイブリッドやクラウド一般の利用を開始するため、成熟した、導入が簡単な、コスト効率の高いソリューションを活用できます」

 

図1

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小規模および中規模企業に最適なITソリューションによって、ビジネスの保護と成長を実現

ハイブリッドクラウドを活用することは、ソフトウェア デファインド データセンター  (SDDC) テクノロジーの導入が増加することを意味します。このテクノロジーは、現在の10%から2020年には22%に急増すると見込まれています。SDDCによって、ITマネージャはグラフィックで操作できるソフトウェアを使用して柔軟にサーバー、ストレージ、ネットワーキングデバイスを展開し、オンプレミスとクラウドの両方で使用率を最大化してコストを削減できます。

さらに、Aberdeen社によれば、現在は8%であるコンテナーテクノロジーの使用率は今年18%に増加すると考えられています。Rapoza氏によれば、コンテナーはアプリケーションとライブラリに向けた標準のポータブルなパッケージで構成されているため、ハイブリッドクラウドの導入に適しており、小規模な企業にとって特に利点となります。「多くの小規模企業がクラウドにコンテナーを導入する可能性があります。小規模企業にとっては、格差を解消する手段となります。巨大なモノリシックアプリケーションを所有する必要がないため、より力を得てクラウドのコストを削減できます」Rapoza氏はそう語っています。

 

新しいテクノロジーの時代

中堅・中小企業のITリーダーは、拡張現実や人工知能といった、最先端のテクノロジーに挑戦する準備もできているようです。Aberdeeny社によれば、現在3%のAIは16%に、現在14%のARは31%に増加することが見込まれています(図2参照)。「ARに多大な関心を寄せている典型的な中堅・中小企業の業種には、小売業 (AR対応の棚およびディスプレイ)、接客業 (AR対応のマップおよびチェックイン)、現場サービス (ARによる機器の健全性と状態の可視化) などがあります」Rapoza氏は説明します。

Rapoza氏によれば、これまでのところ、大企業におけるAIの導入は中堅・中小企業よりもはるかに進んでおり、中堅・中小企業がAIを導入している割合は大企業に比べて4分の1にとどまっています。SubIT社のOchoa氏によれば、中堅・中小企業にとっての大きな障害はコストでした。しかし、それが変わろうとしているため、病院や歯医者のような多くの主要なスモールビジネスは、AIテクノロジーを活用して患者の回復状態や治療成果をより適切に追跡することが可能となります。航空業界における中堅・中小企業の企業もAIに適しています。「AIを活用できれば、部品が故障する時期を予測することでコストを大幅に削減し、稼働時間を向上できます」とOchoa氏は言います。

 

図2

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IoTに関しては、現在18%の企業が使用しており、2020年にはさらに24%の企業が導入する見込みであることが、Aberdeenの調査データによって示されています。Aberdeen社によれば、興味深いことに、IoTを使用する業界最高クラスの企業の57%が中堅・中小企業です。同社は、業界最高クラスの企業をIoT成功メトリクスにおける上位20社と定義しています。

Ochoa氏の会社は、ある運送会社が、IoTデータを活用して会社のフリートおよびカーゴ輸送を追跡するクラウドベースのソフトウェアを導入することをサポートしました。Ochoaによれば、ロジスティクスを正確に監視できることは、ウーバードライバーのようにオンデマンドでトラックを雇用するこの企業にとって重要な機能でした。

Aberdeen社によれば、長く騒がれてはいるものの導入面ではまだメインストリームとはいえないブロックチェーンテクノロジーは、小売りの分野で成長が見込まれています。ブロックチェーンを上手く活用している小売業者のうち、44%が中堅・中小企業であることが同社によってわかりました。

 

現実と向き合う

テクノロジーのウィッシュリストを実現するためには、中堅・中小企業のITリーダーはいくつかの代表的な課題に取り組む必要があります。社内における専門知識の不足やセキュリティ上の懸念などです(図3参照)。「彼らは、『As-a-Service』プロバイダーからの包括的なサポートを求めています」とRapoza氏は述べています。Aberdeen社が見つけた、中堅・中小企業が直面するその他の問題には、リソースを利用できていない、接続されていない異種のツールが多すぎる、インフラストラクチャが複雑すぎる、需要がITリソースを超えているなどがあります。

 

図3

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中堅・中小企業によるハイブリットクラウド戦略の実践をサポートできるのは、適切なパートナーです。「クラウドエクスペリエンスは、オープンでシームレスである必要があります。最高のパートナーはそれを理解しています」と語るのは、ヒューレット・パッカード エンタープライズの社長およびCEOであるAntonio Neriです。さらに、ハイブリッドITインフラストラクチャの管理にAIを導入することで、「コスト、コンプライアンス、セキュリティを最適化するためのインサイトと監視能力を得ることができます」Neriはそう述べています。

社内における専門知識が貴重である以上、中堅・中小企業のITリーダーが必要としているのは手間をかけずに機能するITインフラストラクチャです。Aberdeen社によれば、ITインフラストラクチャを評価する意思決定者が最も重視する基準は、アップグレードの容易さ、質の高いサービスとサポート、標準への準拠、既存のインフラストラクチャとの統合および相互運用性です(図4参照)。

 

図4

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ソリューションプロバイダーのLogik 7社のテクノロジーコンサルタントであるHuy Tran氏によれば、クラウドサービスへの移行はオンプレミスのハードウェアに影響を与え、コンパクトで容易に保守できるシステムの導入が促進されます。

「中堅・中小企業は今後より多くのクラウドベースのサービスを導入し、ハードウェアインフラストラクチャを小規模な最低限の機器に減らすはずです。ホステッドEメール、CRM、QuickBooks、オンラインなどのサービスに向けたクラウドサービスの発展によって、中堅・中小企業は巨大なオンプレミスサーバーへの依存を軽減し、より小規模なサーバー、現在はマイクロサーバーと呼ばれるサーバーへと移行しています」Tran氏は言います。「これらのサーバーは、ローカルファイルストレージ、バックアップ、Active Directory、ネットワークゲートウェイなど、オンサイトで管理する必要がある必要最低限のアプリケーションの要件に対応するためのスペックを備えています」

これらのトレンドを念頭に置いた場合、2020年の中堅・中小企業において、導入、保守、管理が簡単なシステムが、スタッフが長時間関与する必要がある複雑なシステムよりも人気を博すことは明白です。HPEの中堅・中小企業ソリューションは、分析によって最適化される簡素化されたオンプレミスストレージ、ハイブリッドクラウド全体にわたる円滑なサーバー管理、サーバー、ストレージ、ネットワーキングのテクノロジーを抱合した統合型スモールオフィスソリューションなど、多くの方法でこれらのニーズに応えます。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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