2020年4月17日
「ハイブリッドな領域」で急増するコンテナーの役割
自動化、組み込みのインテリジェンス、データとワークロードの堅牢な管理を促進するために、IT運用はますますコンテナーベースのハイブリッドなアプローチを目指しています。
[編集者注: このポッドキャストは2019年9月30日に最初に公開されました]
過去約10年の間に、コンピューティング環境はベアメタルから仮想化に移行し、さまざまな利点の中でも特にアジリティの向上が実現しました。しかし、HPEのMark Lineschが言うように「いうなればインフラストラクチャ全体を仮想化し、その度に固有のオペレーティングシステムも仮想化するため」仮想化は「かなり高価」でした。
では、次は何が待っているのでしょうか? Lineschによれば、コンピューティングがエッジからクラウドにまで分散された今日のハイブリッドな世界では、特に開発者にとって、コンテナーがその答えとして存在感を高めています。コンテナーを使用することで、開発者は「アプリケーションだけでなく、アプリケーションの依存関係、ライブラリなど、DevOpsのライフサイクルを通してアプリケーションを実行するために必要なあらゆるものを連結できます」。Lineschはそう説明します。コンテナーベースのハイブリッドなアプローチはさらなる柔軟性と開発時間の短縮を実現するだけでなく、自動化、組み込みのインテリジェンス、データとワークロードの堅牢な管理を促進します。
このヒューレット・パッカード エンタープライズの「Voice of the Innovator」ポッドキャストでは、LineschとホストのDana Gardnerがコンテナー化の最新情報について検討し、標準、マイクロサービス、コンポーザブルインフラストラクチャなどがどのように関わっているかを話します。
以下はディスカッションの抜粋です。
Gardner: コンテナーに関する業界の状況について考えてみましょう。コンテナーのテクノロジーが成熟した今、導入の最大の動因は何でしょうか?
Linesch: 思い出せる限り、コンピューティングの歴史は抽象化の歴史です。まずインフラストラクチャの抽象化があり、それからインフラストラクチャとアプリケーションで関心の分離が起こりました。
Mark Linesch、HPE
以前はすべてベアメタルでしたが、約10年前、我々は仮想化への道のりを進み始めました。仮想化はすばらしいです。仮想化は、一定のアジリティを可能にする抽象化です。しかし、いうなればインフラストラクチャ全体を仮想化し、その度に固有のオペレーティングシステム (OS) も仮想化するため、仮想化は非常に高価です。
そのため、過去数年、業界では「次は何だろう。仮想化の次には何が来るんだろう」と言われてきました。そして、コンテナー化が明らかに勢いを増しています。
なぜ今なのでしょうか? それは、我々はハイブリッドクラウドの世界に生きており、より分散されたエッジからクラウドの世界に非常に積極的に移行しようとしているためです。我々は、あらゆるエッジで、またあらゆるクラウドでコンピューティング、分析を実施し、インテリジェンスを推進しようとしています。
HPEは、ベアメタルおよびエッジからクラウドまでの展開に向けて、Kubernetesベースのプラットフォームを導入しています。
パフォーマンスおよび開発者認識機能、DevOps、アプリケーションをプライベートクラウドで実行してパブリッククラウドに移行する機能、荒涼な工場現場のエッジ環境にアプリケーションを移行する機能などはいずれも、我々が導入しようとしている新しい分散型コンピューティング環境の側面です。いうなれば、ハイブリッドな領域です。
コンテナーは、このハイブリッドな世界を構成するさまざまな要素にとっての利点となります。その最たるものは開発者です。開発および開発者全般について考えた場合、それらは旧型の、一枚岩的でウォーターフォール型のアプローチから、非常にアジャイルな継続的インテグレーション・デリバリ・モデルに移行しました。
そして、コンテナーは予測可能な環境を開発者に提供します。そこでは、開発者はアプリケーションだけでなく、アプリケーションの依存関係、ライブラリなど、DevOpsのライフサイクルを通してアプリケーションを実行するために必要なあらゆるものを連結できます DevOpsのライフサイクルとは、開発からテスト、本番、デリバリまでを指します。
コンテナーは開発、実行、テスト、拡張に必要なアプリケーションのすべての要件を運搬およびカプセル化します。ベアメタルまたは仮想化の場合、アプリケーションがDevOpsサイクルを移動する中で、OSの依存関係とパイプラインを実行しているプラットフォームのタイプについて心配しなければなりませんでした。
開発者のパッケージ処理
開発者にとって重要なのは、アプリケーションとすべての依存関係を明確なマニフェストにパッケージ化できることです。それをバージョン管理し、簡単に複製できます。そのため、開発者は異なる環境にかけてデバッグおよび診断し、大量の時間を節約できます。つまり、いうなれば開発者は、この成熟が進むコンテナー化環境の最初の受益者です。
次に来るのがIT運用スタッフです。関心がうまく分離されるためです。開発者からハンドオフされ、本番環境に移行する際に、さまざまな再構成およびパッチングについて心配する必要はありません。それらの機能は本質的にカプセル化されているため、運用が容易になります。
そして、ますますハイブリッドな、分散されたエッジからクラウドの世界では、実質的に場所を問わずこれらのコンテナーを実行できます。コンテナーはエッジでも、パブリッククラウドでも、プライベートクラウドでも実行できます。また、仮想化またベアメタルでは必要だった事前の依存関係なしですばやくアプリケーションを移動できます。コンテナーには実行時環境全体とアプリケーションだけでなく、すべての依存関係、すべてのライブラリなどが含まれています。
コンテナーの興味深い3つ目の分野は隔離に関するものです。コンテナーはCPU、メモリ、ストレージネットワークリソースをOSレベルで仮想化します。そのため、リソースをずっと効率良く使用できます。
OS全体とアプリケーションを含む仮想化と違って、コンテナーは単一のOS上で実行します。各コンテナーはOSカーネルを共有するため、軽量で、リソースの消費量がずっと少なく、即座に立ち上がります。仮想マシン (VM) では数分かかるところ、コンテナーは数秒です。
私たちのいるペースの速いDevOpsの世界、我々がコンピューティングと分析を行う多くのエッジとクラウドから成るますます分散されたハイブリッドな領域で、コンテナーの人気が大きく上昇しているのはそのためです。ビジネスの利点、技術的な利点、開発の利点、運用の利点があるためなのです。
Gardner: コンテナーのポータビリティと、目的にかなったコンテナー化の利点、そしてこれらの利点をDevOpsの一連の流れに提供できることを知るとワクワクしますね。しかし、仮想化で我々が体験したのは、いい点がありすぎるとコントロールが効かなくなるということでした。無秩序に拡大し、インサイトが得られず管理ができなくなり、最終的には無駄が生まれました。
コンテナーではどのようにそれを阻止するのでしょうか? 大きなハイブリッドの領域で、どのようにコンテナーを管理可能にするのでしょうか?
標準を打ち立てる
Linesch: 方法の1つはコンテナーの形式を標準化することで、それは非常にうまくいっています。Linux Foundationの一部であるOpen Container Initiativeというイニシアチブがあります。このイニシアチブでは業界標準を作成し、これらのコンテナーの形式、またそれに関連する実行時ソフトウェアが異なるプラットフォームにかけて標準化されるようにしています。これは非常に有効です。
2つ目は、標準の展開オプションを使用することです。そして、Kubernetesは業界を席巻しているように思えます。 Kubernetesは、コンテナー化されたアプリケーションを展開、維持、拡張するためのメカニズムを提供するオープンソース機能です。実行時の観点からの標準形式と、MesosphereまたはKubernetesなどの機能によってそれを管理する能力を組み合わせることが、コンテナー化を前進させるツールおよび機能となっています。
Gardner: そして、タイミングはこれ以上ないほど最適です。現在人々はアプリケーション、インフラストラクチャ、そしてますます増えているデータセンター全体など、サービスとしての機能に大きな関心を寄せているため、我々は基盤となるテクノロジーではなくビジネス上の利点に焦点を当てることができます。ビジネス上の利点が得られる限り、実行されているのが仮想化環境か、ベアメタルか、コンテナーかは誰も気にしません。
Linesch: 何で実行されているかは誰も気にしないとおっしゃいましたが、私は気にするべきではないと言いたいです。言い換えれば、開発者は開発を、運用者は運用をするべきです。最初のビジネス上の利点は、標準のコンテナー化環境を使用することで開発者とIT運用者が獲得できる非常に優れたアジリティです。
運用上の利点、開発速度の向上、運用コストの削減などが可能なだけでなく、リソースの使用量を減らすことができます。コンテナーは環境を共有および抽象化するため、サーバーやストレージ、クラスターから使用するリソースの量がずっと少ないのです。そのため、より少ないリソースと総コストでアプリケーションをより速く実行できます。
これは、ITコンポーザビリティ全般を考えた場合に非常に重要です。コンテナー化された環境とコンポーザブルインフラストラクチャなどを組み合わせることで、時間の制約が厳しい顧客のニーズに非常に迅速に応えるための柔軟性とアジリティを実現できるためです。
Gardner: IT運用者は、どのようにコンポーザビリティとコンテナー化を組み合わせ、寄せ集めよりも優れたまとまりを作ることができるのでしょうか? これら2つの勢いのあるイノベーションをどのように考えますか?
Linesch: 私はいくつかのR&Dセンターを管理してきました。これらは通常約4600平方メートルのデータセンターであり、弊社の開発者、ハードウェアおよびソフトウェア製作者がそこで優れた仕事をしています。
そして、我々は数年前にある興味深いことを行いました。弊社は完全に仮想化された、一種のプライベートクラウド環境であったため、開発者にサービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) リソースを提供できました。しかし、ハイブリッドクラウドが登場し、既知のパターンとしてより成熟するにつれて、開発者は「もっとすばやく起動する必要があるんだ」、「開発からテストまでのパイプラインをもっと効果的に完了する必要があるんだ」と言い始めました。
そして、そのような開発者にとってサービスとしてのコンテナーは願ってもないものでした。彼らは、アプリケーションを適切なセキュリティ、ポータビリティ、パフォーマンス、安定性で開発、構築、実行するというプレッシャーに毎日さらされています。コンテナー化されたシステムと、コンテナーをすばやく立ち上げて業務を行い、すべてをパッケージ化してパイプラインを移動させられるということが、非常に重要となりました。
インフラストラクチャ運用の観点から見て、開発者と運用者の完璧な連携が可能となりました。運用者はHPE SynergyプラットフォームやHPE OneViewツールなどの構成を使用して、コンテナーイメージのテンプレートをすばやく構築できます。これによって、開発者はサービスとしてのコンテナーインフラストラクチャに自分の業務を取り入れることができます。そして、これを非常にすばやく実行できます。
Gardner: エッジ展開とコアまたはクラウド、あるいはハイブリッドクラウド環境の間での連続したつながりがどのように進化するかを理解することも、現在注目の話題の1つです。これに関して、コンテナーはどのように役立つのでしょうか? コンテナーを使用すると、コアからクラウド、またはコア、クラウド、エッジの連続体はどのような利点を得られるのでしょうか?
エッジを獲得する
Linesch: 先ほど言ったように、我々はこれまでよりもずっと分散されたコンピューティング環境に移行しつつあります。そこではインテリジェンスと処理がすべての場所、人、物に投入されます。そのような環境について考えると、次のような話が出てきます。「アプリケーションを開発しよう。このアプリケーションはより多くのマイクロサービスまたはモジュラーアーキテクチャが必要になるかもしれない。アプリケーションの一部として機械学習 (ML) または深層学習分析が必要になるかもしれない。そして、地理的な観点から40か所または400か所の異なるサイトにプロビジョニングする必要があるかもしれない」
エッジからクラウドまでを考えてみます。米国のさまざまな場所に一連の工場があるとしましょう。例えば、一部の産業プロセスに対して推論と分析のアクションの確立を求めている10個の工場があるとします。組み立てラインに取り付けて不具合を監視し、データを取得し、そのデータをその場で分析して何らかの修正アクションを実行するビデオカメラなどです。
このエッジからクラウドまでの連携を考えた場合、ここで非常に重要なことの1つは継続的統合、継続的デリバリです。そしてこれらのアプリケーションと、継続的にデータを分析することに関連する人工知能 (AI) モデルを開発できることです。率直に言ってAIモデルにはズレが生じるため、定期的にアップデートが必要です。そのため、継続的統合および継続的デリバリのような方法が非常に重要となります。
そこで、これらのアプリケーションの要素、分析の要素、MLの要素をどのようにパッケージ化したらよいでしょうか? 10個の工場にどのようにプロビジョニングしたらよいでしょうか? それも、非常にすばやく円滑に行うにはどうしたらよいでしょうか?
ここでコンテナーが活躍します。ベアメタルのパフォーマンスを得ることができます。コンテナーはパッケージ化されてポータブルで、これらのインテリジェントエッジおよびモノのインターネット (IoT) の運用に必要なペースの速いデリバリおよびデリバリサイクルに最適です。
Gardner: 特に6月のHPE Discoverカンファレンスで、AIOpsと、より多くのインテリジェンスをより多くのITインフラストラクチャに投入することについてたくさんの話をお聞きしました。しかし、データの収集とデータの分析に焦点が当てられており、分析に対して何をするか、つまり推論に基づく実行に対してはそれほど重点が置かれていなかったようです。
コンテナーは、AIエンジンから推奨事項を取得し、展開、移行、移植など何らかのアクションを実行するには強力な方法であるように思えます。
話がそれてしまっているでしょうか? インテリジェンスが提供するものを手際よく実行できることも、コンテナーの利点の1つでしょうか?
Linesch: エッジには、大量のデータを取り込む必要がある多くのアプリケーションがあります。それを分析し、予測的メンテナンス、分類、修正などの観点からリアルタイムのアクションを実行する必要があります。
そして、コンテナーは非常にすばやく立ち上がります。リソースの使用量がとても少ないためです。データを取り入れ、コンテナーのフレームワークによってそのデータを分析し、分析したものに対して何らかのアクションを実行するというサイクルが、コンテナーを使用した場合は非常に容易になり、より少ないリソースでずっと高いパフォーマンスを発揮できます。
ハイブリッドクラウドとインテリジェントエッジの両方で、仮想化は今でも非常に重要な要素です。しかし、より分散されたエッジからクラウドの環境で、コンテナーの利点が顕著になりつつあります。
Gardner: Markさん、我々はここまでに開発者、運用、展開、DevOpsに関して、このテーマについて話しました。また、エッジからクラウドまでについて話しました。
しかし、IT組織に対する、より大規模な抽象化の影響についてはどうでしょうか? 労働力とスキルに関してITのリソースに制約がある場合、コンテナー化に利点はあるのでしょうか? 我々がまだ話していない、従業員、スキル、人材の面での利点はありますか?
顧客のマイクロサービスサポート
Linesch: もちろんあります。我々がHPEで行っている仕事の1つは、お客様がコンテナー、DevOps、継続的統合およびデリバリといった新しいモデルに移行することをサポートすることです。HPEはお客様の企業が中規模か大規模かにかかわらず、アプリケーションの開発に対する考え方を変えるための一連のサービスを提供しています。その結果、お客様はよりアジャイルでマイクロサービス指向となることができます。
マイクロサービス指向の開発は、コンテナーの概念と、フルセットのアプリケーションとして相互作用できるコンテナーの機能に非常に適しています。今起こっているのは、特別な理由がない限りコンテナーを使用するべきだという状況です。
率直に言って、これはすばらしいことです。HPEは、お客様がマイクロサービスを導入し、アプリケーションを再構築するために、教育的観点から、またコンサルティング、統合、サポートの観点からお客様に取り組む機会を得ることができます。
HPEのお客様は、より継続的な統合、継続的な開発アプローチに移行しつつあります。そして、HPEはお客様に、高度な自動化と安価な運用コストによってこれらのタイプの環境を管理する方法を示すことができます。
Gardner: ビジネスレベルでのデジタルトランスフォーメーションに伴う多くのイノベーションでは、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、SaaS、オンプレミス、ベアメタル、データベースなど、異なる展開モデルでサービスまたはマイクロサービスを利用する必要があります。
そのようなイノベーションが起こっていますか? 何か例があれば、ぜひ教えてください。
Linesch: あります。インターネットを見れば、毎日それが起こっています。インターネットは、APIに基づく異なるサービスのコラボレーションです。さまざまな目的で、インターネットのエンドポイント全体から一連のサービスを集めます。これは、まさに「サービスとしての」機能です。大事なのはその点です。すべてのアプリケーションと、一連のサービスエンドポイントを連携させることができるのです。
さらに、コンテナー以外にも、機能に基づいた、またはサーバーレスタイプの新しいコンピューティングもあります。イノベーターは言います。「HTTPエンドポイントのような場所からサービスを使用したい。それも、非常に迅速にそれをしたいんだ」 彼らは、サービス指向の方法とコンテナーのモデルを非常に効果的に使用します。
一部のパブリッククラウドが現在提供している「Function as a Service」(FaaS) の分野で、多くのイノベーションが起こっています。また、コンテナーのポータビリティによって、ハイブリッドクラウド環境の運用全体で大規模な数多くのイノベーションが起こりつつあります。
HPEは、クラウドは場所ではなく体験だと考えています。コンテナーの活用は、開発のコミュニティとIT運用のコミュニティの両方にすばらしい体験を提供します。コンテナーは、企業のビジネスの目的を確実に支援します。
インテリジェントイノベーションへの投資
Gardner: Markさんはテクノロジー戦略を担当していらっしゃいますが、個人的にはどのようにイノベーションにアプローチしますか? イノベーションは有機的に起こり、それから膨らんでいくものですか? それとも、イノベーションを達成する確固としたプロセスまたはワークフローがあるのですか? どのような方法でイノベーションの推進を成功させるのですか?
Linesch: HPEでは、イノベーションについて考える時に引く大きなレバーが3本あります。
1本目は、多くの有機的な成長が可能だということで、これは非常に重要です。それには業界がどこに向かっているかを把握し、その先を行く努力をする必要があります。そして、概念実証やリードカスタマーとのインキュベーションの機会などによってそれを証明できます。
また、当然ですが、無機的なイノベーションに関するレバーもあります。たとえば、次世代の 高性能コンピューティング (HPC)と次世代のエクサスケールコンピューティングを加速させるための、最近のHPEによるCray社の買収がありました。
3つ目の分野はHPEのパートナーシップと投資です。たとえば、HPEはDocker社などの企業と緊密に連携しています。Docker社は数年来のすばらしいパートナーで、率直に言って、HPEはそのコンテナー管理テクノロジーの一部を成熟させる手伝いをしてきました。
HPEは、コンテナーに関する標準化団体の積極的なメンバーです。Docker社のようなパートナーとテクノロジーを成熟させ、そのような大きな進歩からビジネス価値を得られるのは重要なことです。これらが、HPEがイノベーションを進める方法のうちの3つです。
コンポーザビリティやメモリ駆動のコンピューティングなど、HPEの核となる他のイノベーションと合わせて、長期的にはコンテナーはさらに重要になると考えられます。コンテナーはメモリ駆動のコンピューティングシステムで、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM) またはストレージ・クラス・メモリ (SCM) のいずれかに格納できるようになります。
コンテナーを即座に立ち上げることも、即座に終了することもできます。HPEの構成機能は、そのようなシステムの立ち上げ、アプリケーションの立ち上げ、そしてそれらのアップリケーションの拡張と必要な場所への移動の大部分をますます自動化していく予定です。
我々が焦点を当てている原則の1つは、データをコンピューティングに近づけるのではなく、コンピューティングをデータに近づけることです。その理由は、コンピューティングをデータに近づけたほうがずっと簡単で、シンプルで、迅速だからです。そしてリソースの消費量も削減できます。
この次世代の分散型コンピューティング、メモリ駆動のコンピューティング、コンポーザビリティは、いわゆるコンテナーにすぐにでも適合します。そしてそれが、我々がすでに持っているコンポーザビリティのツールで可能になるのです。
Gardner: その段階に到達したら、ただのサーバーレスではなく、クラウドレスになりますね。必要な時に、必要なだけの適切なパフォーマンスレベルを発揮できる限り、FaaSがどこで発生するかは問題ではありません。それはすごいことです。
最後になりますが、特にコンポーザビリティの文脈で、またハイブリッドな連続的展開を活用する上で、組織がコンテナーをさらに有効に活用できるようにするためのアドバイスはありますか? コンテナーを活用する準備をするために、企業は今何をするべきでしょうか?
準備し、取りかかる
Linesch: もしアプリケーションを開発するのであれば、アジャイル開発の原則についてよく考えてみてください。また、マイクロサービスを活用してアプリケーションを開発することが本当に重要です。
IT運用を担当している人であれば、ビジネスのワークロードと要件に応じてベアメタル、仮想化、サービスとしてのコンテナーのオプションを提供できることが大切です。
企業は躊躇するのではなく、サービスとしてのコンテナーの概念実証に取り掛かることをお勧めします。HPEには豊富な経験があります。さらにDocker社などの多くのすばらしいパートナーがいるため、喜んでお手伝いいたします。
導入の過程で、オンボーディングなどのたくさんの役立つサービスを提供できます。ぜひ飛び込んで、少しずつ加速していきましょう。高度なテクノロジーには常に扱いにくい部分がありますが、コンテナーは非常にすばやく成熟しています。HPEはお客様がコンテナーを導入するお手伝いをします。
「ハイブリッドな領域」でのコンテナーの役割: リーダーのためのアドバイス
- コンテナーはエッジ、パブリッククラウド、プライベートクラウドなど、実質的に場所を問わずに実行できるため、現在のハイブリッドな世界で勢いを増しています。
- Linux FoundationのOpen Container Initiativeなどの取り組みによって業界標準が作成されているため、コンテナー、形式、それらに関連する実行時ソフトウェアは、異なるプラットフォームにかけて標準化されています。
- 今後、コンテナーベースのアプローチには人工知能、マイクロサービス、メモリ駆動のコンピューティングが組み込まれます。
この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

Dana Gardner
Interarbor Solutions社主席アナリスト、54件の記事
1999年以来、Dana Gardnerは、エンタープライズソフトウェアソリューション、戦略、パートナーシップ、市場機会、新しいITビジネス機会などの分野を専門とするアナリストとして活躍しています。Danaは、The New York Times、The Wall Street Journal、The Boston Globe、The Washington Post、Businessweek、San Francisco Chronicle、Reuters、Associated Press、MSNBC.com、CNN.comなどの主要なニュースやIT業界出版物においてソートリーダーとしてたびたび取り上げられています。また熟練したマルチメディアコミュニケーターおよびエバンジェリストとして、ITおよびインターネットのイノベーションが、生産性の向上、従業員の効率化、総ITコストの削減などにもたらすビジネスメリットについて、数多くの業界レポートを発表しています。Interarbor Solutions社の創業者兼社長として、DanaはITベンダー、通信事業者、および一般企業向けのコンサルティングサービスの提供に実績を有し、さらにインターネットのソーシャルメディアを中核とする新しいコミュニケーション機能の提供にも力を入れています。今日ではあらゆる種類の企業が、教育、コミュニケーション、口コミでの情報拡散などを目的として、ブログ、ポッドキャスト、ビデオポッドキャストなどの積極活用を進めています。Danaは自身が推奨していることを自ら実践しており、ZDNetや個人ブログで活発に情報発信しているほか、ポッドキャスターとしても活躍しています。Danaは2005年にGillmor Gangの創設メンバーの1人としてポッドキャストの配信を開始しました。
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