IoT向けの省電力WANが支えるインドの都市におけるクオリティ・オブ・ライフの向上

省電力エッジコンピューティングが、急速な近代化が進む都市にもたらす影響やメリットについて、数名のエキスパートによるディスカッションをお届けします。

一般的にスマートシティイニシアチブでは、都市生活を支える豊富なサービスを提供し、安全性を高め、住民のニーズにより俊敏に対応するために、オープンな広域ネットワークテクノロジーが活用されます。このQ&Aでは、高度に接続されたデータ主導のIoTアーキテクチャーが、インドの都市におけるクオリティ・オブ・ライフの大幅な向上をどのように支えているのかを検証していきます。

Dana Gardner氏によるVS Shridhar氏 (Tata Communications社) およびNigel Upton (HPE) に対するインタビュー

 

Dana Gardner: 本日のディスカッションでは、省電力エッジコンピューティングが、急速な近代化が進む都市にもたらす影響やメリットについて検証してまいります。いわゆるスマートシティイニシアチブでは、都市生活を支える豊富なサービスを提供し、安全性を高め、住民のニーズにより俊敏に対応するために、オープンな広域ネットワークテクノロジーが活用されています。

高度に接続されたデータ主導のIoTアーキテクチャーは、インドの都市におけるクオリティ・オブ・ライフの向上に大きく貢献しています。

本日は、デジタル・アーバン・トランスフォーメーションにおいて通信サービスプロバイダーが担い始めているエージェントとしての役割についてお話を伺うために、インドのチェンナイでTata Communicationsのシニアバイスプレジデント兼IoT事業責任者を務めておられるVS Shridharさんをお招きしています。ようこそShridharさん。

VS Shridhar: ご紹介いただきありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。

Gardner: 本日のもうお1人のゲストは、HPEでUniversal IoT PlatformとGlobal Connectivity Platform、およびコミュニケーションソリューション事業担当のゼネラルマネージャーを務めておられるNigel Uptonさんです。ようこそNigelさん。

Nigel Upton: ご紹介ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

Gardner: ではShridharさん、まずはインドのスマートシティ構想について説明していただけますか。御社はその構想においてどのような役割を担っており、また先進的なテクノロジーは都市のクオリティ・オブ・ライフの改善にどのように役立つのでしょうか。

 

より快適でスマートな暮らしの実現

Shridhar: インド政府は都市化計画の一環としてスマートシティ構想に力を入れており、スマートシティが暮らしの改善だけでなく雇用の創出にもつながり、テクノロジーの積極的な導入やクオリティ・オブ・ライフの向上など、国全体の成長を促進すると確信しています。

こうした信念のもとインド政府が立ち上げたのが「100スマートシティ」イニシアチブです。非常に興味深い点として、このイニシアチブへの参加を希望する都市は、自身がどのような進化を目指すか、またその目標をどのように達成するかについて、計画および戦略を提出することを求められ、そのうえで厳正な審査を経て選定されています。

言うまでもなく多くの都市が選ばれた一方で、落選した都市も存在します。興味深いことに、落選した都市の中には、その後独自の計画を推進している都市も存在します。  

スマートシティプロジェクトは、単に興味深い構想というだけでなく、具体的な活動も伴っています。ローマは一日にしてならずと言うことわざどおり、プロジェクトの進行はゆっくりですが、さまざまな進化が着実に起こっています。

Gardner: Nigelさん、基盤となるテクノロジーが従来に比べて非常に安価になり、情報を収集する機会が増え、エッジと中央の管理環境との間で双方向の対話を実現できるようになっている今日、このプロジェクトは絶好のタイミングで開始されたように思われます。テクノロジーの進化はインドにおけるスマートシティイニシアチブとどのように同期していますか。

Upton: このタイミングが意図的なものか偶然か、それとも必然であったのかはわかりませんが、こうした都市のインフラストラクチャとサービスのデジタル化は、ある程度は経済の成長によって牽引されます。私はインドの同僚たちが価格に敏感であることをからかうことがありますが、実際のところデジタル化、ひいてはスマートシティにおけるIoTの経済性は、それぞれの地域において適正なものでなければなりません。とりわけインドにおいては達成すべき価格帯が明白で、デジタル化の導入ペースに大きな影響を及ぼしています。

したがって、イノベーションによる価格の低下が大規模展開が可能なレベルにまで達し、そのメリットがより多くの人に実感されるようになったことは、私たちにとって非常に心強い状況です。

HPEはTata Communicationsとの協業を通じてこうした状況を理解し、パートナーエコシステムの一員として、村からIoTスマートシティへの進化を可能にするテクノロジーの提供に注力しています。この変革を実現するためには多くのパートナーが必要であり、広範なパートナーシップ、協業の意欲、および導入可能な価格帯の実現により、私たちは現在の地点にまで到達することができました。

HPE Universal IoT Platformは、Tata CommunicationsのIoTネットワークが2,000以上のコミュニティにサービスを提供することを可能にします。

 

バランスのとれた帯域幅

Gardner: Shridharさんにお聞きします。今日では街灯の管理、廃棄物の除去、公共の安全性、水質管理などを最適化するさまざまな機会が存在しており、また言うまでもなく交通と駐車場、監視などに関する改善ニーズも高まっています。

省電力仕様のインターネット/ネットワークゲートウェイ、省電力WAN (LPWAN) などは、これらのサービスを改善するための新しい技術的基盤としてどのように役立つのでしょうか。より優れた成果を達成するために、サービスとテクノロジーをどのように結び付ければよいと思われますか。

Shridhar: インターネットと人間の対話に代表されるように、今日ではさまざまなテクノロジーが日常に浸透しています。また2Gから3G、さらには4Gへと進化が進むなかで、利用可能な帯域幅も増大しています。アクセス速度や帯域幅に対するニーズは高まる一方です。

さて街灯を消すために必要な帯域幅はどれくらいかご存知ですか。人間との対話やエクスペリエンスの向上は、ネットワーク帯域幅の増大に支えられています。一方、マシンツーマシン (M2M) の場合は状況が異なり、それほど多くの帯域幅は必要ありません。マシン間の対話全体の約80~90%はごく低い帯域幅しか必要とせず、消費電力もわずかです。消費電力の低さについては後ほど説明しますが、まずは帯域幅要件が非常に低い点に注目してください。

実際のところ、街灯を消すためにはどれくらいの帯域幅が必要なのでしょうか。あるいは温度、大気の質、水位や水質などの測定に必要な帯域幅はどれくらいでしょうか。

こうした点を調べると、マシン間の対話はそれほど多くの帯域幅を必要としないことがわかります。またより重要なポイントとして、今後数年で数百万 (あるいは数十億) ものデバイスが配備されていくと予想されるなかで、街灯に対して点灯するように指示したり、バッテリが少なくなってきたときに消灯するように指示したりするための機器を保守する方法も考える必要があります。

このように対話に関してマシンは人間とは大きく異なります。帯域幅と電力の消費量が少ないマシンを展開する場合は、搭載したバッテリにより数年間にわたって通信を維持することが可能です。

低帯域幅・省電力テクノロジーでは対応できない、高負荷のビデオストリーミングや常時監視などの用途を除き、大半のケースは低い帯域幅と電力で十分であり、適正なサービス品質でマシン間の対話を維持できます。

ただしマシン間の対話を支えるネットワークの可用性は重要で、消費電力が非常に低く、適切な帯域幅を提供可能な、高可用性ネットワークの構築が欠かせません。こうしたネットワークの大半は50Kbps未満の接続で十分であることが調査によって確認されています。

さらに、こうしたマシン間の対話を1つのプラットフォームに集約して、管理できるようにすることも必要です。検知したデータを活用するためには、データの測定、分析、および処理が欠かせません。

 

人間との省電力の対話

このように重要なのは接続性だけではありません。新たに登場したLPWANテクノロジーは、多くの国で導入が進むのに伴って、事実上の標準になりつつあります。

Tata Communicationsでは、標準化を推進している400以上のパートナーで構成されるコンソーシアムであるLoRa Allianceが提供するLPWANテクノロジーを採用しています。私たちは今後18~24ヶ月をかけてインド全土にこのネットワークを展開する計画で、現時点では4つの都市ですでに利用可能です。私たちは今後もこの取り組みを継続し、2018年3月までにインドの約60の都市に拡大することを目指しています。

 

Gardner: Nigelさんは、こうした省電力・省帯域幅ネットワークのための標準的なアーキテクチャーに関連する機会や市場について、どのように見ていますか。このインドにおける概念実証はさらなる発展が可能でしょうか。グローバルな展開は予想されていますか。

Upton: グローバルな展開の可能性は間違いなく存在しています。さらにまだ言及されていない要素として、すべてのデバイスが同じ帯域幅を必要とするわけではない、という点にも注目する必要があります。先ほど言及されたとおり、ビデオ監視のような高帯域幅が必要なケースもあれば、わずかな電力と帯域幅しか必要とせず、一度構築すれば5~10年もの間放置可能なデバイスも存在します。

またセキュリティの側面も重要です。HPEとTataは、実環境にはさまざまなネットワーク要件が存在しており、LPWANで対応可能なケースもあれば、5Gで提供されるレベルの帯域幅が必要なケースもあるという認識を共有しています。

 

中核となる共通の標準

これらのデバイスからデータを取得するのに共通のアーキテクチャーを使用できると、管理機能、セキュリティ、データモデルなどの共有が促進されます。すなわち、多種多様なデバイスから情報を取り出して、標準ベースの共通プラットフォーム上で処理することが可能になります。

私たちのプロジェクトでは、共通データモデルの構築に最適であるという理由でoneM2M標準を選択し、Universal IoT Platform上にoneM2Mモデルを展開することで、どのようなタイプのネットワークを介してどのようなタイプのデバイスを処理する場合でも一貫性が保たれるようにしています。

Gardner: 確かにこれは、従来は不可能であった領域から有益な情報を収集して分析することを可能にする、前例のない機会であると思われます。Shridharさん、こうした取り組みの経済性に話を戻しますが、ジャムシェードプルなどの都市で行われているパイロットプロジェクトを通じて、街灯の管理あるいはその他のサービスの品質や効率性に関して、投資回収が可能であることが実証されていますか。また初期投資の回収後に継続的な財務メリットが得られていますか。

 

データ主導のコスト削減がインドにもたらすメリット

Shridhar: お客様は、コストの削減やカスタマーエクスペリエンスの向上といったメリットが期待できると判断しない限り、こうしたソリューションを購入することはありません。ここではコスト面でどのような効果が出始めているかについて、いくつかの例をご紹介しましょう。その1つは言うまでもなくデバイス価格の低下によるもので、先ほどNigelさんが触れられたとおりインドの市場は価格に敏感ですが、これは言い換えれば、インドにおけるコスト要件を満たすことができれば、グローバルな展開が可能であることを意味します。すなわちインドで成功させることができた取り組みは、グローバルな市場への展開が可能です。

街灯の例で、期待されるメリットを具体的に見ていきましょう。街灯を1日約12時間点灯する場合は約12ルピー (約15セント) の費用がかかりますが、最適化の取り組みを開始して、従来のハロゲン球からLEDに交換すると、ある程度の (または場合によっては大幅な) コスト節減が可能になります。新聞記事でご存知かもしれませんが、インドではLED革命が進行しており、こうした電灯の交換によって明らかなコスト削減効果がもたらされています。

現在では最適化をさらに推進して、電力使用量と料金をより一層低減することが検討されています。例えば街灯を標準時計と同期させる場合を考えてみましょう。コントローラーをインターネットに接続して街灯を時計とリンクさせると、例えば夕方6時30分に点灯し、朝の6時30分に消灯するように設定することが可能になります。

さらに人通りの多い時間帯、例えば午後7時から10時の間は最大光量を維持し、その後は光量を少しずつ落としていくこともできます。光量は10%単位で制御することが可能です。

ここで注目すべきは、要件に応じて街灯の光量を調整できるという点です。人通りが多い場合、路上に誰もいない場合、あるいは安全面で必要が生じた場合などに、センサーによって一連の街灯を調整できます。

このように要件に合わせて光量を柔軟に調節できることで、街灯の総コストの削減が可能になります。先ほど街灯あたりの費用を15セントと言いましたが、このような最適化によって5セントにまで引き下げられます。これが街灯をきめ細かく制御することで得られるメリットであり、ビジネスケースが拡大すれば、この取り組みだけでコストを60~70%節減可能です。言うまでもなくこれは強力なビジネスケースです。

Gardnerさんのご質問は非常に興味深いもので、個々の取り組みにおいては、それぞれ独自の手法による投資回収が可能です。さらにリソースが最適化されると、環境を保護することによる付随的な効果も期待されます。そのため私はビジネスの側面からの節減や最適化だけでなく、より広い視点に立って、環境保護の側面についてもメッセージを発信するよう心掛けています。環境保護と安全性の向上は、こうした取り組みから得られる2つの重要なメリットであり、お客様に対する大きなアピールになります。

Gardner: こうした取り組みについては経済的な指標が重視されますが、Shridharさんが指摘されたとおり、安全性も重要なメリットです。直接的な経済効果が得られない場合でも、都市環境の安全性を向上できれば、それは素晴らしい成果であると言えます。

安全性が向上すれば人通りが増え、その結果として経済が発展し、税収の増加も期待されます。この種のインテリジェントな都市環境を構築すると、さまざまなメリットが連鎖的にもたらされると私は考えます。より多くのデータは効率性の向上につながり、効率性が向上すれば経済が発展して収益が増加し、さらなるデータの取得が可能になります。インテリジェントな都市環境を構築することで生み出されるこうした相乗効果やメリットについてお話しいただけますか。

 

制御されたクオリティ・オブ・ライフ

Upton: この点に関しては、国ごとに、また同じ国の中でも地域によって、状況が大きく異なる点にも注意が必要です。スマートシティに固有の課題として、主な取引相手となるのが、財務的な利益を重視する手強いビジネスマンではなく、選挙で選ばれた議員たちであることが挙げられます。取引相手がそれぞれの市や町や地域を代表する政治家であるため、個々の人物の優先順位は必ずしも同じではありません。

各自が代表する地域によって、固有の社会的問題が重要な場合もあれば、クオリティ・オブ・ライフの向上が重要な場合もあります。地域によっては個人の安全確保が最優先の課題です。私は現在東京に住んでいますが、東京の場合は事情が異なり、急速な高齢化に伴ってクオリティ・オブ・ライフやモビリティがより重大な関心事となっています。

一方インドでは、取り組むべき機会および課題が、経済と社会の両方に関連しています。すなわち社会的な課題を解決して市民の安心感を向上できれば、人々がより自由に行動できるようになり、地域の経済交流が活発化することで、経済的な成長が促進されます。しかしながらこうした機会や課題は、都市ごとにまた地域ごとに大きく異なることも忘れてはなりません。

Gardner: Shridharさんにお聞きします。より多くのデータやネットワーク機会が得られれば、連鎖的なメリットが得られることを示す事例が他にありますか。インテリジェントでデータ主導の長期的な目標は、どのような継続的メリットを もたらすことが可能でしょうか。都市のエクスペリエンスを向上させるうえで、長期的なデータの収集や分析がどのように役立つのかをご説明ください。

 

家庭と職場における支援

Shridhar: お客様のメリットという観点から捉えると、スマートシティ、およびスマートシティがネットワークから得られるメリットには、数多くの注目すべき点が存在しています。企業顧客の場合は安全性の向上も重要な目標であり、スマートシティの取り組みは、こうした複数の目標を持つものも少なくありません。

例えば、鉱山などの厳しい環境で働く労働者を抱えている企業の場合は、安全性の強化が重要な目標になります。またご存知のとおり、インドでは女性の安全が深刻な社会問題になっていますが、安全性を高めるための目立たないデバイスを支給するといったことも可能です。

これらはいずれも何らかの形でデータを提供することを目的とするものです。お尋ねのあったデータ主導の支援とはどのようなもので、どのようなメリットを提供できるのかについて、例えば家庭の主婦がサービスを簡単に注文できる、複数のボタンが搭載された顧客サービス用のデバイスといったものが考えられます。

ユーザーがボタンを押して選択したサービスとインド全土にわたる世帯統計により、特定のサービスの利用状況を把握することが可能になります。このように、例えばサービスA、B、C用の3つのボタンだけが搭載されたシンプルなデバイスの形でコンシューマーサービスを販売し、このデバイスを購入した家庭にサービスを提供できます。

こうしたデバイスからはさまざまな傾向やパターンを収集でき、またカスタマーエクスペリエンスの大幅な改善も期待されます。すなわち顧客はサービス提供元の電話番号を覚えておく必要がなくなり、ボタンを押すだけで目的のサービスを簡単に利用できるようになります。お尋ねの点に関してまず思い浮かぶのがこうした事例です。

 

フィードバックによる変化の促進

2番目の用途はフィードバックです。同様の3ボタン方式で、利用している公共サービスを評価することも可能で、そうした事例の1つがインドで推進されているトイレ革命です。こうしたボタンを現場に設置することで、満足度などに関するデータがユーザーから随時提供されるようになります。

このようにして収集されたデータの分析は、現時点ではまだ初期段階にありますが、多くの企業がすでにこうしたデータを顧客のプロファイリングに活用して、利益の大きい地域、セグメント、顧客などを明らかにすることを目指しています。この種の情報の抽出は、非常に容易になりつつあります。

スマートシティで何よりも重要なのはエクスペリエンスです。今日の企業は、得られたデータをセグメンテーションに活用して、より優れたカスタマーエクスペリエンスを提供する方法を模索しており、これは言うまでもなくトップラインの向上とボトムラインの管理に役立ちます。このようにスマートシティは安全性の向上だけでなく、カスタマーエクスペリエンスの向上も可能にします。

Gardner: 市場への投入あるいは都市への展開という観点から捉えると、これらは非常に複雑な取り組みであり、多くの変動要因が存在し、さまざまなテクノロジーや標準が関与します。TataとHPEは相互に、また他のサービスプロバイダー、例えばPointnextなどと、どのように連携しているのでしょうか。管理や展開を容易にするためのパッケージ化はどのような方法で実現していますか。この魅力的な取り組みを他の都市や地域にも実際に展開するためには何が必要でしょうか。

Upton: スマートシティのコンセプトは以前から提唱されており、世界中のさまざまな政府が長年にわたってそれぞれの都市に多額の資金を投入してきました。そのため今日では基盤となるインフラストラクチャが整備され、価格が適正なレベルに達し、IoTの普及が進んでいます。

一般的にこうした取り組みは思うよりも時間がかかるものですが、今日私たちが抱えているのはテクノロジー上の課題ではなく、ビジネスモデルに関する課題であると私は考えます。市民にサービスを提供するために必要なテクノロジーは実装可能な段階にあり、デバイスレベルのイノベーションは、それが街灯であれ、あるいは水質、音質、湿度などを測定するためのデバイスであれ、いずれも実用段階に達しています。デバイスレベルのイノベーションは急速に進行しており、実装コストは大規模な展開が可能なレベルにまで低下しています。

ここ数年で進行しているこうした急速な変化によって、今日では基盤となるインフラストラクチャが整備され、価格が適正レベルに達し、IoTが普及して、街灯から個人用のセキュリティデバイス、さらには監視/追跡用デバイスに至るまで、さまざまな製品に製造段階でIoTが組み込まれるようになっています。これらのデバイスから生み出される膨大なデータを活用することで、より効率的でスマートな都市を構築し、より安全な環境を市民に提供することが可能になります。

Gardner: Shridharさん、最後にお尋ねします。ジャムシェードプルなどの都市でスマートシティ構想の一環として推進されている概念実証 (PoC) についてより詳しい情報を得たいと思った場合、どのような手段で情報を入手できますか。こうしたテクノロジーに関心を持つ人々に対して、どのような情報発信を行っておられますか。

 

パイロットプロジェクトの始動

Shridhar: 私たちは推進しているPoCについて積極的に情報提供しています。これらのPoCは、安全性の向上に重点を置いたもの、エネルギー管理に重点を置いたもの、先ほど取り上げた顧客サービスに重点を置いたもの、そして公共サービスに重点を置いたもの、の4つに大きく分類されます。なかでもガスと水道は、これらのPoCに注目しているお客様の関心が高い用途です。

また別の興味深い用途として、あるお客様はペストコントロールを望んでおり、ネズミ捕獲器にセンサーを搭載して、捕獲状況を把握できるようにすることを検討していました。

このようにさまざまなストリームが存在しているために、私たちは複数のPoCを実施しています。Tata Communicationsは詳細情報を積極的に提供しており、この点に関してHPEのスタッフとも連絡を取り合っています。

弊社までメールで (当面は私宛てに) お問い合わせいただいても結構ですし、弊社のWebサイトでも継続的に情報を提供してまいります。またこうした取り組みを紹介するマーケティング資料も用意しているほか、HPEとの共同ワークショップも予定しています。

このようにTata Communicationsはさまざまな形で情報を発信していますが、まずは弊社のWebサイトをご覧になることをお勧めします。私たちはいつでもお客様を支援する用意がありますが、弊社だけで可能なことには限界があるため、エコシステムによる取り組みを重視しています。

弊社はHPEをはじめとするパートナーとプラットフォームレベルで連携しているだけでなく、ムンバイにセンターオブエクセレンスを設立する際にはSemtechなどのパートナーとも連携しました。このエコシステムにはHPEサイドやその他のパートナーからアクセスすることも可能です。私たちは今後も連携してソリューションの共同開発に努めてまいります。

Gardner: さて、そろそろ時間がまいりました。本日はスマートシティイニシアチブにおいて、都市生活を支えるサービスをより充実させ、安全性を高め、住民のニーズにより俊敏に対応できるようにするために、オープンな広域ネットワーク、および低コスト・省電力の広域ネットワークテクノロジーがどのように活用されているのかについて議論してまいりました。

また、高度に接続されたデータ主導のIoTアーキテクチャーと、HPEやTataなどのプロバイダーで構成されるエコシステムが、インドおよびその他の地域におけるクオリティ・オブ・ライフの大幅な向上にどのように貢献しているのかについても検証しました。

本日ゲストとしてお越しいただいた、Tata CommunicationsでIoT事業担当シニアバイスプレジデントを務めておられるVS Shridharさんと、HPEのUniversal IoT PlatformとGlobal Connectivity Platformおよびコミュニケーションソリューション事業担当のゼネラルマネージャーを務めておられるNigel Uptonさんに改めて感謝の意を表したいと思います。本日はありがとうございました。

また本日のIoTトランスフォーメーションに関するBriefingsDirect Voice of the Customerディスカッションをご視聴いただいた皆さまにも心よりお礼を申し上げます。

本日お送りしましたHPE主催のディスカッションシリーズの司会兼進行役は、Interarbor Solutionsの主席アナリストである私Dana Gardnerが務めさせていただきました。本日はありがとうございました。次回のディスカッションもぜひご視聴ください。

 

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

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