2020年6月12日

優れたテクノロジーイノベーションセンターを設計する方法

イノベーションセンターを設立する準備はできていますか。適応力の高いエコシステムを備えたイノベーションセンターを設計するために必要な4つのコンポーネントをご確認ください。

イノベーションセンターを設立する準備ができた政府、または組織のイノベーション責任者は、業界内の変化をけん引することに熱心なCEOと意見を共有しているかもしれません。事実、CEOの多くが自身の企業を業界のパイオニアまたはファストフォロワーであると考えています。これは、彼らが、ビジネスの成功にとってアクセラレーションが非常に重要なコンポーネントであると認識していることを意味します。

イノベーションセンターを設立するためには、多くのアクションを正しく実行する必要があります。アクションによって、次のような能力を高めます。

  • 新しいアイデアを生み出し、評価する
  • 厳選したアイデアをすばやく確認し、育てる
  • それらのアイデアを収益化する

 

アクションを実行する間、組織はイノベーションセンターの焦点のコンテクスト内にとどまる必要があります。これは、競合優位性、リソース、戦略の分野に注力することを意味します。また、組織のコアオペレーションもターゲットに据えます。これによってリーダーシップには興味深い課題が発生します。

ただし、最も重要な最後の考慮事項は、適応力の高いエコシステムを導入する準備ができていることを実証することです。イノベーションセンター設計へのそのようなアプローチは新しく、ゲームチェンジャーとなります。これは、過去のイノベーションが、すべての参加者がリーダーの周りに集まる「ハブモデル」に基づいていたためです。

適応力の高いエコシステムは、フィードバックをキャプチャする、またはITリソースの持続可能な統合型管理で発生する不確実性に対応できる、設計に学習が組み込まれた概念的環境と定義されます。そのようなエコシステムには、想像力と柔軟性の両方が必要です。適応力の高いエコシステムの手法を使用する企業は、従来型ではない能力を持つパートナーと協力できます。

適応力の高いエコシステムのコンポーネントが利点となるのは、業界の境界が頻繁に変化する場合です。例えば、適応力の高いエコシステムを達成するために必要な専門知識は予測が困難です。適応力の高いエコシステムが、問題と解決策が明確ではない場合、またはまだ分類中の場合に最適なのはそのためです。

 

イノベーションセンターは、適応力の高いエコシステムのコンポーネントで進化する

この新しい設計パラダイムでは、適応力の高いエコシステムを備えたイノベーションセンターを設計するために4つのコンポーネントが必要です。その4つとは、パートナーシップ/関係、フォーカス、コンピテンシーおよび能力開発、成長のためのシステムです。各コンポーネントを詳しく見てみましょう。

 

1. パートナーシップ/関係

同じような構造をしたイノベーションセンターは2つとありません。各センターに独自のプロファイル、焦点、優先事項があり、またそうあるべきです。

イノベーション自体はデジタル時代におけるチームスポーツであるため、そのようなイニシアチブを成功させるためには、複数の協力プレイヤーが必要です。真に適応力の高いイノベーションセンターを作るために本物のパートナーシップが主要なコンポーネントとなるのはそのためです。適切なパートナーは、デジタルイノベーションを実践しながら利益を得るための土台を構築するために役立ちます。注記: イノベーションのイニシアチブが中央で組織されていない場合、エコシステム全体の進展が遅くなります。したがって、利益は限定的です。これについては後で詳しく説明します。

前述のように、イノベーションのために必要な能力を特定するのは困難な場合があります。正確な能力は最初は厳密にわからず、時間が経つにつれて変わるため、流動的なアプローチを取ることが有益です。例えば、ネットワーキングイベントを開き、さまざまな分野の潜在的なパートナー (競合他社を含む) や専門家を招きます。新しいエコシステムに迎え入れるパートナーは、新しいビジネス上の挑戦を可能にするために不可欠な能力だけでなく、顧客を集めるために鍵となるインサイトも提供できる可能性があります。専門分野が異なるパートナーは、将来新しい領域に乗り出す際に助けとなります。どのようなパートナーが次の画期的なイノベーションをもたらすかは、誰にもわかりません。

このパートナーシップのエコシステムを効果的に機能させるためには、リーダーとして振る舞う企業が必要です。リーダーは、中心、仲介者、調停者の3つの役割を果たします。中心として、リーダーは最適な方向をパートナーに指し示し、奨励し、提案することによって、さらに大きな可能性に向けて機会をうかがうためのインプットを絶え間なく集め、保持し、選択します。仲介者として、リーダーは、パートナーと潜在的な顧客の間に適切なつながりができるようにします。

また、リーダーは共通の焦点を特定し、パートナーの間のつながりを見つけ、パートナーが協力して新しく発生する機会を特定できるようにします。

主要なパートナーシップとその関係を説明したところで、次はフォーカスについて説明します。

 

2. フォーカス

リーダーとパートナーの間の緊密な、支えあうコラボレーションが鍵となります。そのため、フォーカスを決めることが不可欠となります。

共通のフォーカスは、適切なリソース配分、ビジネス機会の増加を可能にし、投資の意思決定を推進します。さらに、共通のフォーカスは必要なコンピテンシーを特定するために役立ち、アイデアと機会の創出と、アーリーアダプターの促進を可能にします。

フォーカスは、主要な問題がすでに解決されている安定したイノベーションセンターでは暗黙的となり、うまく機能する傾向があります。要件が流動的で、目的の定義があいまいで、確立されたプラクティスがデジタル化によって混乱してしまう現在のビジネス環境では、フォーカスを正式に確立、定義する必要があります。

それでは、イノベーションセンターにおける教育的機関の重要性について考えてみましょう。

 

3. コンピテンシーおよび能力開発

アイデアの創出と実践の間の溝を埋めるには、また、勢いを生み出せる初期のビジネス機会を収益化するには、コンピテンシーを開発および拡張してすぐに応用することが求められます。

そのために、教育的機関がジョイントプログラムを実施し、目標のコンピテンシーおよびリソースを開発するためのカリキュラムを作成します。初期に導入することによって、投資に焦点を当て、実際の応用に関する関心を集めるための理想的なプラットフォームとなります。

また、最初に必要量のリソースを利用できることで、さらなるイノベーションの機会を生み出し、現行の実践的な応用をさらに可視化できます。

 

4. 成長のためのシステム

イノベーションで重要なのは、イノベーターだけではありません。

イノベーションを可能にする最初の勢いを育てるためには、インキュベーターも非常に重要な役割を果たします。これは、イノベーションにはビジネス/経済的システム全体がかかわり、イノベーター、確立されたビジネス、公的機関が協力する必要があるためです。また、インキュベーターは、スタートアップとイノベーターの集団による協力を促進します。これにより、組織はアイデアの創出と実現の間の溝を埋め、期待した利益を達成することができます。

理想的なイノベーションセンターは、イノベーションのシステムと、ビジネス、スタートアップ、機関のシステムをつなぎ、すばやくアイデアを実績に変えたり、より将来性のある機会にリソースを割り当てるために即座に停止したりする必要があります。

このアプローチには、本来は停滞気味の当事者間の関係を完全な協力体制へと変え、各当事者の役割に敬意が払われる新しい共同イノベーションモデルが必要となります。

 

最高のイノベーションセンターの設計を始める方法

最後に、計画 (この場合はイノベーションに関する計画) が多数の異なる当事者によって適切に実行されるようにするのは、イノベーションセンターのリーダーの責任です。したがって、これらの問題を確実に理解し、適切な人材に責任を与えることが鍵となります。

ヒューレット・パッカード エンタープライズは、Digital Life Garageによってイノベーションセンターの設計に独自の強みをもたらします。例えば、さらなる価値を実現する主要なテクノロジープレイヤーを提供します。HPEは、協力体制に関して長く一貫した評価を得ています。また、Digital Life Garageのビジネスモデルは協力的なパートナーシップを大きな頼りとしています。Digital Life Garageモデルを通して、イノベーションセンターモデルがアクティブで焦点の合ったエコシステムコンポーネントを導入できるのはそのためです。さらに、HPEはDigital Life Garageによって、ローカルの開発プログラムの特定のニーズに確実に応えるため、プログラムにかかわるすべての当事者に価値を提供します。現在のイノベーションセンターでは、イノベーションを望むだけでなく、導入して運営する必要があります。これにはスケール、リソース、インセンティブが必要となります。Digital Life Garageによって、HPEを貴社のパートナーにしてください。 

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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