ITは、健康増進にも一役買っています。AIやデータ分析などのテクノロジーを使用して、医薬、栄養、医療プロセスが進歩しているためです。

テクノロジーの進化がもたらす影響と聞いて最初に医療を思い浮かべることは少ないかもしれません。しかし、多くの人が個人的に最も大きな影響を受ける分野は、おそらく医療ITでしょう。医療ITは、医療管理から医薬、患者の治療方法まで、地球上すべての人の未来に重要な役割を担います。ここで紹介する5つのお話は、医療ITの変化による大きな影響と、それが人類に与える幅広い影響を理解するヒントとなります。

デジタルな医療の未来: ウェアラブルデバイスやインジェスティブルデバイス、症状管理と環境モニタリングの自動的な連動など、医療とIoTが幅広いの分野で融合することで、患者の健康状態を監視するのに長期間の入院や負担の多い検査は今後必要なくなるかもしれません。広範で包括的なアプローチによって患者のニーズと行動を把握することで、より効果的で適切な治療が可能となります。

急速に進歩する医療テクノロジーで変わりつつある看護師の仕事: 看護師は、効果的な医療という戦いにおいて最前線で奮闘しています。今、ITテクノロジーによって看護師の仕事が変わろうとしています。常に人手不足の病院に勤務する看護師は、テクノロジーによってより少ない労力でより多くのことができるようになり、人手不足の問題が医療行為に及ぼす影響を最小限にすることができます。

また、テクノロジーは看護師の優れたツールでもあります。テクノロジーによって精度の向上、患者の転帰の改善、従業員の怪我の減少、情報へのよりシンプルで効果的なアクセスが可能になります。

AIとビッグデータで新薬発見を加速: 現在の創薬は時間と費用がかかるプロセスであり、ある意味では当てずっぽうの作業です。研究、試験、審査の開発プロセスを経てアメリカ食品医薬品局 (FDA) に承認され、大規模な製造工程へと進めるのは、何千という化合物の候補の中の1つのみです。

1つの薬を開発するには驚くほどの費用がかかります。タフツ大学医薬品開発研究センターによる調査によれば、1つの薬の開発にかかる金額は25億ドルを超えます。40億ドルや110億ドルなど、より高額な試算もあります。しかし、AI、クラウドコンピューティング、IoT、ビッグデータによって、非常に効果的な新薬を開発および流通する費用と時間を削減できます。

食事の処方で患者の人生が変わるか? 適切な食事法によって健康状態を大きく改善できることは長らく知られています。しかし現在は、医師が単に食事法を指示するだけでなく、具体的に食べるものや買う食材を処方できるような時代になろうとしているのでしょうか?

食事療法は新しい概念ではありませんが、ダイエット食の定期購入から、受取人が自ら選んだ健康的な調理済みの食事のデリバリーサービスまでの幅広いフードデリバリーサービスは、この概念がすでに私たち全体の意識の中で実験段階に移されていることを意味しています。そう遠くない将来、医師が食事サービスを処方し、ウェアラブルデバイスや環境センサーなどのIoTデバイスのデータを使用して、食事療法の効果とそれが患者の健康状態と幸福度に与える影響をリアルタイムで確認できるようになるでしょう。

今後AIは大親友の心理セラピストとなるか? ソーシャルメディアによって私たちは社交的ではなくなったと言えます。家族や友人との直接的な関わりは、いいねやクリック、1段階隔てたインターネット接続といったものに置き換えられてしまいました。このような関係性は、うつ病の増加や、精神疾患の典型的な原因である孤独感や疎外感につながることが研究によって分かっています。AIでこの問題を解決することはできませんが、AIは人間とやり取りし、潜在的な問題の兆候を読み取ることができます。適切な許可を与えられたAIの友人が、現実の家族や友人にあなたに連絡するように伝えることさえ可能です。またはもっと端的に、座っている時間が長すぎるとスマートウォッチからメッセージが来るのと同じように、AIがそろそろ家を出て散歩でもしたらと教えてくれるようになるかもしれません。

_{この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。}