2018年6月20日

インテリジェントエッジの導入

HPEの社長兼CEOであるAntonio Neri氏は、今後生き残るだけでなく成功を収める企業は、次第にネットワークエッジのデバイスから得たデータを分析し、それに従って行動するようになると予測しています。

Hewlett Packard Enterpriseの社長兼CEOであるAntonio Neri氏は、今後生き残るだけでなく成功を収める企業は、次第にネットワークエッジのデバイスから得たデータを分析し、それに従って行動するようになると予測しています。同氏は、ラスベガスで開催されたHPE Discoverイベントで次のように語っています。「HPEの将来のビジョンはこれまでになく明確になりました。未来の企業は、エッジ中心、クラウド対応、そしてデータ主導になるのではないかと私たちは考えています」。

また同氏は、エッジで生成され、「次々と」送られてくるデータに迅速に対応できる企業が市場で成功を収めるようになると付け加えています。

インテリジェントエッジコンピューティングに対するHPEのコミットメントを示すため、Neri氏は、このテクノロジーに対して40億ドルに及ぶ4年間の投資を行うことを発表しました。これについて同氏は、インテリジェントエッジコンピューティングを推進するための、セキュリティ、自動化、人工知能(AI)、機械学習などの分野のテクノロジーとサービスの研究開発に資金を投入すると述べています。

現在HPEのインテリジェントエッジのビジョンの障害となっているのは、企業がセンサー、モノのインターネット(IoT)の接続、およびスマートフォンなどのデバイスから収集してきた膨大なデータであると同氏は指摘しており、エッジで生成されたデータの約94%が、活用されていないか失われています。

 

ビジョンの明確化

Neri氏はGartner社の予測を引き合いに出し、2022年までに企業が生成するデータのうち、従来のデータセンターやクラウド以外で作成および処理される割合が、2018年の10%未満から約75%にまで増えると述べています。

同氏は、このような新しいデータがエッジデバイスで生成されるようになると予測しています。エッジデータを取得して分析し、迅速に活用できる企業は、競合他社を大きく引き離すようになると思われます。インテリジェントエッジは、人々の生活や働き方に多大なプラスの影響をもたらすだろうと同氏は述べており、エッジで生成されたデータをより的確に分析できれば、治療の成果が向上したり、より質の高い顧客サービスが実現したり、さらに効率の高い交通システムが生み出されたりするようになります。

また、インテリジェントエッジは今後娯楽にも活用され、たとえば、スマートスタジアムでは、常に「魅力的な体験をもたらす」高度なワイヤレスサービスにより、スポーツファンが自らも対戦しているかのような感覚を味わえるようになる、と同氏は付け加えています。

 

ハイブリッドクラウドの管理

未来の企業では、クラウドコンピューティングも大きな役割を果たし、ハイブリッドクラウドに重点が置かれるようになるとNeri氏は述べています。ハイブリッドクラウドでは、各企業がクラウドコンピューティング環境をカスタマイズし、データとワークロードについて、社内に残すものとパブリッククラウドに置くものを決定できます。

HPEは火曜日に、お客様によるオンプレミスとオフプレミスのクラウドの管理と最適化をサポートする目的で設計された、GreenLake Hybrid Cloud管理ツールを発表しました。HPE GreenLake Hybrid Cloudは、お客様が必要とするクラウドリソースを使用できるようにすることに重点を置いた、自動化されたクラウド運用モデルであるとHPEは述べています。また同氏は、この製品が、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化、およびコスト削減の面でもクラウドユーザーの役に立つと断言しています。

そして同氏は、データ主導のインテリジェントエッジの「革命を起こすには、いわゆるエッジツークラウドアーキテクチャーが必要であり、将来は、世界中のあらゆる場所で何百万ものクラウドが使用されるようになる」と述べています。

 

エッジのAI

ハイパフォーマンスコンピューティングとAIが進歩すると、大規模組織はHPEが思い描く未来のインテリジェントエッジを実現できるようになります。これについてNeri氏は、AIシステムが成熟するのに伴って、多く組織が現在収集しているエッジデータのすべてを理解できるようになると述べています。

HPEのビッグデータ、AI、イノベーション担当グローバルバイスプレジデントであるBeena Ammanath氏は、AIの開発はまだ始まったばかりであり、AIシステムがポーカーのような複雑なタスクを処理できるようになってから数年しか経っていないと指摘したうえで、AIは狭い範囲のタスクで優れたパフォーマンスを発揮するものの、汎用的な知能を備えたAIが実現するのは、まだ何年も先の話であると述べています。

たとえば、学習を重ねたAIはカンファレンスセンターで開かれるチェスの大会ですべてのプレーヤーに勝利するかもしれませんが、「カンファレンスセンターが火事で焼失した場合、プレーヤーの全員が全力疾走で火事から逃れようとする一方、AIはチェスをし続けるだろう」と同氏は指摘しています。

またこれについて、HPEのAIおよびハイパフォーマンスコンピューティング担当バイスプレジデント兼CTOであるEng Lim Goh博士は、インテリジェントなAIシステムで学習を重ねれば、コンピューティング性能が大幅に向上し、企業が競争力を得るのに必要なハイパフォーマンスコンピューティングリソースがもたらされると付け加えています。

多くの企業は、3か月かけてAIシステムに学習させたいとは思っておらず、Goh博士によると、「その期間を1週間、さらには1日にまで短縮できないかと考えています」。

それでもやはり、Ammanath氏は、AIが企業やその従業員に大きな可能性をもたらすとしたうえで、次のように述べています。「AIは今後、人類の能力を大きく向上させてくれると思います。AIによって、人がやらなければならない日常のつまらないルーチンタスクがなくなり、創造力を高められるようになるはずです」。

 

新たなインテリジェントエッジ: リーダーのためのアドバイス

  • 未来の企業は、エッジデバイスで生成されたデータを収集して分析し、それに従って行動するようになります。
  • ハイブリッドクラウドコンピューティングにより、企業はコンピューティングリソースをさらに有効活用できるようになります。
  • AIが進歩すると、企業は現在収集している膨大なエッジデータを理解できるようになります。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

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