2018年6月7日

暮らしやすいスマートシティを設計する

数多くの都市開発計画で、市民に真の利益をもたらすテクノロジーが採用されています。この記事では、何が可能なのか、どこまで進んでいるのか、どんな落とし穴があるのかといった、あなたが成功を得るために必要な情報をまとめています。

オンラインサービスの提供を目指す都市の自治体では、意思決定が難しい状況に陥ることが少なくありません。すべての人々とすべてのモノがネットワークでつながるようになる中で、都市のプラットフォームを適切に構築することが不可欠になっています。

「都市で生きていくのは大変なんだ」。スティーヴィー・ワンダーは『汚れた街』の中でそう歌い、新しい環境で希望を持つために何ができるのかを訴えています。同じように、多くの人が、都市を暮らしやすい場所に変える方法を模索しています。国連の調査によると、今日、世界の人口の半数が都市で生活しており、その数は2050年までに64億人に達します。

理想の世界、まさに私たちが目指す世界では、地域の自治体は普段のサービス (オンラインでの公共料金の支払い) や追加のサービス (レンタル自転車の検索)、あるいは人権に関わるサービス (自治体の情報の透明性確保) などを提供することで、市民にさまざまな能力を与えます。自治体と私たちにとって、コスト節減、人が関わるプロセスの合理化 (誰も運転免許の更新で長い列に並びたくはありません)、都市居住者の福祉といったことが、改革への動機付けとなります。私たちにはジェットパックはないかもしれませんが、自治体の力を借りて、日常生活をより良いものに変えようと望んでいます。結局のところ、スマートシティとは、処理したデータをサービスとして市民に提供するプロセスなのです。これにより、プライバシーを配慮しつつ、市民の期待や関心に応えます。

enterprise.nxtでは、私たちが関心を寄せるビジネスやテクノロジーの領域とつながりがあるこうした話題について、ある程度詳しく取り上げています。この記事では、スマートシティサービスの設計、検討すべきインフラストラクチャとデータ管理の問題、発生する可能性のある問題といった観点から、私たちに何ができるのかについて概要を述べます。

 

何ができるのかを 目的を踏まえて探る

その他の多くの活動と同じく、まず、自分が達成すべき目標と、ほかの事例で同じ努力によって得られた結果について考えてみることが重要です。自治体が都市計画に着手する前に、そのIT部門 (および、関係する市民) は、ほかの自治体が実施したことから何かを学ぶ必要があります。ここでは、詳細な計画とロードマップを有する優れた事例を紹介します。

都市の社会問題と戦う手段として注目を集めている予測分析: 多くの都市が、深刻な社会問題を引き起こしている要因を把握する手段として、予測分析を活用し始めています。その1つであるカンザスシティでは、犯罪、ホームレス、非識字といった慢性的な社会問題を解決する手段として、このデータサイエンス手法の導入が進められています。

スタジアムの技術がゲームを面白くする: スポーツのフィールドは、世の中で最も先進的なスマートフォン環境になりつつあります。ここでの目標は、スポーツとその他のイベントに対応できるように、アプリケーション主導型のサービスによって、アリーナを最新に保つことです。これにより、ファンをゲームに引き込み、利便性を高め、自由にコントロールできるカメラを提供できます。成功の鍵を握るのがBluetoothとWi-Fiの高度な接続技術です。声援を送る50,000人のファンが、常時接続できるインターネットサービスを望んでいます。

スマートシティ、ニューヨークで  あなたができること (あるいは、できるとは知らなかったこと): 人口の規模に見合う膨大な量の情報を管理するニューヨーク市。そのほとんどを自由に閲覧できます。ニューヨークが好みでなければ、ボストンのサービスと比べてみてください (Go Red Sox!; がんばれレッドソックス!)。

IoT向けの省電力WANが支える、インドの都市におけるクオリティ・オブ・ライフの向上: 省電力エッジコンピューティングが、急速に変貌を遂げる都市にもたらす影響やメリットに関する、数名のエキスパートによるディスカッションをお届けします。

 

スマートシティの設計

都市設計者にとって重要なのは、設計を始める前に市民に参加を促すことです。市民のニーズを把握して、参加を確実なものにし、適切な優先付けを行います。ここではユースケースが不可欠です。

スマートシティでは、デバイスとアプリケーションよりも、ネットワークとガバナンスが重要: スマートさを求めるあまり、多くの都市が、有望に見えるIoTに頼ろうとします。そうしたデバイスではなく、真に革新的なサービスとシステムの導入に必要となる、インフラストラクチャについて計画を立てましょう。

自治体のデータに誤りなどないと思っていませんか: 自治体が収集するデータで特に問題なのは、そうしたデータに時々誤りがあることです。それを修正するとなると本当に面倒です。自分のデータでなければなおさらです。こうしたことは、自治体のデータプロセスをスマートシティの構造によってどう設計すべきかという点で、多くのことを示唆しています。

 

セキュリティとプライバシー

次に取り組むべき問題はセキュリティです。これを取り上げるのは、いうまでもなく、データとITインフラストラクチャにおいて侵害が続いているためです。新しいパスワード技術が考慮されていないIoTデバイスや、送電網システムをダウンさせたマルウェアについてのインシデントも報告されています。セキュリティは、物理インフラストラクチャでも重視されます。膨大な数のカメラから、ミッション管制センターにデータが送り込まれていますが、誰かが、こうしたビデオ映像の評価、フィルタリング、保護を行う必要があります。都市のセキュリティを維持するためには、適切なデータが、人の知能によって補われなければなりません。

さらに、データプライバシーの問題があります。

都市のデータプライバシーにおける落とし穴をなくす: オープンデータフレームワークを推進するスマートシティでは、データプライバシーに関わる際にいくつかの問題が発生します。自治体は、今すぐポリシーを策定して、個人情報の漏えいを防ぎ、プライバシーを保護する必要があります。

スマートシティの データは誰のものか: 都市では、住民を支援するためにテクノロジーが採用され、そうした取り組みの中でデータが生成されます。しかし、そのデータを誰が所有し、どのように使用するのかが問題になっています。そうしたデータの扱い方は自治体によって異なります。

自治体の ビデオ監視システムが あなたを見ている: 膨大な数のカメラやセンサーが、街を移動するあなたの動作をすべて録画しているかもしれません。公共のカメラは実世界で重要な役割を果たしますが、自分が監視されるのはやや気味が悪いものです。どうすればその価値を維持しつつ、不快さの原因をなくすことができるのでしょうか。

スマートIoTは規制の適用方法にどのような変革をもたらすのか: スマートシティのITシステムは、データを活用して指針を伝えるとともにコンプライアンスの強化をサポートし、柔軟性とアジリティを高めることを目指しています。しかし規制当局は「ディスラプション」という言葉を使用したがらず、指針が目まぐるしく変化する世界は、大部分の企業が望んでいる将来像ではありません。また今日では、データ主導の指針のディスラプションをめぐるさまざまな論争が巻き起こっています。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

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