ボストンの素晴らしい「スマートシティ」であなたができること (そしてできると知らなかったこと)

スマートシティテクノロジーは、役に立つ場合もあればそれほどでもない場合もあり、インタラクティブアートはくだらないものになってしまいがちです。ボストンは、くだらないアプリケーションと素晴らしいアプリケーションの両方に手を加えて非常に役に立つアプリケーションを生み出してきました。ここでは、スマートフォンを魅力あるものにする6つの例を紹介します。

ボストン市は、居住者が抱える非常に難しい課題に対応するためのアプリケーションを数多く公開してきました。また、同市が展開したアプリケーションのいくつかはスマートシティを巡る争いの中で遅きに失し、すでに大失敗に終わっています。駐車違反の反則金を支払わなければならない人にとっては残念な話ですが、そのためのアプリケーションは、路上のセンサーを回避するために無理やり車を割り込ませるような無謀なドライバーによっていとも簡単にセンサーがかいくぐられてしまうことに同市が気付くまで提供されていました。しかし、三方を水に囲まれたそれほど広大な土地ではないボストンでフェンウェイパークに行きたいなら、数時間自転車を借りるのがお勧めであり、同市からはそのためのアプリケーションが提供されています

また、道路にできた穴を市に報告できるStreet Bumpと呼ばれるアプリケーションも提供されていましたが、同市の都市インフラグループであるNew Urban Mechanicsは、緊急を要しない苦情を市のワークフローシステムに直接入力して適切な担当者に届けられる優れたBOS:311アプリケーションがあることから、このアプリケーションが不必要であると判断しました。一方、子供が乗っているスクールバスの位置を知りたいと思っている人には、同市からそうしたニーズに応えるアプリケーションが提供されています

データを公開している都市は、居住者の生活の利便性を大きく向上させることができます。ここでは、今ボストンの素晴らしいスマートシティでできることをいくつか紹介しますので、それらを超えるソリューションが考え出される前に、いち早くそれらのメリットを取り入れてください。

 

1. 車を置いて自転車を利用

ボストンでは、多くのドライバーが道を譲るのではなく、狂犬病に感染したフェレットのように急所に向かって突進してくるため、車で街中を走りたくないと思う人は多いでしょう。私がこのように言うのには裏付けがあり、Allstate社が発表した2017年の「America’s Best Drivers Report」では、200都市を対象としたベストドライバーリストでボストンは最下位に位置しています。また、このレポートによるとボストンのドライバーは平均で3.6年ごとに賠償請求を行っており、ボストンはこうした不名誉な賞を3年連続で獲得しています。

ボストンでは、車を運転してわざわざ身の毛のよだつような体験をするのではなく、同市の公共自転車共有システムであるHubwayなどを活用して自転車を借りるべきです。2011年に立ち上げられ、現在185のステーションがあるHubwayは、ボストンとその周辺都市のブルックリン、ケンブリッジ、およびサマービルをカバーしており、モバイルアプリケーションで同システムの1,800台の自転車のリアルタイムの利用状況とそれぞれの正確な位置を確認できます。パスと会員証が有効であれば、スマートフォンで任意のステーションの自転車を選択し、短距離利用を好きなだけ繰り返すことが可能です。

自転車は日単位か時間単位で借りることができ、24時間のパスは8ドル、1か月のパスは20ドル、そして年間パスは99ドルとなっています。利用料金には必ず最初の30分の料金が含まれており、利用を終了した自転車は、任意のステーションに返却します。空いているドックに自転車をしっかりと入れ、緑色のライトが点灯してロックされていることを確認したら、駐車料金や駐車違反を気にすることなく街の散策に出かけることができます。

 

2. スクールバスの位置を確認

公共バスの「現在地を確認できる」アプリケーションは数多くありますが、ボストンは公立学校に通う生徒専用のアプリケーションを提供しています。ここ数年ボストンでは非常に雪が多く、幼い子供の居場所がわからなくなることもあり得るため、こうしたアプリケーションは重要です。悪天候の中で安心と安全の両方を確保するには、子供が乗ったバスが到着する時間やバスの遅延を把握することがきわめて重要であるため、ボストンではスクールバスにGPSを搭載し、位置や遅延を確認できるようスクールバスをリアルタイムで追跡する、Where's My School Bus?というモバイルWebアプリケーションを保護者に提供しています。

 

3. 市役所に苦情を伝える

(当初Citizens Connectと呼ばれていた) 2009年に提供を開始したBOS:311アプリケーションは、居住者によるコミュニティの管理をサポートするモバイルアプリケーションです。この賞を獲得したアプリケーションを使用すれば、たとえば道路にできた穴、信号機の故障、器物の損壊、街灯の故障などの緊急を要しない問題をスマートフォンから直接ボストン市に報告できます。こうした報告は同市の作業指示管理システムに送信され、その後市役所の適切な担当者に届けられます。

ボストンのスマートシティ都市研究開発チームは、New Urban Mechanicsに属しています。New Urban Mechanicsの共同創設者であるNigel Jacob氏は、今までのところBOS:311が同市で最も大きな成功を収めたスマートシティテクノロジーであると述べていますが、実際このアプリケーションは、同市が人々にとっての問題を把握する主要な手段となっています。

ボストンではBOS:311をベースに他のテクノロジーを実験しており、たとえば、数年前にはJacob氏のチームがStreet Bumpアプリケーションの実験を行いました。このスマートフォンアプリケーションは、スマートフォンを持っているドライバーが街中を走ったときに道路にできた穴の情報を収集するというもので、Wired誌で説明されているように、ドライバーが運転を始める前にStreet Bumpを起動してダッシュボードやカップホルダーにスマートフォンを置くことで機能する仕組みになっています。そうすると、アプリケーションがスマートフォンの動作検出加速度計を使用して車が道路にできた穴の上を通ったタイミングを検知し、GPSが位置を記録した後、スマートフォンがリモートサーバーにその情報を送信します。

しかし、Street Bumpにはその当時のBOS:311になかった機能を何も搭載していないことがわかり、アルファ版以降の開発は行われませんでした。そしてJacob氏によると、Street Bumpは現在、人工知能 (AI) によってより詳細な道路品質指標を市に提供するという別の目的で使用されています。このようにすべてを諦めるのではなく、テクノロジーを別の目的で使用して実際のニーズに対応しているというのは素晴らしいことです。

 

4. Park Boston

自転車を借りるのではなく車を運転したい人にとって、ボストンは駐車違反に非常に厳しく、苦労の絶えない場所です。しかし、どうしても車を運転したいという人には、幸いにもボストンから、必死に小銭を探して時間超過のパーキングメーターの料金を支払わなければならないような状況から救い出してくれるアプリケーションが提供されています。

Park Bostonアプリケーションをダウンロードしたら、アカウントと支払い方法を設定します。私はこのアプリケーションを設定したとき、アプリケーションでカメラを使用してクレジットカードの写真を撮るだけで、歩道に立って財布を探したり、クリーニングの料金を支払うときにカード番号をすべて入力したりするような煩わしい作業が必要なくなることに感心しました。このようにしてアカウントと支払い方法を設定すると、車を停めることができるようになります。

車を停めるときは、駐車したエリアの標識に表示されているゾーン番号をPark Bostonに入力してからナンバープレートの番号を入れ、駐車時間を選択します。では、思っていたより映画が終わる時間が遅かったらどうなるのでしょうか。その場合でも問題はなく、アプリケーションを使用して駐車時間を延長できるようになっているため、時間切れになる10分前に警告を受け取ったら、「時間の延長」を選択するだけで済みます。

標識に示されているように、駐車規制には引き続き注意しなければなりませんが、メーターについて心配する必要はなく、「時間切れ」と表示されていたとしても、駐車違反監視員は料金が支払い済みであることを確認できます。

またJacob氏によると、実際に違反切符を切られた場合は、アプリケーションを使用して切符の写真を撮り、リモートから支払いを済ませることが可能です。

 

5. Twitterでクリスマスのディスプレイを制御

ボストンでは2016年にインタラクティブなクリスマスツリーと燭台が市役所に設置されましたが、私たちはこのホリデーシーズンにそれらが再び設置されることを期待しています。このツリーと燭台には、スマートフォンで色を変えられるLEDライトが使用されました。

市役所には広々としたロビーがあり、通常毎年12月には、数多くのクリスマスツリーを含む、その広さに見合った大きなクリスマスディスプレイが設置されます。そこでNew Urban Mechanics、Innovation and Technology局、およびProperty Management部門は、中央のツリーをWi-Fi対応の3つのArduinoに接続した720個のLEDライトで飾り付けました。

Arduinoは、#wickedcooltreeというハッシュタグが付いた最新のツイートを識別できるよう、TwitterのストリーミングAPIに接続され、ツイートされたあらゆる色や色のパターンも認識しました。

スマートシティが「オンラインで水道料金を支払う」だけのようなつまらないものであると言ったのは誰でしょうか。ハッシュタグ (#wickedcooltreeと#cityhallmenorah) を使用すれば、すべてピンクといったように、自分の好みに合わせてディスプレイを自由に変えることができます。

 

6. 疲れた身体を休めながら、バッテリーが切れたスマートフォンを充電

公共の場でスマートフォンを充電できるベンチを見たことはありますか。ボストンにはそのような設備もあります  (他にあったとしても、その発祥の地はボストンです)。

無料でスマートフォンを充電できるSoofa社のベンチは、2014年にボストンに初めて設置され、同社によると現在では、約100の都市の公園、バス停、複合商業施設、および人が集まるようなあらゆる場所で、多くの人が座ってくつろぎながらスマートフォンを充電しています。

このような充電ができる公園のベンチは、「Dr. Who」のDalekのような形をしたものを見たことがあればご存知ではないかと思います。この太陽光で発電するSoofa社のベンチは、公共空間のアクティビティを測定できるようにセンサー対応となっており、耐候性と耐久性に優れています。また、他にもDalekと共通する部分はありますが、全面的な服従を求めて「Exterminate!!」と叫ぶ、無慈悲で情け容赦ないサイボーグのエイリアンとは大きくかけ離れています。

 

その他のスマートシティのような例

このまとめ記事では、できることを取り上げましたが、ボストンの例は他にもまだ多くあり、たとえば、ボストンの市全域にわたる計画であるImagine Boston 2030を指針とする、すべての近隣地域にある同市のインフラに対する重要な投資を含むImagine Boston資本計画が進められています。

また、自動運転車のテストを含む画期的なサイバーイニシアチブも進行中で、WBURの報告によると、同市は4月に、ケンブリッジに拠点を置く新興企業のnuTonomy社にシーポートディストリクトとフォートポイントの路上で自動運転車のテストを行う許可を出しました。これにより、1月からRay Flynn Marine Park内で1年にわたって自動運転車のテストを行ってきた、現在進行中の同社のパイロットプログラムが拡大される予定です。

自動運転車メーカーの夢が現実になれば、私たちは誰もが車を持つようになるのではないかと思います。そして車同士がコミュニケーションを取るようになると、衝突が回避されるだけでなく、自動的に同期が行われることで最適なスピードでの走行が可能になり、渋滞が解消されるでしょう。

このようなテクノロジーによって駐車の問題は解決されるのでしょうか。それは誰にもわかりませんが、状況が悪化することはまずないでしょう。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

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