2019年7月19日

従量制のIT環境による ビジネスの活性化

ITに対する俊敏なアプローチが、成長に応じた迅速なスケールアップと、新たなビジネスイニシアチブへの対応を可能にします。

デジタル世界での競争力を高めるとともに、ビジネスモデルを新たな市場ニーズに適応させなければならない。こうした圧力にさらされる中、企業は、業務効率を改善できる賢明な方法を模索しています。
こうした企業は、多くの場合、レガシーIT、クラウドベースのIT、オンプレミスシステムが混在する、大規模で複雑なITインフラストラクチャを維持しています。こうした環境をすべて管理することが、IT部門にとって非常に大きなプレッシャーになる場合もあります。とりわけ、リソースに制約がある場合にそれが当てはまります。
この課題に直面した企業の多くが、IT運用を簡素化しようと、従来型のITモデルから従量制のアプローチへの移行を進めています。このアプローチなら、必要なときにのみITサービスとITリソースの料金を支払うことができます。また、高価で時間のかかる、設備への資本投資を削減でき、そうした投資をなくすことさえ可能です。
最終目標は、コスト、効率性、生産性のバランスを達成することです。こうした企業は、IT運用の改善と支援に長けた、信頼できるITアドバイザーと連携します。そうすることで、市場で高い競争力を獲得するために欠かせない最新のイノベーションとテクノロジーも利用できます。そうしたアプローチは、Amazon Web Servicesのようなパブリッククラウドプロバイダーが提供する柔軟な消費モデルに似ている一方で、オンプレミスのデータセンターのような制御、セキュリティ、信頼性をもたらします。

 

運用効率の向上

今日のITリーダーにとって最も差し迫った問題の1つは、運用効率を改善する必要があることです。新しいITサービスを展開し、市場の新たなトレンドを活用する際には、可能な限り痛みを伴わずに、そうした新たな業務への変革を進めなければなりません。信頼できるアドバイザーなら、専門知識とスキルを活用し、顧客のビジネスに応じて、ITのサービスとリソースを調整します。また、中心的なビジネスニーズに対応できる機能と慣行に着目して、顧客の既存リソースを再割り当てします。これにより、チームのスキルセットの変更や、新しい職務へのスタッフの再割り当てが必要となる場合があります。
ITインフラストラクチャの管理に、信頼できるアドバイザーを活用すれば、ITスタッフの効率性も向上します。なぜなら、データセンター環境の管理や保守、つまり「通常運用を維持」するために費やす時間を減らすことで、ITイノベーションやビジネスサポートにより多くの時間を割くことができるからです。IDCによる最近のホワイトペーパー、「HPEのデータセンターケアサービスによってビジネス価値を創出」によれば、ITスタッフの効率性向上と時間の節約により、3年間の平均で、100ユーザー当たり年間1万1661ドル、また、組織当たりであれば106万ドルのコストを削減できます。
成功を収めているIT組織と、その他の組織との違いは何でしょうか。IDCによると、成功している組織の87%が、公式のガバナンス、プロセス監査、SLAを含む、「サービスとしてのIT」志向を受け入れています。詳細をご覧ください。
従量制のIT環境なら、ビジネスラインでクラウドを独自に導入してしまうといったリスクも軽減できます。以前、業務負荷の高いIT部門がビジネスラインの新しいイニシアチブを承認できない場合、そうしたラインでは頻繁に、IT部門の権限と管理の及ばないクラウドサポートに目が向けられていました。これによって、データ漏洩の脅威や、コスト管理の問題が生じかねない状況でした。今では、コンピューターリソースの迅速な拡張によって、プロジェクトでの市場投入時間が大幅に短縮できます。また、新しいプロジェクトに対応可能な帯域幅も確保できるようになりました。
管理の向上も重要な利点です。パブリッククラウドソリューションでは、IT運用を簡素化できる一方で、自社のITを他人の手に委ねる必要があります。パブリッククラウドソリューションは基本的に「ブラックボックス」であるため、顧客がクラウドインフラストラクチャを直接選択または管理することはできません。オンプレミスで、従量制のIT環境によるアプローチを採れば、パブリッククラウドの使用で生じかねないセキュリティ、プライバシー、レイテンシの問題を大幅に管理しやすくなります。企業データの漏洩が常にトップニュースとなる今日、企業はリスクを抑え、データの安全を確保したいと考えています。
従量制のIT環境では、基本的に、企業とサービスプロバイダー間でパートナーシップを築きます。企業はこれまで、設備を前もって購入し、導入後、長期的に維持していました。今日では、テクノロジーと市場の需要が急速に変化しているため、こうした方法はリスクを伴うと考えられます。従量制のIT環境を利用すれば、そのリスクをITプロバイダーと共有できます。これにより、ITリソースをビジネスニーズに合わせて拡大または縮小可能です。高額な設備投資を継続的に行う必要はありません。

 

オーバープロビジョニングが不要

調達サイクルが長引くことで、オーバープロビジョニングを必要とする企業が少なくありません。急速な成長を目指す企業や、ある時期に需要が急増する企業、または斬新なビジネスアイデアをすぐに実現したい企業では、キャパシティを迅速に拡大し、それを必要に応じてプロアクティブに維持することが重要です。
例えば、Webサイトで販売している主力製品の価格を下げるマーケティングキャンペーンを、新たに開始したとしましょう。あなたはキャンペーンが大きな成功を収め、収益が伸び、不要な在庫が一掃されると期待します。
キャンペーンによって売り上げは確実に伸びましたが、その成功は諸刃の剣でした。値下げした製品は非常に人気が高いため、ITインフラストラクチャに大きな負荷がかかり、Webサイトが何度かダウンしました。マーケティングチームがそのプロモーションを考案した際、ITチームは計画に参加しておらず、Webトラフィックの急増に対処できるキャパシティを用意できなかったのです。プロモーションは失敗に終わりましたが、その原因は関心の欠如ではなく、ITキャパシティの不足にあります。
これは多くの企業が直面するシナリオです。ITキャパシティの必要性にその可用性が見合わないことは珍しくありません。現在、ますます一般的になっている問題とは、企業が、ビジネストランスフォーメーションを加速し、テクノロジー主導の機会をすぐに活用しなければならないという圧力を受けていることです。キャパシティが不足すれば新しいビジネスアイデアを実現できません。しかし、オーバープロビジョニングは、ITに過剰なコストをかけていることを意味します。
HPE GreenLake フレックスキャパシティなどのソリューションを採用することで、必要に応じてキャパシティを拡張できます。これにより、分析用のダッシュボードを利用して、キャパシティの使用状況をリアルタイムに確認できます。HPEは、キャパシティがビジネスに最適化されるように、お客様と定期的に対話します。そうすることで、新製品の発売やマーケティングキャンペーンといった、大きな需要が発生しそうな時期を把握しています。HPEは、必要に応じてキャパシティを拡張できるローカルバッファーを提供します。有効なキャパシティ管理と、オンサイトのバッファーを組み合わせれば、キャパシティ不足を回避できます。お客様が支払うのは、ビジネスで使用した分のみです。設備投資を事前に行う必要はありません。
このアプローチでは、今後IT環境の管理に巨額の投資を行わなくても済むため、IT運用が長期的に容易になります。IT部門は、その分野の深い経験と専門知識を持った信頼できるベンダーに管理業務を任せられます。また、戦略的イニシアチブや、中核となるビジネス目標に集中する時間を、社内でより多く確保できます。そうすることで、再び賢明な部門として機能でき、新しい市場機会を捉えるITソリューションの開発に、多くの時間を費やすことができます。

 

IT予算の簡素化

従量制のIT環境は、設備投資の削減と、ビジネスのイニシアチブに合わせたIT支出を望んでいる企業に最適な選択肢です。この環境では、実際に使用したITリソースのみの料金を支払うため、ニーズに応じてコストを拡大または縮小できます。
概して言えば、公益事業や電気通信会社が長い間提供してきた柔軟な従量制モデルを、多くの企業が求めるようになっています。こうしたアプローチの利点は、財務上の予見性と、コストに関する明確な情報を得られることです。これにより、予算に対して的確な意思決定を行うことができ、キャッシュフローと資本配分の戦略に応じられます。このように、従量制のIT環境では、コストのかかる資本投資モデルを可変的なコスト構造に移行可能です。全体的にパブリッククラウドの体験に似た効果を実現しながら、社内でより厳密に運用を管理できます。
また、従量制の支払いでは、コストを月ごとに柔軟に調整できるため、オーバープロビジョニングを削減できます。451 Researchによると、59%の企業がITリソースをオーバープロビジョニングしています。従量制のアプローチなら、そうした過剰な投資を避けられ、支出と企業のビジネス目標を明確に結び付けることができます。

 

従量制のIT環境: リーダーのためのアドバイス

  • 従量制ITにより、クラウドのような柔軟性とともに、オンプレミスのデータセンターと同等の管理、セキュリティ、信頼性を実現できます。

  • IT消費モデルでは、必要に応じて、ITリソースとITキャパシティの料金を支払うため、設備投資などのコストを削減でき、そうしたコストをなくすことも可能です。

  • ITインフラストラクチャのリソースを迅速に拡大できれば、より多くのビジネスラインの要求に応えられます。
     

この記事/コンテンツは、記載されている個人の著者が執筆したものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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