2020年4月17日

コンポーザビリティとインテリジェンスが自律型データセンターの実現を加速

自律型データセンターでは、ITインフラストラクチャがリアルタイムの判断を下す必要があり、それはビジネスの成否に影響を及ぼす可能性があります。

自動運転車では、センサー、コネクティビティ、ソフトウェアのすべてを組み合わせて利用して、安全な自律運転を実現します。レーダーやカメラによるセンサーからナビゲーション用のデータを取得し、コネクティビティで交通量や気象データを取得し、ソフトウェアでこれらの情報をすべて分析します。この3段階のプロセスのうち最も複雑な部分はソフトウェアです。なぜなら、意思決定のアルゴリズムでは、膨大な運転シナリオからなる複雑な情報をすべて一瞬で処理する必要があるからです。

今日のコンピューティング環境はますます複雑になっており、日々成長しています。IT組織がハイブリッドコンピューティング環境でワークロードを実行している場合、サポートして管理する必要がある運用モデルは、従来のアプリケーションからクラウドネイティブのアプリケーション、仮想化およびコンテナ化されたアプリケーションまでが対象となります。そして、自動運転車のソフトウェアアルゴリズムが瞬間的な判断を下す必要があるように、会社を支えるITインフラストラクチャはリアルタイムの判断を下す必要があり、それはビジネスの成否に大きな影響を与える可能性があります。 

 

データセンターの次なる進化: 自律稼働

最近、VMware社のCEOであるPat Gelsinger氏は、私たちはソフトウェアデファインドデータセンターのさらに先へと進んでおり、「いずれは、自律型データセンターが実現します」と述べていますが、まったくそのとおりです。会社の俊敏性を高めるには、データセンターが自動運転車のように機能しなくてはなりません。そのためには、それぞれに膨大なデータが含まれる多数のソースから情報を収集し、即座に分析して対処できる必要があります。そこに人間の介入はありません。 

企業がこの先進的な自律型データセンターを実現するには、コンポーザビリティとインテリジェンスという2つの機能を独自に組み合わせる必要があります。これらのテクノロジーを組み合わせることで、ハイブリッドクラウドのコンピューティング環境を簡素化して自動化することができ、未来の自律型インフラストラクチャが生まれます。

インテリジェントなインフラストラクチャでコンポーザビリティを基盤として、オンプレミスでのクラウドエクスペリエンスを推進します。

 

コンポーザビリティ: 自律型データセンターの基盤

自律型データセンターを実現するための最初のステップは、ソフトウェアデファインドインフラストラクチャを選択することです。そこでは、コンピュート、ストレージ、ネットワーキングのリソースの可変的プールが、ソフトウェアでプログラムを通じて管理されます。この機能は、今日の半自動運転車でアシスト付きの駐車や自動ブレーキを実現する方法と似ています。

データセンターでも同じようなことが可能になります。コンポーザビリティで提供されるソフトウェアは、ITリソースをまとめて管理し、個々のワークロードやアプリケーションのニーズに基づいて、それらのリソースをすばやく構成および再構成します。コンポーザビリティではInfrastructure as Codeを実現できるので、会社はリソースの使用を効率化して自動化し、必要に応じてアプリケーションをシームレスにスケールできます。専用のコンピューティングサイロは未使用のときにアイドル状態になり無駄が生じますが、コンポーザビリティを利用すると、会社は効率的かつ費用効率の高い方法でアプリケーションを迅速に開発して展開できます。  

さらに、コンポーザビリティでは、自律型データセンターへいたる近道となる統合APIが提供され、相互運用性が簡素化されます。統合APIは、ハードウェアインフラストラクチャとソフトウェアソリューションスタックのプロビジョニングや継続的なメンテナンスなど、一般的なITタスクを自動化します。また、ITチームが新しいアプリケーションを展開すると、統合APIによってハードウェアからソフトウェアデファインドインフラストラクチャが構築され、チームは、データセンターで日常的に使用しているのと同じツールを活用できます。 

 

インテリジェンス: リアルタイムの可視化と自動化に必要な頭脳

自律型データセンターで次に重要となるコンポーネントが、インテリジェンスです。なぜなら、人工知能 (AI) はソフトウェアデファインドインフラストラクチャを次のレベルに引き上げ、インフラストラクチャを容易に管理し、プロアクティブにサポートできるようにするからです。AIを利用すれば、物理および仮想リソースを可視化するだけでなく、データの収集と分析を行い、その結果に基づいて対応することで、問題の発生を事前に検知して対処できるようになります。 

毎秒、膨大な数のセンサーが社内のすべてのシステム (クラウドとオンプレミスの両方) の状態を取得し、これらのIT運用データに基づいて、すべてのアプリケーションに理想的なオペレーティング環境をサポートできることを想像してみましょう。このようなインテリジェンスにより、会社は包括的な信頼性と可用性を得ることができ、リソースを確実に常時稼動できるようになります。すべての更新や変更は自動で即座に行われるので、AIはデータを元に、数分後や数時間後ではなく、瞬時に最適なタイミングで対処できます。 

このようなフルスタックのインテリジェンスでは、問題を事前に解決できるため、障害を予防し、時間やコストの無駄を解消することができます。たとえば、タイヤの空気圧が下がったときに車のセンサーがドライバーに知らせる仕組みがあれば、前もって警告することで、ドライバーはパンクする前にタイヤを修理でき、道端に立ち往生することもなくなります。自律型データセンターのAIは、ハードウェアからワークロードにいたるまで、物理および仮想リソースのすべてにわたって、可視化、分析、自動化の機能を飛躍的に向上させることができます。 

 

自律型データセンターの実現へ

インテリジェンスとコンポーザビリティの素晴らしい組み合わせを通じて、私たちは自律型のハイブリッドクラウドデータセンターを実現しようとしています。この自律型のエクスペリエンスは、インフラストラクチャのモダナイゼーションにとどまりません。コンポーザビリティとインテリジェンスを利用した新しい運用モデルを通じて、企業に俊敏性、柔軟性、拡張性をもたらします。

コンポーザビリティとインテリジェンスの素晴らしい組み合わせによって、今後数年間のうちに、車だけでなくデータセンターでも自律稼働が実現するでしょう。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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