オールフラッシュアレイは今日のストレージニーズに最適

ほんの数年前まで、オールフラッシュアレイは特殊なアプリケーション向けのニッチな製品に過ぎませんでした。今では多くのプライマリアプリケーションで標準のストレージ形式として活用されています。

 

かつては特殊な用途向けのテクノロジーと見られていたフラッシュアレイストレージの市場は急成長を続けており、主流のプライマリストレージデバイスとしてオールフラッシュアレイ (AFA) を導入する組織が増えています。この5年間で、AFAは特殊なアプリケーション向けのニッチな製品から、プライマリアプリケーション向けの主流のストレージ形式へと大きな成長を遂げました。

これは決して小さな変化ではなく、IDC社によるとAFA市場は2017年第1四半期には14億ドル規模 (前年比75%増) に達しています。また同四半期におけるハイブリッドアレイ (フラッシュとハードディスクドライブを組み合わせたアレイ) の市場はこれを上回る20億ドル規模に達しています。

フラッシュの最大の欠点はコストの高さですが、それにもかかわらず多くの組織がオールフラッシュアレイの導入を進めています。この状況をさらに後押しする事実として、フラッシュストレージの価格が急速に下落している一方で、多くのベンダーがセルあたり3ビット以上を記憶できるテクノロジーに移行しつつあることで、フラッシュストレージの密度は上昇を続けています。

現在の価格を見る限り、AFA市場の前途は有望です。

しかしながらコストは決して無視することのできない要素です。IDC社によると、現時点でのギガバイト単価は、Rawフラッシュが43セントであるのに対して、15,000rpmのエンタープライズクラスのディスクは23セントです。7,500rpmのドライブであれば単価はさらに低くなります。ただし各AFAメーカーは、オンザフライの圧縮や重複排除といったデータ削減テクノロジーを活用して、高性能を維持しながらハードディスクよりも高い「実効容量」を実現することで、コストの高さをカバーしています。その結果フラッシュの実効コストは、従来のハードディスクドライブアレイの実効コストに近付いており、一部のベンダーは、総所有コストの観点からは両者のコストが逆転すると主張しています。しかしながらフラッシュとハードディスクのコスト比較は簡単ではなく、その主張に懐疑的な企業も少なくありません。確かなことは、フラッシュのコスト効率が多くの企業に評価された結果として、市場が急成長を続けているという事実です。

オールフラッシュデータセンターへの移行に関する6つの留意事項

オールフラッシュアレイの市場が拡大し、各ベンダーが魅力的な付加価値を追求するなかで、製品の差別化も進んでいます。ベンダー各社が差別化要因としてアピールしているのは、フラッシュにとって当然の強みである容量やスピードではありません。あるアレイは管理の容易さを重視して設計されており、大多数の管理タスクが自動化されています。また別のあるアレイは柔軟性に重点が置かれており、所有者のニーズに合わせて、さまざまな構成と環境で活用できるように設計されています。一般的にAFAは、データベースから仮想デスクトップアーキテクチャーに至るまで、大多数のワークロードに適しており、主要ベンダーの多くが、性能や容量レベルの異なるさまざまなフラッシュ製品ラインを提供しています。

その結果、AFAの広範なエコロジーが形成されており、顧客はニーズに合わせて最適な性能や容量を選択することが可能です。

ハイブリッドアレイは、約10%のフラッシュ容量と90%のハードドライブ容量で構成され、プライマリストレージとしてのAFAにとって目下の最大のライバルです。フラッシュに近い速度をより低コストで提供可能なハイブリッドフラッシュの市場規模は、現時点においてAFA市場を上回っています。しかしながらハイブリッドの速度はあくまでも「フラッシュに近い」レベルに過ぎず、スピードが最優先される場合には、AFAの使用が推奨されます。また市場の成長率はAFAがハイブリッドを上回っています。

 

フラッシュアレイが選ばれる理由

あらゆる種類のフラッシュは、ハードディスクストレージとは性質が大きく異なります。この性質の違いが、フラッシュの多くの長所および若干の短所につながっています。

両者の根本的な違いとして、フラッシュは完全なソリッドステート構造であることが挙げられます。オールフラッシュアレイには可動部がありません。またフラッシュストレージではデータが連続的に記録されず、その代わりにセルの摩耗を最小限に抑えるための洗練されたアルゴリズムによって、アレイ全体にデータが分散されます。これはフラッシュセルは読み書きを繰り返すことで摩耗していくためです。データを同じ位置に書き戻すことに利点はなく、むしろセルの摩耗をそれだけ早めることになります。またフラッシュはランダムアクセスデバイスであるため、こうした手法によって読み書きの速度が低下することもありません。この点は、シーケンシャルな読み書きが可能な場合にパフォーマンスが向上するディスクとは対照的です。

初期のフラッシュセルではこうした摩耗要因によって信頼性に懸念がありましたが、この点についてはオーバープロビジョニング (余剰セルの搭載) やチップ設計の改善など、各メーカーによる取り組みが進められてきました。今では大多数のエンタープライズグレードのAFAは通常の使用で5年以上の寿命があり、チップの摩耗についての懸念は事実上解消されています。

残る問題はコストです。フラッシュチップは構造が複雑なため、製造には多くのコストがかかります。製造コストは半導体分野における通常のパターンに従って、生産量が増加し、製造企業の経験値が上がるにつれて、急速に低下しつつあります。それでもなおフラッシュの原価はハードディスクドライブよりも高価です。さらにフラッシュアレイのコストが急速に低下しているのと同様に、ディスクドライブのコストも低下しているため、コストの問題はAFAの普及を遅らせる最大の要因になっています。なお価格の下落ペースは一時的に減速していますが、これは需要が増大している一方で、製造企業が新バージョンのフラッシュ向けに設備を刷新していることにより、供給が不足していることが原因です。いずれのテクノロジーも3年前に比べて値下がりしており、また両者の価格差は縮小しています。

 

予想外のメリット

ハードドライブアレイからAFAに移行することで、データセンターのユーザーおよび運用担当者は、サイズ、重量、および冷却の側面でもメリットを得られます。

フラッシュアレイはディスクよりも発熱量が少ないため、冷却コストを抑制できます。また軽量でコンパクトなため、フロアスペースやラックスペースも節約できます。一部のユーザーからは、AFAに移行したことでラックスペースを75%以上節減できたという報告も寄せられており、コロケーションデータセンターを使用している場合は、この点がファシリティコストに直接的かつ即座の影響を及ぼします。

重量も注目すべきもう1つのポイントです。フル搭載されたフラッシュドライブのドロワーの重さは約70ポンドであるのに対して、同等の容量のハードディスクの重さは約2,700ポンドです。この点は、ラック周りで作業を行ったり、モジュール/コンテナー型のデータセンターを構築したり、エッジに重点を置いた小規模な「ボックス型データセンター」ソリューションを構築したりする際に大きなメリットになります。

さらにストレージ管理も大幅に簡素化されます。ディスクアレイの場合は最適なパフォーマンスを維持するために継続的な管理が欠かせませんが、AFAは極めて高性能であるためパフォーマンスチューニングが容易です。また多くのAFAには先進的な管理フレームワークが組み込まれているため、セットアップや日常的なストレージ管理の負荷が大きく軽減されます。

 

現在および将来

当初フラッシュは、そのコストの高さから、ニッチな製品として利用されていました。フラッシュはコスト効果が高く、数年前の価格でも、(ミッションクリティカルなデータベースなどの) 重要かつ高負荷のアプリケーション用のストレージとして、価格に見合う価値を提供することができました。その後価格が下落し、データ削減機能が普及するにつれて、フラッシュのメリットが多くのストレージ管理者に認識されるようになり、データセンター内でのフラッシュの役割が拡大して多くのクリティカルアプリケーションの高速化に活用されるようになりました。フラッシュアレイ全体を単一のアプリケーション専用にしている組織もありますが、フラッシュの経済性が変化し、スピードに対するニーズが高まるなかで、アプリケーションサイロから汎用的なストレージプールへとフラッシュの役割は拡大しています。

一般的に、AFAはtier-0およびtier-1ストレージとして使用され、それを補完する形でハイブリッドフラッシュやディスクが使用されています。HPEの委託により実施されたIT Pro Researchの調査によると、調査対象企業の61%がオールフラッシュをすでに何らかの形で導入しており、その使用を拡大しつつありました。

テープが今なお利用されているように、ハードディスクも姿を消す気配はありません。しかしながらこの先ハードディスクは、テープと同様に、アーカイブなどのジョブ用のtier-2またはtier-3ストレージになっていくと思われます。今後数年間でさまざまなサイズ、形状、および性能のAFAが、主流のプライマリストレージになっていくと予想されます。

 

オールフラッシュアレイ: リーダーへの教訓

  • AFAの経済性は急速に向上しています。
  • AFAを導入すると、ストレージのスピードだけにとどまらない多くのメリットがデータセンターにもたらされます。
  • ハードディスクも当面姿を消すことはないものの、今後はAFAが主流のプライマリストレージになっていくと予想されます。

 

HPEでNimble Storage製品/ソリューション担当VPを務めるGavin Cohenが、この記事のためにインタビューを受けました。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

enterprise.nxt

ITプロフェッショナルの皆様へ価値あるインサイトをご提供する Enterprise.nxt へようこそ。

ハイブリッド IT、エッジコンピューティング、データセンター変革、新しいコンピューティングパラダイムに関する分析、リサーチ、実践的アドバイスを業界の第一人者からご提供します。