技術的イニシアチブのコンセンサスを得る6つのヒント

プロジェクトの成功の鍵は、関係者を確実に味方につけること。成り行き任せでは、狙った成果は得られません。組織のリーダーシップのエキスパートと社会活動のリーダーが、プロジェクトを思いどおりに進めるハウツーをアドバイスします。

 

素晴らしいアイデアを思いついたとします。それは、プロセスの改善といった小さなものかもしれませんし、新しいサービスや新しいアプリケーション、さらに大がかりな会社の新しい方針と言った、影響力のあるアイデアかもしれません。

プロジェクトは独りでは達成できず、同僚をうまく説き伏せて着手するのも容易ではありません。リソースや同意や承認なしには、何も前に進まないのです。つまり、重要なのは、会合を重ねることとさまざまな人たちの同意です。どうすれば、今ここにあるアイデアに心から同意してもらえるのでしょう。

技術畑の人たちが最初に考えがちなのは、自分の素晴らしいアイデアの展開に採用するテクノロジーのことです。しかし、テクノロジーが問題の中心になることはまずないことに気が付きます。(あなたは気が利く人で、社内の人たちをブレインストームに巻き込む前に、少なくとも技術的な部分の概要をすでに説明していると想定しています。)

ほとんどの人が難しいと感じるのは、説得というソフトスキルの利用です。説得という業務のエキスパートは、あなたのビジネスには存在しない、または、あなたがビジネスと考える中にそのような人は1人もいないかもしれません。

 

思っている以上にいる 「関係者」たち

プロジェクトの影響を受ける人を把握しましょう。彼らの意見を取り入れ、参加者、援護者、または予算の提供者として味方につけます。

「関係者」は広い意味で定義し、該当する人たち全員の意見を聞くようにすることが重要であると、Commission on Social Action for the Union of Reform Judaismの議長を務めるIsabel Dunst氏はアドバイスします。

「一般に、関係者とは利用者のことを指します」とDunst氏は言います。しかし、同氏は、関係者とは、企業が他の誰かではなくあなたのプロジェクトに予算を投じると決めた場合にリソースを失うそうした「誰か」のことであると指摘します。リソース、つまり予算、時間、オフィスのスペースなどには限りがあり、あなたのアイデアはおそらく他の人たちと競合しています。競合するアイデアの一部を特定して、そちらを支持している人たちと話し合いの場を持てれば、合意点が見つかるかもしれません。

組織のリーダーシップのエキスパートであるEsther Derby氏も競合する利害に注目することが重要であると考えます。同氏は次のように語ります。「テクノロジーを愛する人たちは、勝利をもたらすのは最も優れたアイデアだと考えます。そうした考え方には限界があります。ほとんどの組織で、人々の競合する利害に注目し、彼らが何に関心があるのかを明らかにする必要があります。定義がどうであれ、何が正しいのか、または何が最適なのかが純粋に客観的であることは、ほとんどないのです」

 

合意点を見つける

誰かが不満を唱えてくる前に、これから行うことに関心のある人が他にいないかを公平にチェックします。Dunst氏は次のように語ります。「新しいアイデアがあるなら、すべての時間と労力を投じる前に、会社としてすぐ対応できるかどうかを評価します。会社にとっては徐々に変化することが好ましいですか。または、大胆な新しいアイデアが適していますか。あなたの会社の文化では、イノベーションはどれほど需要ですか。会社はイノベーションに対して報酬を与えますか。会社はそのアイデアを受け入れなくとも、イノベーションの担当者に報酬を与えますか。これらは一種、非常に個人的な評価です」

人は関心のあることを支持します。そのことを踏まえて自分のアイデアを表明しましょう。Derby氏は次のように語ります。「共通の目的を見つけましょう。それは、彼らの観点でのイニシアチブとはどのようなものかを考えることを意味します。その人は何に関心がありますか。イニシアチブは彼らの動機にどのような利点がありますか」

たとえば、開発者のストレスを解消するようなアイデアを持っていても、あなたの会社が開発者に関心がなければ、それを推し進めても成果は出せないとDerby氏は指摘します。しかし、意思決定者は、カスタマー・エクスペリエンスに深い関心があるかもしれません。「イニシアチブがカスタマー・エクスペリエンスを向上させると考え、その価値に合わせて議論を組み立てれば、彼らが興味を示す可能性がはるかに高まり、関与を得られる場合もあります」と同氏は言います。

 

満場一致ではなく、コンセンサスを目指す

「人々に自分の意見を公表する機会を与えましょう。こうした人たちに積極的に耳を傾けることにチャレンジするようにします。しかし、いずれ決断を下す必要があります」とDunst氏は語ります。

Dunst氏はまた、イニシアチブに対して同氏の組織が目指すのは必ずしも満場一致ではなくコンセンサスであると語ります。「満場一致を目指していると、結局何も達成できません」と 同氏は続けます。その代わり、コンセンサスを得ることを目標にします。取り決めでは、同意しない人に対して敬意を表す必要があり、責任を取れる方法で意思決定したことと、彼らの意見にも耳を傾けたことを実感してもらえるようにします。「結果として彼らが良いと思わなかったとしても、そうべきです」と同氏は付け加えます。

 

新たに出現するテクノロジーが将来を変えます。新しい世界が生まれようとしています。

どのようにコンセンサスが成り立つかは、それぞれの状況や場合で当然異なります。人々が自分たちで議論を尽くすこともあれば、上司の意見によって「コンセンサス」に至ることもあります。

Dunst氏は次のように語ります。「すべての時間を費やして自分の立場の正しさを人に納得させることは、状況がどうあれ、うまいやり方ではありません。あなたが絶対に正しく、彼らが絶対に間違っているわけではないからです。どの利益を優先させるかを複数の観点から捉え、違いのあることを認めることが大切なのです」

 

力関係を意識する

決定に向けて意欲的に動き出したら、あなたが関わっている影響力の力学を理解します。影響力は、人により異なります。対等な立場の人同士のレベルで取り組んでいる場合と、上役と交渉している場合とでは、対話のプロセスが異なると、Derby氏は言います。「ある点では、支配関係がさらに絡む場合があります。経営陣ではない人が、経営陣と向き合って互いの目的が及ぼす影響をすり合わせようとする場合、状況全体が異なります。そうした場合は、何かしら手を打たなければなりません」たとえば、高い地位を持つ人に信頼されそうな別の人を招く必要があるかもしれません。

Dunst氏は、社会行動非営利団体の自身のポジションにふさわしく、やや異なる力学の見識を持っています。「会議を運営していてわかるのは、特定の人が影響力を持っていることです。影響力のない人に発言の場を確保する責任を負うのは、そうした弱い人ではなく、影響力の大きい人です。影響力がないからと言って、考えに採り入れるべき重要な意見が彼らにないわけではありません。この点では、影響力のある人と変わりはないのです」

周囲は公平に耳を傾けてくれないと思うのなら、外部に支援を求めて自分の立場を補強しましょう。依頼先の部外者は、あなたの立場を守るために信頼の置ける人であれば良く、外部コンサルタントである必要はありません。

Derby氏は、プロジェクトの関係者が会うことを許可しないシニアバイスプレジデント (VP) のことを思い出し、「それには同意できなかった」と語ります。同氏が知った問題は、そのVPが純粋にサービスの停止時間だけを気にかけていることでした。その問題がまず対処されない限り、プロジェクトは進みませんでした。

Derby氏は続けます。「そこで、VPが信頼しそうな人を見つけ出し、その人たちにインタビューしました」。VPは、自身が信頼を置くエキスパートが提供した状況の情報と分析に基づいて、この会議を開くことを快く了承しました。「それがVPを動かしたのです。一方で組織内の専門技術ネットワークが持つ信頼性を活用することにもなりました」。

こうしたエキスパートはどのようにして見つけるのでしょうか。Derby氏は答えます。「出席者が、誰にアドバイスを求めようとするか、または会議の発言者にどう反応するかを観察します。これは、科学的ではありませんが、何となく理解いただけるでしょう」

キャリアを十分に重ねている人にとって、今の自分があるのは最高のテクノロジーのおかげとは限らないことは別に驚きではありません。ネットワーキング、企業文化の理解、効果的な会議の運営方法を知ること、およびコンセンサスを得ることは、あなたが毎日使うツールの一部と言えるはずです。こうしたツールはとりわけ、新しいアイデアに賭け、対策を講じるのに役に立ちます。

 

技術的イニシアチブのコンセンサスを得ようとする リーダーのためのアドバイス

  • 会社は自分のイニシアチブに関心を持つだろうか、と 自問します。
  • 多くの関係者に参加を呼びかけ、積極的に意見を求めます。

 

意思決定の背景にある影響力の力学を知り、理解します。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもHewlett Packard Enterpriseの見解を反映しているとは限りません。

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