「ものづくりの変革」に向け、HPE Nimble Storage/HPE SynergyでOracle DB専用アプライアンスを刷新



オーエスジー株式会社 様

 

ERPパッケージの継続利用とITインフラ保守削減を実現


大手総合切削工具メーカーとして、タップ、ドリル、エンドミル、転造工具など最先端技術を使った工具を手がけるオーエスジー株式会社。「ものづくりの変革」をめざす同社は、基幹システムの維持、運営にかかるコスト削減が大きなテーマだった。そこで、Oracle DBが稼働するDBシステムと、基幹業務システムの保守切れに伴い、同社は日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の「HPE Nimble Storage」と「HPE Synergy」を採用。このリプレースにより、IT運用コストの削減やベンダーロックインの解消といった多くのメリットを実現している。

業界

製造・販売

 

目的

データベースアプライアンスの保守切れに伴い、DBシステムのオープン化と基幹業務システムERPパッケージのインフラを刷新し、システムの安定稼動とベンダーロックインを解消すること。

 

アプローチ

「HPE Synergy」でサーバー基盤を刷新し、「HPE Nimble Storage」によりERP パッケージOracle EBS/データベースアプライアンスOracle Exadataで稼働するインフラを刷新。人工知能(AI)管理ツールである「HPE InfoSight」を活用することで、高い柔軟性と拡張性を確保する。

 

ITの効果

• データベースアプライアンスの初期導入時よりも、数億円規模の低コストで刷新を可能にした

• 基幹業務システムの夜間バッチ処理時間を最大で48%に短縮できた

• HPE InfoSightを軸に「HPE Synergy」「HPE Nimble Storage」で安定稼働への寄与

• 「HPEデータセンターケア」によるワンストップでの保守体制が構築できた

 

ビジネスの効果

• 現状の業務レベルを維持しつつ、IT運用・保守コストを低減できた

• Oracle DBを安定稼働可能なオープンな環境を構築し、ベンダーロックインが解消された

• 次の基幹業務システムの刷新を見据えた拡張性、柔軟性の高いITインフラを整備できた

「新たな領域」への投資を実現すべく、DBシステムなどのITインフラを刷新


切削工具や工作機械・機械部品などの製造販売を手がけるオーエスジー株式会社。同社は、「地球会社」の企業理念のもと、世界33ヵ国に製造・販売・技術サポート体制を築き、主力製品の一つであるタップはグローバルトップシェアを誇る。また、地球環境保全に向け、環境に優しい製品・新技術の開発も推進している。

同社は、工場における「ものづくりの革新」を実現する全社的な取り組みを行っており、限られたIT予算の中で、ITシステムの維持、運営にかかるコスト削減は大きなテーマだ。IT戦略部 部長 原田 剛氏は、「業界自体のデジタル化がまだまだ進んでいない状況で、工場にはアナログな業務が数多く残っている」と話す。デジタル化による変革を実現していくためには、基幹システムをはじめとする既存システムの運用をスリム化し、新たな領域への投資を積極的に行う体制を整備することが重要だ。

同社は、2015年よりDBシステムにデータベースアプライアンスを、また、基幹業務システムはERPパッケージを採用していた。2017年には、アプリケーション保守をサードパーティの保守サービスに切り替え、運用費の削減を実現していたものの、ハードウェアとサーバー群の保守切れの時期を迎えたことにより、DBシステムをオープン化し、ERPパッケージについてはインフラを刷新、そして、ストレージを刷新することが検討された。原田氏は、ハードウェアの刷新については、Oracle のDB専用機を刷新し、ベンダーロックインを解消し、さらなるIT運用コストの削減を実現したいと考えた」と話してくれた。

オーエスジー株式会社

IT戦略部
部長
原田 剛 氏

「HPE Nimble Storage」「HPE Synergy」によってOracle DB専用機をオープン化


ITインフラの選定は2018年3月頃から本格化した。DBシステムのオープン化については、「現在のインフラ構成と同じ業務が継続できる」点が重要視された。その点、「フラッシュストレージであればパフォーマンスを確保しつつ、コストを下げられるのではないか」と考えたそうだ。

そこで、HPEを含む複数社に提案を求めた。HPEでは、「ERP/DB専用アプライアンスの保守・サポート費用の削減」「安定性・信頼性の向上や運用管理の効率化」「現行システムと同等以上のパフォーマンスの確保」「今後の新たな業務ニーズに即応できる先進的なインフラ」といった要件に対し、次の4点を提案のポイントとした。

(1)柔軟な機器の拡張及び変更

DB基盤については、オールフラッシュストレージ「HPE Nimble Storage」により、検証結果に基づく可用性と最新の技術、既存のライセンス活用による構成とした。また、EBSシステム基盤は、ITリソースの迅速な展開や運用の制御を行えるソフトウェア デファインド ソリューション「HPE Synergy」による運用負荷の低減。

(2)最新の技術をベースとした安定稼動の実現

「HPE Nimble Storage」によるパフォーマンス向上に加え、「HPEデータセンターケア」によるハードウェアや仮想環境、Windows、Red Hatなどワンストップな保守対応と、AIを活用した予測分析プラットフォーム「HPE InfoSight」の活用などによるプロアクティブなサポート。

(3)運用効率化、コスト削減

メンテナンス性の向上や、「HPE InfoSight」などのテクノロジーによるサービス停止時間の削減。

(4)確実なプロジェクト推進体制

コンサルティング、ファイナンシャル、教育、運用サービスを提供する「HPE Pointnext」の豊富な実績に基づくプロジェクト管理支援及び構築作業。

こうしたトータルな提案内容が評価され、HPEのソリューション採用に至るのだが、特に決め手となったポイントは、「実際の技術課題に直面したときの課題解決力だった」と原田氏は述べる。

「今回の選定・導入に際しては、サーバー、ストレージの実機を持ち込み、本番環境のDBをコピーして、夜間バッチの処理を行う実機検証を実施しました。HPEを含む2社が、それぞれ6~7週間の期間で検証を実施しました」(原田氏)。

原価の締日など、業務が集中する日は「通常に比べ、1.5~2時間程度、処理時間が伸びる」という。こうした実際の状況を想定し「夜間バッチが限られた時間内で終了するか」を検証したのだ。

HPEは、このPoCを通じて、2018年8月の運用時では3時間16分12秒だった処理時間を、1時間26分3秒と48%の処理時間低減を実現するとともに、プロジェクト全体の遂行についても「さすがはHPEと感じさせる技術力、プロジェクト管理能力を示した」ということだ。

夜間バッチ処理時間は最大で48%低減、ベンダーロックインも解消


たとえば、PoCの際には二重化されたアプリケーションサーバーの片側がうまく動かないなどの問題が発生したものの、「HPE がそのつど迅速に解決策を提示してくれ、問題の対処にあたってくれた」という。

こうした選定時のPoCが「正式稼働前を想定した、実機を用いた本番移行のリハーサルの役割を果たした」形となり、「PoCのときに、本番移行に向けた技術的な問題はほぼクリアしたとの確信があったため、移行作業はスムーズに進んだ」と原田氏は述べる。2020年1月に移行は完了、本番稼働がスタートした。

同社のDBシステム、ERPパッケージのインフラを「HPE Nimble Storage」「HPE Synergy」が支えている。導入効果としては「運用の効率化」「業務処理のパフォーマンス維持」といったポイントが挙げられる。「HPE Synergy」「HPE Infosight」などによる安定稼働や、「HPEデータセンターケア」によるワンストップでの保守体制により、同一メーカー製品ならではの障害の早期対応が可能となったためだ。

そして、将来のビジネスの発展を見据え、データ増大を考慮した拡張も容易になり、「将来的な移行を見据えたインフラが整備できた」というポイントも見逃せない。

また、コスト削減効果について、原田氏は「前回、ハードウェアをOracle Exadataに刷新したときよりも、数億円規模で少ないコストで刷新が可能になった」と話す。ベンダーロックインの状態からオープンな構成に変更でき、初期導入コストとしても、大きなコスト削減効果を示した形だ。

「我々が求めるのは、今の業務レベルを維持しつつ、より低コストの仕組みを実現すること」だと原田氏は述べ、「その点で、今回のHPEによるインフラ刷新プロジェクトを高く評価している」ということだ。「Oracle DBを利用する企業は多い。たとえば、アプリケーションをサードパーティ保守サービスに移行する企業は増えているものの、DBシステムについては、Oracle専用機しか選択肢がないという企業は多いはずだ」と原田氏は指摘する。

その上で、「Oracle DBを安定稼働させられるオープンな構成が可能になり、HPE Nimble Storageと出会えたことでベンダーロックインが解消されたというのは、私のような立場の人間にとって非常に魅力的だった」と総括してくれた。

オンプレミスとクラウド垣根を超えたトータルなソリューションに期待


今後の展望について、原田氏は「今回のハードウェア刷新によって、次の5年を見据えたITインフラが整備できた」と述べる。次期基幹業務システムは、パブリッククラウドを活用しながら、「販売管理、生産管理など、機能ごとに順次、新しい仕組みに置き換わっていくだろう」と原田氏は話す。

「次の基幹業務システムの刷新には、構想、検討段階を含めれば約5年の期間を要すると想定されます。その間、現行のOracle EBSを安定稼働させつつ、次のインフラ刷新、移行を見据えた拡張性、柔軟性の高いITインフラを整備できたことは、ビジネス面から大きな意味があると考えます」(原田氏)。

すでに基幹業務システムの一部が、「パブリッククラウドを活用して開発する」検討段階に入ったそうだ。こうした状況で、HPEに期待することとして、原田氏は「クラウド活用は進んでいるが、その移行はケースバイケースになるだろう」と述べる。たとえば、オンプレミスの仮想環境をパブリッククラウド上に移行、構築するケースもあれば、「運用の柔軟性やセキュリティなどの非機能要件から、引き続きオンプレミスを活用したい」ケースもある。

その際に「どの環境にも仮想基盤を柔軟に移行できるような仕組みを構築したい」と原田氏は述べた。

そして、HPEにはオンプレミスをクラウドのように扱えるような、「両者のメリットを『いいところどり』できるソリューションに期待している」と締めくくってくれた。今後も、同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援するパートナーとして、HPEの役割は大きくなっていくに違いない。

ご導入企業様

オーエスジー株式会社 様

 

所在地:愛知県豊川市本野ケ原3-22

URL:http://www.osg.co.jp/