お客様導入事例

公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 様

地域社会に貢献する、先進医療用画像システムの提供

公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 様

所在地:岡山県倉敷市美和1-1-1
URL:https://www.kchnet.or.jp/

地域共同利用型PACSをHPE Alletra&Cohesityで構築、HPE GreenLakeで画像データ容量増加への柔軟な対応を実現

倉敷市の中核病院である倉敷中央病院では、地域医療機関との連携を積極的に推進。その一環として、医療用画像の効率的な共有・利活用を実現する「地域共同利用型PACS」を運用している。今回同病院では、本システム用のストレージ基盤を日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の「HPE Alletra 5050」「HPE MSA 2060」、並びに「Cohesity Archive Service」で刷新。性能・信頼性や運用管理性をさらに強化すると同時に、「HPE GreenLake」によるインフラ調達改革にも成功している。

業種

医療・ヘルスケア

 

ビジョン

「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」を地域住民に提供する

 

戦略

地域共同利用型PACS用ストレージをHPE&Cohesity製品で構築

 

成果

• 画像データの容量増加に応じたリソース調達とキャッシュフロー改善を実現

• ハイブリッドストレージの採用で性能要求とコスト要求を両立

• スケールアウトNASへの移行で院内ストレージのシンプル化と運用効率化を実現


100年にわたり培った知見と先進テクノロジーの活用で、地域医療への貢献を目指す

 

伝統的な白壁の蔵屋敷が立ち並び、国内外からも多くの旅行客が訪れる岡山県・倉敷市。その市街地の一角に、最先端の医療設備を備えた医療機関がある。倉敷市をはじめとする岡山県西部エリアの急性期医療を担う倉敷中央病院である。倉敷紡績株式会社社長・大原孫三郎氏によって同病院が設立されたのは、大正12年(1923年)のこと。以来、100年の長きにわたり、地域住民の健康な暮らしを支え続けてきた。現在も「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」の病院理念の下、救急医療体制のさらなる拡充や医療人材の育成など、地域医療への貢献を目指す取り組みを全方位で展開している。

加えて注目されるのが、医療へのIT活用に早くから取り組んできた点だ。倉敷中央病院 情報システム部 部長 藤川敏行氏は「当病院では、1970年代から病院の運営を支える各種業務のシステム化に着手。当初は汎用機を用いて内製化を行っていましたが、1990年代からはパッケージも活用し、医事会計システムやオーダリングシステムなど様々なシステムを構築してきました。現在では一般的になった電子カルテシステムについても、既に2002年に導入を済ませています」と説明する。

50年以上も前から情報化を進めてきたというだけでも驚異的だが、同病院の取り組みにはもう一つ他の医療機関とは異なる点がある。アプリケーションとインフラを構成するハードウェアを別々に調達する分離調達方式を採用しているのだ。藤川氏はその狙いを「従来型の医療情報システムでは、アプリケーションベンダーがサーバーなどのハードウェアも一体で納入するケースが一般的でした。しかしこの方法では、サイロ化したシステムが院内に乱立してしまう上に、部門システムベンダーが上位ベンダーの顔色を窺うようなことも起きかねません。これでは病院としてのガバナンスが保てませんので、基本的にインフラ部分についてはこちらで用意し、その上にアプリケーションを載せてもらうようにしているのです」と続ける。

地域医療機関での画像共有を可能にする、地域共同利用型PACSを運営

 

その同病院において、今回実施されたのが、「PACS(パックス)」と呼ばれる医療用画像管理システムのストレージ刷新プロジェクトである。医師が診療を行う際には、レントゲンやCT、MRIなどの画像診断装置をしばしば利用する。これらで撮影された画像を、統合的に保存・管理・閲覧できるようにするのがPACSの役割だ。

実はこのPACSについても、同病院ではユニークな取り組みを行っている。同病院とその関連施設で利用するだけでなく、「地域共同利用型PACS」として他の医療機関との共同利用も行っているのだ。藤川氏は「異なる医療機関同士で画像を共有する場合、これまでは大変な手間が掛かっていました。まずは元施設側でDVDなどの可搬型メディアに画像を書き込んでもらい、それを持参してもらって、紹介先の病院で再度読み込むといった具合です。こうしたアナログなやりとりをなくし、もっと効率的に画像共有を行えるようにすることが、地域共同利用型PACSの目的です」と説明する。

この仕組みを実現するために、同病院では3つのストレージを用意している。まず一つ目は、病院内に設置された「STS(Short Time Storage)」用ストレージだ。ここには直近に撮影された画像が保管され、患者の診療などに利用される。さらに、STSに保管されたデータは、そのまま岡山県内のデータセンターに配置された「LTA(Long Time Archive)」用ストレージにもコピーされる。ここには、あまり閲覧されなくなった過去画像に加えて、他の連携先病院のPACS画像も保管できるようになっている。これにより、DVDなどのメディアを使わなくとも、オンラインでの画像共有が行える環境を実現しているのだ。さらに、万一の大規模自然災害などを考慮して、宮崎県内のデータセンターに遠隔バックアップ用ストレージも置いている。

「地域共同利用型PACSは、患者様だけでなく、連携先医療機関にも大きなメリットがあります。PACSには大量の大容量画像データが蓄積されていきますが、これに耐えられるだけのストレージを自前で抱えるのは非常に費用負担が重い。その点、LTAストレージを使えば、画像データを安価に長期保管できます。また、常勤の放射線医が居ない医療機関などに向けて、遠隔画像診断サービスも提供しています」と藤川氏は続ける。

HPE GreenLakeを採用し、サイジングにまつわる悩みを解消

 

今回の取り組みの直接的なきっかけは、既存機器の保守切れに伴うリプレースである。しかし、これを機に、解決したい課題もあったとのこと。それはLTAストレージに対する投資をいかに最適化するかという点だ。倉敷中央病院 情報システム部 主任部員 課長 前田貴之氏は「サーバーなどについても同じことが言えますが、我々がいつも頭を悩ませているのがサイジングの問題です。医療用画像データの容量は年々増加していますので、それに対応できるだけのリソースを用意しておきたい。とはいえ、当面は使われない分の設備まで一気に導入したのでは、初期投資が過大になってしまいます。最初は必要な容量だけを確保し、後々の需要増大に応じてスケーラブルに拡張できるような仕組みが実現できればと感じていました」と語る。

このような課題を解決するカギとなったのが、ITインフラを従量制で利用できるas a serviceソリューション「HPE GreenLake」(以下、GreenLake)だ。このサービスでは、ストレージやサーバーなどのITリソースをユーザー施設内に設置し、その中から利用した分だけを月額料金で支払うことができる。導入設備はある程度の余裕を持たせた構成となっているため、後々の需要増大にも柔軟に対応することが可能だ。

「オンプレミス環境においても、パブリッククラウドと同じような調達が実現できるのは非常に魅力的でしたね。これまで病院内で利用される機器については、設備投資の観点でしか捉えてきませんでした。しかし、サブスク型サービスの隆盛が示す通り、近年では『所有から利用へ』のシフトが進んでいます。多額の初期費用を確保しなくて済む上に、月々の費用として経費処理できるのは、キャッシュフローや財務面での利点も大きい。非常に優れた仕組みだと考え、GreenLakeでの調達を決めました」と藤川氏は語る。

長期保管用ストレージに「HPE Alletra」を採用し、性能・運用管理性を改善

 

次期LTAストレージを支えるプロダクトとしては、HPEの高性能ハイブリッドストレージ「HPE Alletra 5000」(以下、Alletra)を採用。多様なワークロードに対応し、99.9999%の高可用性を誇るAlletraは、高い安定性が要求される医療情報システムにも最適のストレージだ。ちなみに同病院にとってLTAストレージは、病院内のSTSストレージのアーカイブ用という位置付けだ。しかしPACSシステムにトラブルが起きた際や連携先医療機関とのデータ共有では、LTAストレージへのアクセスを行うことになる。このためパフォーマンスについても、高いレベルが要求されるのだという。「その点、Alletraの性能は非常に優れており、VNA(Vender Neutral Architecture)対応ビューワでも全くストレスなく画像を閲覧できます。また、ハイブリッド構成によって性能要件とコスト要件を両立できる点も高く評価しています」と藤川氏は語る。

さらにAlletraは、「Data Services Cloud Console」(以下、DSCC)によるフルクラウド運用にも対応。院内に設置されたAlletraや「HPE Nimble Storage」を、クラウドから一元管理することができる。「画面も見やすく知りたい情報を直感的に把握できますので、運用管理に掛かる負荷も軽減できました」と前田氏。なお、DSCCの利用にはインターネット環境が必須だが、同病院では1997年からインターネット接続を行っているため、この点についてもまったく問題はなかったとのこと。「インターネット接続に懸念を抱く医療機関もありますが、認証・認可の仕組みさえきちんと整えておけば、インシデントを招くような心配はありません」と藤川氏は語る。

また、宮崎県のデータセンターに設置された遠隔バックアップ用ストレージについても、プライマリ/バックアップ用のどちらにも適した「HPE MSA 2060」(以下、MSA)に更新。「いくらデータを守る最後の砦とはいえ、普段は使わないストレージにあまり高額な製品は使いにくい。その点、MSAを利用することで、メリハリを付けたストレージ投資が行えました」(藤川氏)。

HPE+Cohesityで院内ストレージのシンプル化を実現

 

今回のストレージ更新プロジェクトでは、日常の診療業務に利用されているSTSストレージについても、新たな試みが行われている。「従来のSTSストレージ環境では、HPEと他社の2種類のストレージが混在しており、運用管理や保守が煩雑になっていました。『HPE ProLiantサーバー』とCohesityのデータ管理ソリューション『Cohesity Archive Service』を組み合わせたスケールアウトNAS環境(以下、HPE+Cohesity)への統合をご提案しました」と語るのは、同病院のITパートナーであるエス・ワイ・シーの安藤剛敏氏。同じくアイアットOECの郡大輔氏も「これにより、STSストレージのシンプル化が図れますし、今後のデータ容量増加にもスムーズに対応できるようになります」と続ける。

同病院でもこの提案を高く評価。倉敷中央病院 情報システム部 情報システム課 係長 戸田悟氏は「PACSを運用していく上での課題の一つに、システム更新に伴うデータ移行が挙げられます。当病院では長期にわたって画像を保存しており、1990年代のデータも存在しているほどです。容量も非常に大きいため、システム更新の際には、数ヶ月掛けてデータ移行作業を行う必要がありました。その点、HPE+CohesityによるスケールアウトNAS環境であれば、新しいノードを追加して古いノードを撤去するだけで、容易にデータ移行が行えるようになります」と語る。

統合に向けたファーストステップとして、同病院ではまず他社製ストレージを3ノードのHPE+Cohesityに刷新。続いてHPE製ストレージも、4ノードのHPE+Cohesityにリプレースしている。さらに、この合計7ノードのクラスタを、SaaS型運用管理プラットフォーム「Cohesity Helios」で統合管理している。

これによりSTSストレージの最適化を実現した同病院だが、HPE+Cohesityにはもう一つ大きな期待が掛けられている。それは医療機関にとって深刻な脅威となっているランサムウェアへの対応だ。Cohesityのバックアップソリューション「Cohesity DataProtect」には、スナップショットをイミュータブル(改変不可)な状態で保存する機能やデータのロック機能、暗号化機能など、サイバーセキュリティ対策に役立つ機能が数多く備わっている。「電子カルテシステムの更新も迫っていますので、重要な医療データを保護する仕組みとしても、HPE+Cohesityの活用を検討していきたい」と藤川氏は語る。

地域医療エコシステムの実現に向けた取り組みを推進

 

こうして地域共同利用型PACSの環境改善に無事成功した同病院だが、今後も地域医療へのさらなる貢献を進めていく考えだ。「地域共同利用型PACSの運用は軌道に乗っており、連携先医療機関の数も増えつつあります。しかし、PACSの共同利用だけではまだまだ不十分。当病院では『地域医療エコシステムの確立』を標榜していますので、最終的には電子カルテや医事会計システムの共同利用も推進し、『1地域・1患者・1カルテ』の実現を目指していきたい」と抱負を語る藤川氏。その取り組みを、HPEもしっかりと支援していく。

公益財団法人
大原記念倉敷中央医療機構
倉敷中央病院

情報システム部
部長
藤川 敏行 氏

公益財団法人
大原記念倉敷中央医療機構
倉敷中央病院

情報システム部
主任部員
課長
前田 貴之 氏

公益財団法人
大原記念倉敷中央医療機構
倉敷中央病院

情報システム部
情報システム課
係長
戸田 悟 氏

株式会社アイアットOEC

文教・医療グループ
部長
郡 大輔 氏

株式会社エス・ワイ・シー

コンピュータ事業統括本部
関西営業部
担当課長
安藤 剛敏 氏


ご導入製品情報

HPE Alletra

あらゆるアプリケーションのクラウドエクスペリエンスを通じて、エッジからコアまでのデータ活用を促進します。安心・安全なアクセス、かつシンプルなグローバル管理により、場所の制約を排除し、どこからでも管理できます。


HPE MSAストレージ

卓越したシンプルさ、スピード、手頃さ、さらにはエンタープライズクラスの信頼性と簡単なクラウドバックアップを特長とする、あらゆる場所でビジネスを展開する中小企業に最適なエントリーストレージです。


ソリューションパートナー

株式会社アイアットOEC 様


所在地:岡山市北区表町三丁目11番50号 ハレミライ千日前6階7階

URL:https://www.iii-oec.co.jp/

株式会社エス・ワイ・シー 様


所在地:広島県広島市中区西十日市町9番9号 三井住友海上広島ビル2階

URL:https://www.syc.co.jp/


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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