グローバル30,000ユーザーのコラボレーション変革に挑む



TDK株式会社 様

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TDKがMicrosoft 365を採用し、グローバル共通コラボレーション基盤を整備、全社レベルで意思決定とアクションをスピード化

 

TDKが、Microsoft 365によるグローバル共通コラボレーション基盤を構築し、2022年4月にロールアウトを完了した。日本・アジア、米国、欧州に展開する103の事業会社、およそ30,000ユーザーを「1テナント」に統合。事業部門やグループ企業間のコラボレーションを推進し、意思決定とアクションのスピードを加速させている。本プロジェクトを支援したHPE Pointnextのデリバリーチームは、国内10,000ユーザーへの導入から着手し、グローバル各拠点への展開を1年8か月という短期間で完遂させた。注目すべきデジタルワークプレイスのグローバル統合事例である。

業界

製造

 

ビジョン

TDKグループ全体でのビジネスのスピードアップ、世界統一基準によるセキュリティ管理、従業員が「One TDK」を認識できる環境の整備

 

戦略

グローバル共通コラボレーション基盤としてMicrosoft 365を1テナントで導入し、メールドメイン、ユーザーID、アドレス帳等を統合する

 

成果

・HPE PointnextがMicrosoft 365の国内導入およびグローバル103社、20ドメイン、計30,000ユーザーへの展開を支援し短期間での利用開始を実現

・グローバル共通のオフィスアプリケーション(Outlook、Teams、OneDrive等)を活用したシームレスなコミュニケーションと業務遂行が可能に

・グローバルでユーザーIDを統合し世界共通のセキュリティポリシーを適用

グローバル共通コラボレーション基盤の整備に着手


TDKは、フェライトに代表される電子材料をはじめ、コンデンサやセンサー、磁気ヘッドなどの電子部品、二次電池などで世界的に大きなシェアを持つ。世界30以上の国と地域に250以上の拠点を展開し、海外売上比率が90%を超えるグローバル企業である。その従業員数は117,000人を超え、総売上高は2兆円に迫る。SCM&経営システム本部 ビジネスシステムグループG.M.の澤田厚氏は次のように話す。

「中期経営計画 Value Creation 2023では、社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献することを、TDKの事業すべての目的として掲げています。スピード重視の経営システムを確立することは、目的の達成に向けた重要なテーマのひとつです。SCM&経営システム本部では、グローバルでのビジネスのスピードアップに向けて、事業部門やグループ会社間など、組織横断的なコラボレーションを推進するための環境整備に力を注いでいます」

2019年、TDKはMicrosoft 365により「グローバル共通コラボレーション基盤」を構築する一大プロジェクトをスタートさせた。この「FCP(Future Collaboration Platform)プロジェクト」は、同年10月より「コンセプチュアルフェーズ」を開始。11月には独ミュンヘンでグローバルのITリーダーによるワークショップを実施し、およそ9か月をかけてポリシーやルールを検討し要件を具体化していった。

「私たちは、Microsoft 365を『1テナント』で導入することにこだわって、グローバル103社/計30,000ユーザーへ展開することを決めました。事業会社ごとにバラバラだったメールドメイン、ユーザーID、アドレス帳の統合を進め、グローバル共通のセキュリティ基準と施策を適用します。目指したのは、世界中の従業員が『One TDK』を実感できる環境です」(澤田氏)

52領域・180項目に及ぶ要件を定義し、ドキュメントをまとめ上げた「コンセプチュアルフェーズ」の成果を受け、FCPプロジェクトは2020年7月より「パイロットフェーズ」に入った。いよいよMicrosoft 365本番環境の設計・導入である。プロジェクトマネージャーを務めた同部部長の梶本尚志氏は次のように振り返る。

「私たちがMicrosoft 365導入のパートナーに指名したのは、HPE Pointnextです。TDKとして前例のないこの大規模プロジェクトを任せられるのは、デジタルワークプレイス領域において幅広い経験と知識を持ち、グローバルプロジェクトを技術面でリードできるHPE Pointnextしかないと考えました」

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TDK株式会社

SCM&経営システム本部 ビジネスシステムグループ G.M. 澤田 厚 氏

前例のない大規模プロジェクトにHPE Pointnextを指名

 

HPE Pointnextは、企業や組織のデジタルトランスフォーメーションをトータルに支援するサービス組織である。世界200カ国、1万5,000人を超えるITプロフェッショナルが、豊富な実績とナレッジに基づくアドバイザリー、構築サービス、運用保守サービスをトータルに提供している。国境を越えたグローバルITプロジェクトの経験も豊富だ。

「Microsoft 365の全社導入の効果を最大化するために、スピード感を持ってプロジェクトを進めることを重視しました。まず、『パイロットフェーズ』において日本国内の10,000ユーザーを対象に先行導入を行い、ここで得たノウハウや方法論をフルに活用して、『ロールアウトフェーズ』でグローバル各拠点への同時展開を一挙に進める手順を考案しました」と梶本氏は話す。

梶本氏らは、2020年7月からの8か月で日本国内での稼働を実現し、2021年4月からの12か月でグローバルでのロールアウトを完了させるタイトなスケジュールを示した。HPE Pointnextの中岡真也氏は次のように話す。

「本プロジェクトでは、Microsoft 365の導入に加え、グローバル各社で独自に管理してきたユーザーIDの正規化とAzure ADへの集約、PC・スマートフォンなどのデバイス管理、ネットワークセキュリティ、運用支援とヘルプデスクの提供まで広範な対応が求められ、それぞれ幅広く深い知識が不可欠でした。私たちは、HPEのグローバルメンバーを含め、それぞれの分野のエキスパートを集結させて、グローバルのプロジェクト推進をご支援させていただきました」

各国の事業会社ごとに整備してきたID管理システムは、それぞれの事業会社のアプリケーションと結びついているため容易に変更・移行できるものではなかった。ここに、パイロットフェーズにおける技術面での大きなチャレンジがあったという。FCPプロジェクトでID管理・認証システム領域を担当している松井裕氏は次のように話す。

「事業会社の利便性を損なうことなく、安全にAzure ADへIDを連携・集約させる仕組みを具現化するために、HPE Pointnextには本番実装を前提にした検証を繰り返し実施してもらいました。ここで技術的な難関を突破できたことが、プロジェクトの成功に結びつく大きな一歩となったことは間違いありません」

FCPプロジェクトチームは、計画通りに国内10,000ユーザーへのMicrosoft 365導入を完了させた。同チームは、設計・構築段階における技術課題をひと通り解決するとともに、ここで得られた知見を集約して「標準テンプレート」を整備しグローバル各拠点での並行展開に活用した。

コロナ禍でオンラインコミュニケーションが威力を発揮


FCPプロジェクトがパイロットフェーズに入った2020年、世界中がコロナ禍に見舞われ対面でのコミュニケーションが困難になった。日本のメンバーも在宅勤務へとシフトした。だが、プロジェクトは導入・展開のスピードを緩めなかった。

「ここで威力を発揮したのがTeamsやOneDriveです。FCPプロジェクトのメンバーは早い段階にMicrosoft 365の活用を開始しており、コロナ禍による環境変化が追い風となって『オンラインでのプロジェクト進行』が加速した形です。このパワフルなソリューションの効果を、メンバー全員が実感する機会にもなりました」と松井氏は振り返る。

2021年4月から始まったロールアウトフェーズでは、グローバル事業会社への展開が同時並行的に進められた。日本チームの仕事量の大きさは想像に難くない。

「ミュンヘンでのワークショップで議論を尽くしたITリーダーとの共同作業は、オンラインでも想像以上にスムーズに運びました。私たちはHPE Pointnextのメンバーと協力し、国ごと事業会社ごとに異なる様々な課題と向き合いながら、一つひとつ粘り強く解決していきました」(松井氏)

ロールアウトフェーズでAzure ADへの統合を担当したHPE Pointnextの幡野卓義氏は次のように話す。

「事業会社ごとに異なるID管理システムを、Azure ADに連携させるための設計・実装は、失敗の許されない難易度の高いものでした。私たちは、限られた時間の中で安全・確実にID統合を実現するために、TDK様との情報共有を密にして、技術と対話の両面からしっかりと対応していきました」

重要な課題は週次のレギュラーミーティングでグローバルのメンバーに共有され、他の拠点は先手を打って課題に対処していった。澤田氏は次のように続ける。

「TDKグローバルITチームには、『競争しながら助け合う』『腹を割ってしっかりと話し合う』という文化が根づいています。FCPプロジェクトでは様々な困難に直面しましたが、国境や文化の違いを超えて、密なコミュニケーションと実のあるコラボレーションを実践できました。Microsoft 365を活用しながらオンラインで遂行したことに、大きな意義があると考えています」

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TDK株式会社

SCM&経営システム本部 ビジネスシステムグループ 業務ソリューション部 部長 梶本 尚志 氏

FCPプロジェクトのキーワードは「スピード」


2022年4月、TDKはMicrosoft 365による「グローバル共通コラボレーション基盤」の全社運用を開始した。日本・アジア、米国、欧州においてMicrosoft 365を「1テナント」に統合する一大プロジェクトは計画通りに完了した。

「リモートワークが定着し、働き方もいっそう多様化していく中で、新しい基盤システムはコミュニケーション&コラボレーションのスピードと質を高めるために重要な役割を果たしています。新しいビジネスの競争力を手に入れたことに他なりません」(梶本氏)

Microsoft 365を中長期の視点で安定的に活用するための「グローバルでの運用体制」の整備も完了し、ここにはHPE GreenLake Management Service(GMS)が採用されている。HPE Pointnextの常盤正広氏は次のように話す。

「HPEでは、当初24時間365日体制、日本語・英語・中国語の3か国語対応のグローバルヘルプデスクを運営していました。クラウドアプリケーションならではのトラブルや、お客様拠点ごとの固有の課題を解決するために、これまで培ってきた技術とノウハウを活かして対応してまいりました。現在では、お客様の運用実態に合わせて最適化を図っております」

本格的な活用・運用段階に入り、目に見える変化も起こっているという。ビジネスツールとしてMicrosoft 365を利用できるようになったことは、TDKとして大きな変化のひとつだ。澤田氏は、「生産現場を含め、あらゆる業務で利用が進んでいる」と話しつつ次のように結んだ。

「FCPプロジェクトのキーワードは一貫して『スピード』でした。スピード感を持ってMicrosoft 365のグローバル導入を達成できたことが、まず大きな成果であると考えています。Microsoft 365を『1テナント』で導入したことで、好影響は目を見張るスピードで波及しています。事業部門やグループ企業間のコラボレーションが加速することで、意思決定とアクションのスピードはさらに高まっていくでしょう。私たちが提示した課題をことごとく解決してくれたHPE Pointnextのチームに感謝します。これからも、私たちの変革のためのパートナーとしてご支援を期待しています」

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TDK株式会社

SCM&経営システム本部 ビジネスシステムグループ 業務ソリューション部 FCPプロジェクト推進G課長 松井 裕 氏

TDK株式会社 SCM&経営システム本部 ビジネスシステムグループ 業務ソリューション部 FCPプロジェクト推進グループメンバー
(写真左より)渋谷はる美氏 / 長島和紀氏 / 梶本尚志氏 / 多田克弘氏 / 澤田厚氏 / 丸山雅史氏 / 松井裕氏 / 千原章一氏 / 宮本菜々穂氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
製造・流通サービスデリバリー
第二本部 第四部
プロジェクトマネージャー
中岡 真也 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
製造・流通サービスデリバリー
第二本部 第四部
幡野 卓義 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
グローバルリモートサービス本部
GreenLakeマネージメントサービス二部
常盤 正広 氏


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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