お客様導入事例

楽天銀行株式会社 様

ゼロキャッシュ時代のFinTechリーディング企業へ

楽天銀行株式会社 様

所在地:東京都港区港南2-16-5 NBF品川タワー
URL:https://www.rakuten-bank.co.jp/corp/about/profile.html

楽天銀行が「お客さま向けサービスのメインシステム」をコンテナベースで構築し、革新的なサービスとアプリケーションの開発を加速

楽天銀行が2018年から取り組んでいる「お客さま向けサービスのメインシステム」の刷新プロジェクトが、いよいよ最終フェーズに入った。2027年に2,500万口座、預金量20兆円の達成を目指す同行にとって、「第2の成長ステージ」を支える基盤となるシステムの完成は間近だ。コンテナサービスアーキテクチャを採用したモダンなアプリケーションが「コンテナ&OpenShift」上ですでに稼働し、ミッションクリティカルなサービスを支えている。DevOpsを実践して、革新的なアプリケーションを次々と送り出すための開発環境も新たに整備された。我が国を代表するFinTech企業による前人未到のチャレンジに迫る。

業種

金融

 

ビジョン

ゼロキャッシュ時代におけるFinTechのリーディングカンパニーを目指し、顧客基盤の拡充と収益基盤の強化を推進、FinTech領域の成長を加速させる

 

戦略

コンテナサービスアーキテクチャを採用しシステムを刷新、アプリケーションの開発・改修スピードを高め、独自のお客さま向けサービスを拡充

 

成果

・Red Hat OpenShift 及びRed Hat Runtimesを採用しミッションクリティカルな要求に応えるコンテナアプリケーション稼働環境を整備

・サービスコンポーネントの疎結合化により、システム機能のアップデートや改修によるサービス影響を最小化

・DevOpsを実践しアプリケーション開発を高速化するモダンな開発環境を整備

・HPE GreenLakeを採用し、コンテナ&OpenShift向けの拡張性の高いインフラ導入を実現


「第2の成長ステージ」で2,500万口座の獲得を目指す

 

2023年4月、楽天銀行が東京証券取引所プライム市場への新規上場を果たした。1,475万口座、10.3兆円の預金量*を誇るデジタルバンク国内トップ企業の上場は大きな注目を集めた。ECから、モバイル、フィンテックまで、世界14億ユーザーという巨大な「楽天経済圏」を形成するグループ企業との相乗効果もあって、楽天銀行の口座数は年率11.6%という目覚ましい成長を続けている。常務執行役員 システム本部担当役員 システム本部長の早川一氏は次のように話す。

「楽天銀行は、お客さまへ『安心・安全で最も便利な銀行』サービスを提供し続け、お客さまにお選び頂いていることで高成長を持続させています。預金、送金、ローン、カード決済などメガバンクに比肩する充実したサービスを提供するとともに、スマートフォンからこれらをフルに利用できる『楽天銀行アプリ』も好評です。お得な『楽天ポイント』の付与、楽天カードの引き落としや楽天証券との口座連携による優遇金利など、楽天会員の皆さまにとって魅力的なサービスを拡充させてきたことも成長の要因です」

楽天銀行の前身であるイーバンク銀行の開業は2001年。楽天グループに加わった2008年以降の成長は特に目覚ましい。口座数は直近の5年で2倍に、預金量は3年で2倍に達している。

「開業以来、システム/アプリケーションの自社開発にこだわって、スピード感のあるサービス拡充に取り組んでいます。『こうすればもっと便利になる』というアイディアを大事にしながら、銀行の常識にとらわれないユニークなサービスを次々と具現化してきました。若手社員の発案で、生体認証によるログイン機能をわずか数週間で開発・実装した例もあります。自社開発は、FinTech企業としての楽天銀行の強さをまさに支えるものです」(早川氏)

2022年4月に発表された中長期ビジョンでは、「ゼロキャッシュ時代の到来を見据えたFinTechのリーディングカンパニーを目指す」という目標が掲げられた。システム本部の望月清司 副本部長は次のように話す。「我が国の金融サービスのデジタル化を担ってきた楽天銀行にとって、FinTechのリーディングカンパニーへの進化は必然と言えるでしょう。2027年3月期に2,500万口座、預金量20兆円という中長期ビション達成に向けた『第2の成長ステージ』へのチャレンジはすでに始まっています。そして、この新たな成長軌道に乗せるためのIT戦略策定と、お客さまにとって安心・安全で最も便利な銀行を支える高度な基盤システムの整備を急ピッチで進めています」

*2023年12月末時点

お客さま向けサービスのメインシステムにコンテナ技術を全面採用

 

楽天銀行が「お客さま向けサービスのメインシステム」の刷新プロジェクトを立ち上げたのは2018年のことだ。お客さま向けサービス提供の起点となり、楽天グループ企業をはじめとする多様な外部システムとも連携する重要システムである。刷新を決断した背景と課題認識について、システム本部 システム開発部 部長の千代幸生氏は次のように話す。

「楽天グループの事業会社として、ビジネス伸長とともに決済や送金などのトランザクションが急増しました。取引量もハイペースで増大しており、口座数2,500万口座を目指せる銀行になりました。まさに『第2の成長ステージ』に入りつつあった楽天銀行を、安定的に支え続ける新しいシステムが求められていたのです」

増強・拡張を繰り返して肥大化してきたシステムのモダナイゼーションも重要なテーマだった。モノリシックな構造を持つ既存システムは、新サービスのリリースや機能改修を繰り返す事で多大な工数と費用を要するようになってきていたのである。

「新システムでは、お客さまへ価値の高いサービスをよりスピーディに提供するために、システムアーキテクチャを見直し『コンテナ技術』の全面採用を決断しました。私たちは、1,475万口座を預かるデジタルバンクとして、優れた柔軟性とアジリティを備えた『モダンなミッションクリティカルシステム』を実現する前例のないプロジェクトに挑みました」(早川氏)

HPE Servicesは、コンテナ&OpenShift稼働環境・DR環境の整備を中心に、コンテナ技術に対する豊富な経験・知見を活かして本プロジェクトを全面的に支援した。

新たな成長を支える、モダンなアーキテクチャ

 

「お客さま向けサービスのメインシステム」の刷新プロジェクトをPMOとしてリードしたのは、システム本部 システム開発部でPMOチームを率いる市川浩史氏である。市川氏がPMOとして本プロジェクトに参画して5年目になる。

「新システムは、コンテナサービスアーキテクチャを採用し、サービスコンポーネントを疎結合化することで、システム機能のアップデートや改修によるサービス影響を最小化することを基本方針としました。これにより開発効率を高め、新サービスのリリースの高速化・高頻度化を実現します」と市川氏は説明する。

新システムの特徴は次の4つに集約される。

①API化:コンテナ技術の全面採用
②フロントエンドテクノロジーの刷新:JSF(Java Server Faces)による開発生産性と表現力の向上
③サーバー/インフラの最新化:HPE GreenLakeによる拡張性の高いシステム導入
④APIマネジメントの導入:KubernetesコンテナプラットフォームRed Hat® OpenShift®の採用

プロジェクトは4つのフェーズに分けられ、段階的にサービスコンポーネントを開発していく手順が採られた。第1フェーズでは、コンテナとOpenShift向けに最適化された本番用システムの設計・構築も行われた。

「プロジェクト開始時点では、社内でコンテナやKubernetesに精通した技術者は限られていました。私たちは、HPE Servicesのエキスパートとともに課題を一つひとつ解決し、学習を重ねながら新しいインフラを整えていきました。自分たちでベストプラクティスを獲得していくことによって、プロジェクトを進めながら技術者のスキルを着実に高めていきました」とシステム本部 システム運用部 部長の佐藤雄樹氏は振り返る。

コンテナ&OpenShiftの採用は「バージョンアップを前提とするシステムへの移行」をも意味する。ミッションクリティカルな環境への適用は大きなチャレンジだ。市川氏は次のように話す。

「システムを塩漬けにしないで最新機能をどんどん使っていくことが、楽天銀行の競争力の源泉になると考えました。プロジェクトでは新旧バージョンのOpenShift環境を構築し、設計や運用上の見直しがどれだけ必要なのかを見極めながら対策を具体化していく手順を採りました。2023年初頭には、OSを含むOpenShiftのメジャーバージョンアップを完了させており、この知見を活かし現在は次のバージョンアップに向けて、短期サイクルでの継続的なバージョンアッププロセスの確立に取りかかっています」

お客さま向けサービスのメインシステムを、「モダンなミッションクリティカルシステム」へと進化させた本プロジェクトは、これに携わる技術チームの意識を変え、モダンなテクノロジーにおけるスキルを大きく向上させた。HPE側のPMとして本プロジェクトを全面的にサポートしているHPE Servicesの安川修平氏は次のように話す。「コンテナ関連技術の進化は目覚ましく、一方で、フィンテックの急速な進化は人々の購買行動を大きく変化させています。楽天銀行様とHPEが専門知識や情報を積極的に交換し、勉強会などを通じて相互にスキルを高めていったことが、プロジェクトの大きな成功要因になったと思います」

HPE Servicesの片渕豊氏も、「HPEはコンテナオーケストレーションの領域で早期から実績を積み重ねてきました。先行者としての経験・知見を活かして、ミッションクリティカルな要求に応えるコンテナ&OpenShift環境をしっかりと作り込みました」と続けた。

技術チームの発案でCI/CDパイプラインを整備

 

本プロジェクトでは、技術者たちの発案によりCI/CDパイプラインやGitによるソースコード管理の仕組みも整備された。アプリケーションエンジニアの蓮雄一氏は次のように話す。

「アプリケーションの開発生産性と品質の向上を目指して、モダンな開発・運用環境の整備に取り組みました。特に注力したのはテストの自動化と、インテグレーションからデプロイまで一貫した安全なプロセスの確立です。現在は、DevOpsの考え方を採り入れて、開発と運用が切れ目なくスムーズに連携できる体制の強化を進めています」

開発チームが獲得したコンテナ&OpenShiftの知見は、運用保守チームにも正しく継承されている。運用エンジニアの出雲玄晨氏は、すでに現場で確かな手応えを得ているという。

「コンテナ&OpenShiftの環境では、システム更新時のリリースに要する作業時間が従来の半分以下になり、限られた時間の中で動作検証などへより多くの時間を充てられるようになりました。また、従来数か月を要していたサーバーリソースの拡張を数分で対応できるようになったことも大きな進化です」

楽天銀行では、独自のシステム/アプリケーション開発体制を強化すべく、国内外からテック人材の採用を積極的に進めている。技術者への期待を語りつつ、市川氏は次のように結んだ。

「2023年4月に『IT戦略検討プロジェクト』を立ち上げ、成長戦略とIT戦略の連携強化への取り組みを開始しました。私たちの目の前には、FinTechの先駆者・リーダーとして様々なチャレンジが待ち受けています。モダンなミッションクリティカルシステムをさらに進化させ、お客さまにとってより価値の高いデジタルバンクサービスの創造に取り組んでいくための仲間を募集しています。私たちと、そしてHPE Servicesという心強いパートナーと一緒にチャレンジしてくれる、多くの技術者と出会えることを期待しています」

楽天銀行株式会社

常務執行役員
システム本部担当役員
システム本部長
早川 一 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
副本部長
望月 清司 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
システム開発部
部長
千代 幸生 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
システム開発部
PMOチーム
チームマネージャー
市川 浩史 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
システム開発部
アプリケーションエンジニア
蓮 雄一 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
システム運用部
部長
佐藤 雄樹 氏

楽天銀行株式会社

システム本部
システム運用部
運用エンジニア
出雲 玄晨 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

HPE Services 統括本部
金融・公共サービスデリバリー本部
片渕 豊 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

HPE Services 統括本部
金融・公共サービスデリバリー本部
安川 修平 氏

楽天銀行株式会社 様 採用情報

楽天銀行には様々な部門で、多様な年齢やバックグラウンドを持った社員が在籍しています。銀行業界経験者はもちろん、業界未経験者も多く活躍しています。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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