企業コミュニケーションのデジタル変革に挑む

日本たばこ産業株式会社 様

 

日本たばこ産業が、コーポレートサイトの刷新とともにプライベートクラウドからAzureへ移行し、パーソナライズされたコミュニケーションを強化

 

ひとのときを、想う。JT――TVCMやWebを通じて発信されるこのメッセージは、世代を超えて広く共感を呼び、JTの企業ブランドを象徴するキーワードとして認知されている。2020年7月、JTはコーポレートサイトを全面的にリニューアルするとともに、オンプレミスのシステム基盤をMicrosoft Azureクラウドサービスに移行した。情報発信の基地として、ステークホルダーとの接点として、コーポレートサイトの重要度がいっそう高まる中、JTはクラウド移行によって何を目指したのか。企業コミュニケーションにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の先進事例を紹介する。

業種

食品

 

ビジョン

コミュニケーションワード「ひとのときを、想う。JT」に基づき、より良いユーザー体験と効果的なコミュニケーションを可能にするコーポレートサイトの具現化

 

戦略

Emotional、Active、One-to-Oneを実現するリッチなデザインとコンテンツを開発し、高い頻度で更新可能なDXプラットフォームと運用体制へ移行する

 

成果

・オンプレミスのシステム基盤からMicrosoft Azureクラウドサービスへの移行を短期間で実現

・企業コミュニケーションのDXを可能にするプラットフォームを整備

・HPE Pointnextが新システムの設計・構築・移行・運用、コンテンツ更新までをワンストップでサポート

「ひとのときを、想う。JT」を発信するプラットフォーム

 

お客様の一人ひとりの「かけがえのないひととき」や「大切な時間」を想い、お客様のこころをより豊かにしていきたい――『ひとのときを、想う。JT』というメッセージは、2009年に策定されて以来、身近な出来事を扱ったTVCMシリーズやWebコンテンツを通じて幅広い層に認知されている。パブリックリレーション部Webコミュニケーション担当次長の田沼良幸氏は次のように話す。

「パブリックリレーション部では、企業広告やコーポレートサイトでのメッセージ発信、スポーツイベントへの協賛などを通じて、JTブランドの価値を高める活動に取り組んでいます。ソーシャルメディアや動画サイトを含め、Web上でのコミュニケーションは、デジタルテクノロジーの進化とともに大きな可能性が広がってきました。私たちは、『ひとのときを、想う。JT』を発信するプラットフォームとして、また、幅広いステークホルダーとの接点としてのコーポレートサイトのあり方を再定義しました」

2019年5月に立ち上げられたコーポレートサイト刷新プロジェクトでは、「Emotional」「Active」「One-to-One」という3つの方針が掲げられた。

「Emotionalは、『ひとのときを、想う。JT』をまさに体感できる、人の心を動かすUI/UXデザインとコンテンツの開発です。Activeでは、動画に加えVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を取り込んだ新しいユーザー体験を追求します。One-to-Oneは、来訪者一人ひとりに合った動的なページカスタマイズやコンテンツのレコメンドを実現するものです。私たちは、コーポレートサイトの刷新を通じて企業コミュニケーションのDXに挑戦していきます」(田沼氏)

リッチなコンテンツと新しいユーザー体験の追求は、これを提供するバックエンドシステムに大きな見直しを迫ることになった。パブリックリレーション部の要請を受けたIT部の朱鵬氏は次のように話す。

「コーポレートサイトを提供してきた既存の仮想化基盤は、新しいビジネスチャレンジに応えるための拡張性、新しいテクノロジーへの適応力の面で課題がありました。また、IT部としては、コンプライアンスや情報セキュリティへの対応を含め、年々重くなるシステム運用の負荷に悩まされていた事情もあります。私たちは、コーポレートサイトのリニューアルを機に様々な課題を一掃すべく、パブリッククラウドへの移行を決断しました」

移行先として選定されたのは、日本ヒューレット・パッカード(HPE)が提案したMicrosoft Azureクラウドサービスである。本プロジェクトでは、HPE Pointnextのエキスパートが、初期段階のアドバイザリサービスから新システムの設計・構築・移行・運用までを全面的に支援した。

クラウドテクノロジーをDXへのチャレンジに活用

 

HPE Pointnextは、企業のデジタルトランスフォーメーションをトータルに支援するサービス組織である。世界80カ国、2万2,000人を超えるITプロフェッショナルが、豊富な実績とナレッジに基づくアドバイザリ、構築サービス、運用保守サービスをトータルに提供している。ハイブリッドクラウド環境の構築・運用において世界屈指の実力を持つ。

「HPEからの提案を受けて、複数のパブリッククラウドサービスとオンプレミス環境を多面的に評価・検討しました。要件をどれだけ満たせるか、運用手順と負荷はどう変わるか、スケジュールを遵守できるか、投資対効果はどうか、それぞれ一長一短がありましたが、日々進化するクラウドテクノロジーをDXへのチャレンジに積極的に活用するという判断から、Azureクラウドサービスを選定しました」と朱氏は話す。

プロジェクトでは、新しいシステム基盤に対して「コンテンツオーナーの要求に迅速に応える更新スピードの向上」「柔軟なスケーリングによる余剰リソースの抑制」という要件が示された。これに応えるHPEの提案は次のようなものだ。

「システム運用とコンテンツ運用を一体化することが、コンテンツ更新のスピード向上を含めJT様のメリットにつながると考えました。そこで、Azure環境の監視と運用保守に加え、コンテンツ更新にもHPEが対応する新しい体制と手順を提案しました。また、余剰リソースとコストの抑制に対しては、Azureの自動スケールと計画的なリソース伸縮を使い分けて柔軟に対応します」とHPE Pointnextの遠藤正章氏は話す。

HPEによる運用体制見直しの提案は、「IT部の業務変革に資する」という面でも評価された。

「IT部では、常にビジネスの視点を持ち、よりビジネスの成果に貢献できるチームへの変革に取り組んでいます。そのために新しいテクノロジーを積極的に活用し、クリエイティブで付加価値の高い活動に注力できるよう業務の中身を見直してきました。パブリッククラウドへの移行とHPEの支援を受けた運用負荷の低減は、まさにこの方針に合致するものです」とIT部主任の羽生紫織氏は話す。

コロナ禍における着実なプロジェクト推進

 

2019年6月から本格始動したコーポレートサイト刷新プロジェクトは、およそ1年という期間の中でインフラを選定し、システム設計・構築と新たなコンテンツの立ち上げまでを完遂させた。システムとコンテンツの運用・更新手順も合理的に見直されている。

「HPEをパートナーに指名する決め手となったのは、フィジビリティ(実現可能性)がしっかりと確認された提案内容にあったと思います。

私たちの要件を満たしたシステム基盤をAzure上で実現するために、隅々まで目を配ってリスクや注意点を洗い出してもらえました。その上でPoC環境を用意して機能検証を実施したことが、大きな手戻りなくプロジェクトを推進できた要因でした」(朱氏)

システム性能は「既存環境の2倍以上」という要件が示されていたが、負荷テストの段階で想定したパフォーマンスが得られないことが判明した。HPEはいち早くボトルネックを特定し、IT部とともにシステム構成を見直すことでこの問題を解決した。

「スケジュールへの影響なしに、かつリソースを増やしてコストを上昇させることなく、性能問題を解決できたことは大きかったと思います。新しいコーポレートサイトではアクセスが倍増することを想定していましたが、最終的に既存システム比で3倍程度の処理性能を達成しています」とHPE Pointnextの小野篤史氏は話す。

IT部とHPEのメンバーは、プロジェクトルームで議論を重ねながら着実に作業を進めていったが、それを許さない状況にも直面した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としての在宅勤務の導入である。

「パブリックリレーション部としては、2020年の世界的なスポーツイベントが開催される直前までに、何としても新しいコーポレートサイトを立ち上げたいと考えていました。プロジェクトの佳境でメンバーの大半がリモートワークを余儀なくされましたが、オンライン会議やチャットをフルに活用して全員で困難を乗り越えました。この出来事が、チームの結束と信頼関係の強化につながったと感じています」と田沼氏は振り返る。

クラウドテクノロジーをDXへのチャレンジに活用

 

2020年7月、JTのコーポレートサイトは、よりEmotionalに、よりActiveな形に生まれ変わった。26歳の主人公と両親・友人・同僚とのつながりを描いたTVCMシリーズ「想うた」や、30秒で読める「ひととき小説」など多様なコンテンツが用意され、来訪者ごとに「あなたへのおすすめ」が動的に表示される。

「本プロジェクトによって、デジタルテクノロジーを活用した新しいチャレンジを進めるための環境は、万全に整えられたと言えるでしょう。私たちは、より魅力的なコンテンツ開発とOne-to-Oneの施策に注力することができます。IT部とHPEには、期待以上のシステム基盤と運用体制をしっかりと作り込んでもらえたことに感謝しています」と田沼氏は話す。

コーポレートサイト刷新を完遂したIT部では、これに続いて30社に及ぶJTグループ企業のWebサイトをクラウド上のシステム基盤に移行する作業を進めている。

「IT部の役割は、ITサービスの提供にとどまらず、テクノロジー活用によるビジネスへの貢献へとシフトしてきています。価値のあるInformationをビジネスの成果に結びつける方法を常に意識ながら、ビジネス要求に迅速かつ的確に応えられるよう最新のTechnologyを敏感に捉えていく必要があります。Azure上のコーポレートサイトでPaaS/SaaSなどのテクノロジーを利用できるようになったことは、IT部自身の変革を加速させていく上でも意義があります」と朱氏も評価する。

JTでは、2019年1月にデジタライゼーション推進室を開設して、全社レベルでDXを主導する体制を強化した。会員制サイトCLUB JTの進化、革新的な加熱式たばこデバイスPloom Xの投入など、あらゆる取り組みがDXへとつながっている。そして、すべてのDXへのチャレンジは、たばこ事業のグローバル統合に象徴されるJT自身が挑む巨大なビジネス変革の一環にある。

HPE Pointnextの坂本尚士氏は、「HPEでは、長年にわたり培ってきた知見とクラウドネイティブテクノロジーを融合させながら、独自のDXプラットフォームを進化させています。これからも、JT様のDXとビジネス目標の達成を全力でご支援してまいります」と力を込める。

そして、田沼氏が次のように話して締めくくった。

「コーポレートサイトのリニューアルは、コンテンツからシステムまで社内外の多くの関係者が参画した一大プロジェクトでしたが、HPEのチームには長期にわたり一貫して誠実に対応してもらえました。JTが全社を挙げて変革に取り組んでいく過程で、IT部とHPEに対する期待や要求は絶えず変化していくでしょう。ハイブリッドクラウドとテクノロジーのアドバイザーとして、変化する要求に応えるビジネスパートナーとして、HPEにはこれからも私たちのチャレンジを支援してもらえることを期待しています」

日本たばこ産業株式会社

パブリックリレーション部 
Webコミュニケーション担当次長 
田沼 良幸 氏

日本たばこ産業株式会社

IT部
主任
朱 鵬 氏

日本たばこ産業株式会社

IT部
主任
羽生 紫織 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
製造・流通サービスデリバリー第一本部 第三部
坂本 尚士 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
製造・流通サービスデリバリー第一本部 第三部
遠藤 正章 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

Pointnext事業統括
Pointnextデリバリー統括本部
グローバルソリューションセンター本部
GreenLakeマネージメントサービス一部
小野 篤史 氏


ご導入製品情報

HPE Pointnext Services

HPEエキスパートから戦略に関する支援を受け、デジタルトランスフォーメーションを加速して希望どおりの成果を達成できます。

HPE Pointnext Servicesについて詳細をご覧ください。


ご導入企業様

日本たばこ産業株式会社 様

 

所在地:東京都港区⻁ノ⾨4-1-1

URL:https://www.jti.co.jp/

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