ミッションクリティカルシステムをas-a-serviceモデルで刷新



株式会社 日本カードネットワーク 様

 

日本カードネットワークが次世代CARDNETセンター基盤にHPE GreenLakeクラウドサービスを採用し、ビジネスアジリティ強化とコスト最適化を実現

 

クレジットカード会社と加盟店を繋ぐ「クレジット決済ネットワーク」を運営する日本カードネットワークが、基幹業務システムの刷新プロジェクトを推進している。狙いは、キャッシュレス化の進展とともに急増するトランザクションを安定的に処理し、予測できない変化にも適応できる拡張性に優れた「次世代CARDNETセンター基盤」の構築だ。同社では、24時間365日無停止でサービスを提供する独自のミッションクリティカル環境にHPE GreenLakeクラウドサービスを適用し、as-a-serviceモデルによってビジネスの変化に適応できるサービス基盤の構築とコスト最適化を実現した。

業種

電気通信事業

 

ビジョン

あらゆる業態・業種の加盟店様と、国内ほぼすべてのクレジットカード会社様・金融機関様を結び、日々の決済シーンを支えるキャッシュレス決済プラットフォームを提供

 

戦略

多頻度高度化するキャッシュレス決済を支える強固なネットワークインフラの構築

 

成果

・HPE Superdome Flexを採用し現行システムの2倍の処理性能を実現

・システム/アプリケーション設計を見直し拡張性に優れたサービス基盤を実現

・HPE GreenLakeを採用しインフラ機器、OS・ソフトウェア群をas-a-service化

・ミッションクリティカルなオンプレミスシステムを10年間利用可能に

JTRANSとCARDNETバッチ、2つの基幹システムの最新化

 

日本カードネットワークは、キャッシュレス決済プラットフォームを運営するサービス事業者として年間262億件*を超える処理を扱っている。利用客のカードが正常に使用できるかを確認する「オーソリゼーション(与信・信用照会)」やこれと連携する「売上データ処理」など――同社が提供するサービスは、キャッシュレス化の進展とともに社会インフラシステムとしての重要性をいっそう高めている。基幹システム開発部長としてチームを率いる中本裕治氏は次のように話す。

「日本カードネットワークのミッションは、クレジットカード会社様をはじめとする各種決済事業者様と加盟店様を安全・安心に繋ぎ、カード利用者の快適な購買体験を支え続けることにあります。CARDNETオンラインセンターによるオーソリゼーション処理、JTRANS伝送センターによる売上データ処理は、私たちのアイデンティティとも言える中核サービスです。24時間365日無停止で安定的にサービスを提供し続けなければなりません」

経済産業省によるキャッシュレス・ビジョンでは、「2027年までにキャッシュレス決済比率40%」を目指すという指針が掲げられた。その後のキャッシュレス化の進展は目覚ましく、日本カードネットワークの2020年度のトランザクション量は前年度比で118%にまで達したという。

「2019年より、売上データ処理と伝送を担う『JTRANS』『CARDNETバッチ』という2つの基幹システムのモダナイゼーションに取り組んでいます。最新化の大きな狙いは、急増するトランザクションを安定的に処理し、予測できない変化にも適応できる拡張性に優れたサービス基盤を実現することにあります」と基幹システム開発部に所属し、本プロジェクトでリーダーを務める阿部清加氏は話す。

「JTRANS」は、クレジット売上、無効カード、有効性チェックなどの取引データを複数のカード会社へ伝送する加盟店の業務効率化に欠かせないサービスのひとつである。センター間接続や公共料金決済など様々なサービスの伝送も担う。一方「CARDNETバッチ」は、オーソリゼーションを担うCARDNETオンラインのバックエンドでメッセージの仕分けや集計を行う。

「JTRANSでは、1日で1.5億件のデータを2時間以内に集計を完了させることが求められます。次期システムでは、ハードウェアを最新化するとともにアプリケーションの設計を見直して、バッチ処理性能を最大で2倍に強化する方針を掲げました。目指しているのは、今後10年のビジネスを支える『次世代CARDNETセンター基盤』です」(阿部氏)

日本カードネットワークとともに本プロジェクトをリードしているのは、金融業界のミッションクリティカルシステム領域で豊富な経験を持つTIS株式会社のエキスパートチームである。

*CARDNETオンラインセンター、JTRANS伝送センターの合計処理件数(2020年度)

新しい10年を支える「次世代CARDNETセンター基盤」

 

TISカードネットワーク事業部は、1995年の日本カードネットワーク設立以来、長年にわたり同社の基幹システムとアプリケーションの設計・開発・運用を手掛けている。同事業部副部長の土井秀紀氏は次のように話す。

「次世代CARDNETセンター基盤では、現行システム比で3倍のバッチ処理性能を実現するとともに、24時間365日無停止でのサービス提供を可能にするために様々な工夫を盛り込みました。また、アプリケーション設計を見直すとともに、開発言語をJavaに切り替えて今後の開発や改修に際して技術者の確保を容易にしています」

現行システムはHPEのハイエンドUNIXサーバーとハイエンドストレージで稼働しており、高い信頼性を実証してきた。次世代CARDNETセンター基盤には、これを超える最新のシステム製品が採用された。

「新システムでは、ハードウェア単体で最高水準の信頼性・耐障害性を追求するとともに、システム全体でサービス継続性を高めるデザインを採用しました。具体的には、業界最高クラスのハードウェアRAS(信頼性・可用性・保守性)機能を備えたx86サーバーHPE Superdome Flexを基盤に、HAクラスターを構成して高い可用性を実現します。さらに、ハイエンドストレージHPE XP8によりリモートサイトへリアルタイムでデータを同期し、大規模災害発生時でも素早いサービス切り替えを可能にします」(土井氏)

HPE Superdome Flexは、インテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサーを最大32CPU/896コア搭載可能で、最大48TBという巨大なメモリ空間をひとつのOSから利用できる業界最高クラスのスケールアップサーバーだ。TISカードネットワーク事業部の刀祢翼氏が次のように続ける。

「多くのCPUコアから大容量メモリを扱えるメリットは、4ソケットサーバーであるHPE Superdome Flexならではです。開発中のJavaアプリケーションでは、高い性能を引き出すためにメモリを効果的に使う工夫を施しました。また、VMware vSphereによる仮想化を採用して、可用性を確保しながらサーバーリソースを柔軟に利用できるようにしたことも新しいチャレンジです」

インフラ設計においては、日本ヒューレット・パッカード(HPE)のエンジニアチームが技術支援で参画した。同社プリセールスエンジニアリング統括本部金融・公共技術部の元木健二氏は次のように話す。

「加盟店様とカード会社様を繋ぐミッションクリティカルな環境を、10年間にわたって安定的に運用していくためには、可用性と拡張性に優れたHPE Superdome FlexとHPEXP8ストレージはまさに理想的な選択です。私たちはこれに加えて、お客様により安心して長期利用していただくために『HPE GreenLakeクラウドサービス』を提案しました」

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株式会社 日本カードネットワーク
システム第一本部 基幹システム開発部長
中本 裕治 氏

独自のミッションクリティカル環境をHPE GreenLakeで実現

 

HPE GreenLakeクラウドサービスは、オンプレミス環境にパブリッククラウドと同等の体験をもたらすサービスとして世界中で採用が進んでいる。HPEが提供するインフラ製品はもちろん、OSや仮想化ハイパーバイザーなどのソフトウェア製品を含めたas-a-service化が可能だ。リソース状況のレポーティングや計画的なファームウェアアップデート、予兆分析に基づくプロアクティブ保守まで充実したサポートも受けられる。

また、HPE GreenLakeでは、保守期間終了に伴うシステム製品の入れ替えを容易にする「テクノロジーリフレッシュ」というプログラムが用意されている。さらに、HPE GreenLakeでは「従量制」の費用モデルも用意している。従量制では、自社に最適なオンプレミス環境を「クラウドと同等のスピード感で」「使った分だけ後払いで利用でき」「マネージドサービスとして運用を任せられる」というメリットが得られる。

「HPE GreenLakeの特徴は、幅広いHPEポートフォリオから、システムのSLAに応じて柔軟にハードウェアやソリューションを選択し、それらを『サービス』として利用できることにあります。また、契約期間中はシステムのライフサイクルマネジメントもHPEから支援いたします。これにより、お客様が本来業務に注力するお役に立てるものと考えております」(HPE元木氏)

予測困難なビジネス環境の変化に適応できるシステムへ

 

JTRANSとCARDNETバッチ、2つの基幹システムを含む「次世代CARDNETセンター基盤」プロジェクトは着実に開発が進んでいる。

「TIS-HPEの技術者とともに様々な課題を解決しながら日々の開発を進めてきました。プロジェクトに携わる全員が私たちのビジネス目標をしっかりと共有し、次の10年を支える社会インフラシステムの構築に取り組んでいます。HPEの技術者にインフラ設計・構築段階から専門的な知見を提供してもらえたため、インフラ性能を生かした高品質なシステム構築を進められている手応えを得ています」と阿部氏は話す。

キャッシュレス化の潮流は、今後どれだけのスピードでどれほどの広がりを見せるだろうか。予測困難なビジネス環境の変化に適応できるシステムとしての「次世代CARDNETセンター基盤」の実力が試されるのはこれからだ。

「日本カードネットワークのシステム群や金融業界におけるHPEの実績と信頼は非常に大きなものがあります。私たちが次の10年をどのシステムに託すか、誰をパートナーに選ぶかに関しては、役員を含め多くの議論を重ねました。HPEがこれまで提供してきたシステムに対する信頼感に加え、新しいテクノロジーやソリューション開発への取り組みが、HPEに対する評価と期待につながったことは間違いありません」(中本氏)

独自開発のミッションクリティカル環境をas-a-serviceで提供されるHPE GreenLakeに対する期待とともに、中本氏は次のように話して締めくくった。

「サードパーティ製を含む様々なハードウェア/ソフトウェアへ、HPE GreenLakeの適用範囲が拡がっていることは私たちにとって歓迎すべきことです。経営陣もHPE GreenLakeの有効性には理解を示しており、今後のシステム導入・更新に際しては必ず検討対象になるだろうと思います。TISとHPEには、本プロジェクトを成功させるための力強いサポートを期待しています」

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株式会社 日本カードネットワーク
システム第一本部 基幹システム開発部 統括グループ 副主事
阿部 清加 氏

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(写真左より)

株式会社 日本カードネットワーク

システム第一本部 基幹システム開発部長 中本裕治 氏/システム第一本部 基幹システム開発部 統括グループ 副主事 阿部清加 氏

TIS株式会社

金融事業本部 カードネットワーク事業部 カードネットワーク第1部 副部長 土井秀紀 氏/金融事業本部 カードネットワーク事業部 カードネットワーク第1部 主査 刀祢翼 氏

日本ヒューレット・パッカード合同会社

プリセールスエンジニアリング統括本部 金融・公共技術部 元木健二 氏

ソリューションパートナー

TIS株式会社 様

 

所在地:東京都新宿区西新宿8丁目17番1号

URL:https://www.tis.co.jp/group/

ご導入企業様

株式会社 日本カードネットワーク 様

 

所在地:東京都新宿区大久保3-8-2 住友不動産新宿ガーデンタワー

URL:https://www.cardnet.co.jp/