テレワークのニーズが高まる中、マンション一括インターネットサービスのオプション「Connectix」をリリース

アルテリア・ネットワークス株式会社 様

 

HPE CMSソリューションを導入し、クラウド基盤上に短期間でサービス開発

 

2021年8月、アルテリアグループ(アルテリア・ネットワークス株式会社と株式会社つなぐネットコミュニケーションズ)は、マンション一括インターネットサービスのオプションサービス「Connectix(コネクティクス)」を提供開始した。SD-WAN技術を活用し、利用者自身によるサービスの申込みをオンラインで行えるもので、サービス開発に際しては、HPE Service Directorソリューション製品を導入。様々なネットワーク機器やシステム、サービスなどと連携し、HPE Service Directorのアジャイルな開発手法(インテントベースモデリング※1)による短期間でのサービスリリースを実現した。

※1 HPE独自のモデルドリブン型サービス定義言語

業種

データ通信サービス事業

マンションインターネット事業

 

ビジョン

SD-WANによる優先接続オプションサービスのためのサービス・オーケストレーター基盤導入

 

戦略

HPEのサービス・オーケストレーター製品採用により、高品質、短納期でサービスを提供する

 

成果

・インテントベースモデリングによる短納期でのサービスリリースを実現(設計~実装までの構築期間を従来比30%短縮)

・メンテナンス性、拡張性の高いシステムが開発できた

・運用開始後も安定稼働を実現

マンション居住者向けサービス開発を高速化する必要性

 

アルテリア・ネットワークスは、自社回線網を活用した法人向けサービス、マンション向けインターネット事業を手がける。同社DX事業本部副本部長兼事業推進部部長の小林敏範氏は、「主要都市部を中心に、独自の光ファイバー網を有し、法人向けにオーダーメイドのネットワーク環境を構築するネットワーク事業と専有型による安定的な高速通信を提供するインターネット事業、国内シェアNo.1※2の導入実績をもつマンションインターネット事業の3つがグループ事業の柱だ」と説明する。

2021年4月には、DXを推進する部門としてDX事業本部が創設され、新規事業の創出を担っている。2021年8月23日にサービスインされたマンション一括インターネットサービスのオプションサービス「Connectix(コネクティクス)」は、DX事業本部が手がけた最初の事業となる。

SD-WAN技術を活用し、住戸ごとに通信品質をコントロールする通信サービスで、管理ポータルから利用者自身が住戸の通信品質をコントロール可能とするものだ。これにより、サービス利用者は、オンラインからの申込みで即時※3にインターネット通信が優先的になるよう設定完了できる※4

小林氏は「コロナ禍で在宅機会が増え、自宅でテレワークをする人が増えたことから、追加料金でインターネットの優先ルートを確保できるサービスは、利用者の関心が高まっている」と話す。現在は、順次マンションへの設備導入を進めているところで、「月に数千戸から1万戸のペースで進め、2022年3月には15万戸まで伸ばしていきたい」ということだ。

「Connectix」のサービス開発に際しては、利用者が直接サービスを申込み、住戸ごとに通信品質をコントロールできる管理ポータル(セルフケアポータル)の開発が必要だった。システム開発には、同社のネットワーク機器や様々な社内システム、サービスなどと連携する必要がある上、サービスリリースまでの開発期間が約半年とあまり時間がなくスピーディな開発が求められた。

さらに、「社内にもネットワーク機器構成やベンダー間の仕様調整のための知見やリソースが不足していた」ことから、このあたりの開発品質を担保しながら高速化し、ネットワーク機器の接続実績のあるSIパートナーやソリューションが求められていたのだ。

※2 株式会社MM総研「全戸一括型マンションISPシェア調査(2021年3月末)」
※3 お申し込み完了後、数分程度でサービスが適用されます。
※4 本サービスは、株式会社つなぐネットコミュニケーションズが提供するマンション一括インターネットサービスが導入されている建物で、Connectix導入建物にお住まいのお客様のみご利用いただけるサービスです。

短期間でのサービス開発を実現するサービス・オーケストレーターを採用

 

ソリューション選定は2020年6月に開始された。アルテリア・ネットワークスがソリューションに求めた要件は次のとおりだ。

(1)対象となるネットワーク機器との接続実績を有すること

(2)最低限のカスタマイズができる柔軟性を有していること

(3)スケーラビリティのある開発基盤であること

そして、HPE通信事業者向けソリューション製品のネットワーク機器への接続実績や柔軟性及び拡張性が評価され、HPEのサービス・オーケストレーター「HPE Service Director」が検討の俎上にのぼった。

これは、HPEの中でも通信・メディア業界を対象としたソリューションであるHPE CMS(Communications & Media Solutions)の一翼を担う製品だ。CMSはグローバルでSIを担う3500名以上のエキスパートを擁し、これまで500社以上の企業に導入コンサルティングから導入後のサポートまで一貫したサービスを提供してきた。

「HPE Service Director」は、複数のドメインにまたがるネットワークとサービスの各種要素を柔軟に組み合わせて顧客に提供するためのサービス・オーケストレーターソリューションだ。その特長は、様々な種類のネットワークやシステム、サービスと連携可能な「オープン性」、サービスのアジャイル開発・実装が可能な「インテントベースモデリング」、そして、必要なアクションを動的に構成・実行し即時開通を可能にする「ゼロタッチオートメーション」の3点だ。

HPEでは同年7月頃にRFP提案を行い、8月頃より要件定義支援及びデモや事例の紹介を実施。通信事業者がサービスプロバイダーとして提供するサービスを管理するOSS(Operations Support System)のグローバル標準仕様である点など訴求した結果、これまでの導入実績や、適切なスケジュールと開発体制の提案、導入に向けたSI能力などが決め手となり、「HPE Service Director」の採用が正式に決定した。

ベンダー間調整がスムーズに進むようリモートでの定例ミーティングを実施

 

開発プロジェクトは2021年1月から開始された。当初、6ヵ月のプロジェクト期間だったものの、ネットワーク機器とのインターフェース仕様の調整に難航した。

フロントシステムを開発するベンダーやネットワークベンダー、バックエンドのシステム、それらを取りまとめるオーケストレーターなど関係するベンダーが多いことがその一因だ。そこで、コミュニケーションエラーがないよう、ベンダー各社が同席する定例ミーティングをアルテリア側で用意。関係者が定期的にオンラインでミーティングを行いながら意思疎通がスムーズに行うよう工夫された。

開発はコロナ禍もあり主にリモートで行われ、この定例ミーティングも多いときは週に1回や2回程度、それ以外は2週間に1回程度の頻度で開催された。

また、開発途中に仕様変更が生じるケースもあったため、ベンダー間で変更を調整する作業もしばしば生じたが、アルテリア側でどの開発やどの機能実装を優先するか、優先順位付を行い開発がスムーズに進むよう調整が行われた。

物件への付加価値提供により営業面での貢献も実現

 

こうした仕様変更の際にも、「HPE Service Director」を採用したことによって、従来のウォーターフォール型のスクラッチ開発でなく、インテントベースモデリングによるアジャイルな開発手法で行うことができた。これにより、開発途中での手戻りが少なく、要件に沿ったスピーディな開発が続けられた結果、短期間の納期によるサービスリリースを可能にした。

また、テストフェーズにおいても品質の高さを担保することができ、メンテナンス性や拡張性の高いシステムを開発することができた。

一方、ビジネス面での効果について、小林氏は「営業面での貢献」を挙げる。上述したように、在宅勤務やオンライン授業などが増え、自宅でのインターネット接続品質を気にする利用者が増えている。

「Connectixは、宅内工事不要で利用者がオンラインで申し込めば数分で優先ルートに切り替わり利用できる手軽さに対する評判が高く、さらにマンションデベロッパーにとっても物件の付加価値提供につながっている」(小林氏)ということだ。

「今回、HPEのサポートのもと、短期間でのサービス開発を実現していただきました。マンションのインターネット回線も、テレワークやオンライン授業など、居住者の用途に応じて必要な人に、必要な高品質のサービスが届けられるようになりました」(小林氏)。

今後は、SD-WANによるネットワークサービスや、オーケストレーターを用いた開発基盤が整備されたため、「この新しい基盤をベースにさらなるサービス開発のスピード化、仕様策定の効率化が可能になる」ことが期待される。

小林氏は「ネットワークの自動化やソフトウェア化を進め、顧客向けの新たな価値を提供していかないと、今後ネットワーク事業者として生き残っていくことができない」として、開発や技術チームが今回整備した新たな基盤をうまく活用していくことに期待したいと抱負を述べた。

そして、HPEに対しては、今回の取り組みを契機に、ネットワーク運用の効率化、最適化に今後も支援をいただきたいと締めくくった。

アルテリア・ネットワークス株式会社

DX事業本部
副本部長 兼 事業推進部部長
小林 敏範 氏


ご導入企業様

アルテリア・ネットワークス株式会社 様

 

所在地:東京都港区新橋六丁目9番8号 住友不動産新橋ビル

URL:https://www.arteria-net.com/

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