ソリューションビジネスを加速する開発+VDI基盤を新たに構築
株式会社NTTデータビジネスシステムズ 様
所在地:東京都豊島区東池袋一丁目18番1号Hareza Tower32階
URL:https://www.nttdata-bizsys.co.jp/
エンジニアの働き方改革を後押しする開発用クラウド環境をHPE SimpliVityで実現、新規ソリューションの創出にも積極的に活用
NTTデータグループの先進サービス/ソリューションプロバイダであり、お客様のDXを後押しする全方位プロフェッショナルサービス「imforce」を展開するNTTデータビジネスシステムズでは、社内開発環境の刷新を実施した。インフラの柔軟性や運用管理性をより高めると同時に、エンジニアが時間や場所の制約に捉われることなく開発に打ち込める環境を実現することが狙いだ。同社では、そのためのプロダクトとして、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」を導入。シンプルかつスケーラブルな開発環境を実現すると同時に、新たなお客様向けソリューションの創出にも活用していく。
業種
情報通信業
ビジョン
ニューノーマル時代に即した信頼性・拡張性・運用管理性の高い先進OA環境/開発環境の実現
戦略
社内開発基盤とVDI基盤をハイパーコンバージド・インフラストラクチャ製品で統合
成果
• パブリッククラウドを利用するよりコストを抑えて社内へサービス提供を実現
• 社内開発クラウドの信頼性・拡張性・運用管理性を大幅に向上
• 開発エンジニアのリモートワークを可能にする新VDI基盤を実現
• HCIのメリットを活かした新たなソリューション創出を推進
ご導入製品
多彩なサービス/ソリューションを「imforce」ブランドで展開
「変化を楽しみ、進化を続け、お客さまの期待を超える未来のしくみを共創し、社会に貢献する。」を企業ミッションとして掲げるNTTデータビジネスシステムズ。NTTデータグループ法人ソリューション分野の中核企業として、ERPをはじめとする企業向けのアプリケーション開発やSI事業、ミッションクリティカルな特定大規模システムの開発・運用、さらにはIoT、AI、組込ソフト開発事業に至るまで、多彩なサービス/ソリューションをフルラインで提供している。
そのような事業特性や強みを活かし、オープンで柔軟な発想と最新のデジタル技術を駆使し、お客様企業の事業競争力強化、新規ビジネスの創出からシステム開発、その後の事業の定着までワンストップで提供する全方位型プロフェッショナルサービスをコンセプトに、オリジナルブランド「imforce」ブランドを展開。2017年の提供開始以来、既に100社以上の導入実績(2020年時点)がある注目のサービス/ソリューションだ。
NTTデータビジネスシステムズ 第一システム事業本部 ITソリューション事業部 グループマネージャー 中村聡氏は「当社の強みは、これまで培ったノウハウをもとに提供する豊富なソリューションサービスはもちろんのこと、お客様/パートナー様とのビジネス共創を行うLab、大規模プロジェクトを実現可能とする専門開発センター、高品質かつ安定的な維持と継続的な改善に向けたITサービスマネジメントなどを通じて、お客様の企業変革を実現させる為の「価値」を提供し続けることです」と語る。
社内開発クラウドの環境改善が大きな課題に
その同社において今回実施されたのが、開発基盤の刷新プロジェクトだ。NTTデータビジネスシステムズ 第一システム事業本部 ITソリューション事業部 グループマネージャー 福村隆廣氏は、「複雑かつスピード感が求められる予測不能な時代ですから、お客様の競争力強化、事業拡大を一層高められるような、魅力あるお客様向けのサービス/ソリューションを提供していく上では、柔軟かつスケーラビリティが担保された開発用のシステム環境が必要不可欠と考えます。そこで当社でも、『社内開発クラウド』と呼ばれる開発業務用プライベートクラウドを構築・運用してきました。しかし、長年使い続けるうちに、様々な課題も顕在化してきたため、これをより最適な形に改めたいと考えたのです」と振り返る。
元々この社内開発クラウドを立ち上げた目的としては、開発コスト削減と競争力強化の二点が挙げられる。各開発プロジェクトに対してクラウドからリソースを割り当てる形にすれば、インフラ投資の無駄を省くことが可能に。また、その都度ハードウェアを調達する必要もなくなるため、よりスピーディに開発を進められるようになる。「とはいえ、開発案件の増大に伴って、物理サーバーの台数も次第に増加。老朽化した機器が障害を起こすケースも目に付くようになっていました。加えて、もう一つネックになっていたのが、スケーラビリティの問題です。旧環境はいわゆる3Tier構成で構築されていたため、リソースが枯渇してきた際の増設・拡張がタイムリーに行えなかったのです」と中村氏は語る。このため、急ぎの開発案件などでは、開発プロジェクトが独自にサーバーを調達するケースもあったという。「これでは当初の目的が果たせなくなりますので、一刻も早い改善が求められました」と中村氏は続ける。
取り組みを進めるにあたっては、パブリッククラウドの利用も検討したとのこと。しかし、詳しく精査してみたところ、自前で環境を構築するよりも、むしろコストが高額になってしまうことが判明。福村氏は「当社のセキュリティポリシー上、お客様の大事なシステム/データはきちんと目が届くところで管理したいというニーズもありますので、今回も自前で開発環境を持つことにしました」と語る。
優れた拡張性や運用管理性を評価しHPE SimpliVityを新たに採用
プラットフォーム製品の選定に際しては、開発部門の要求に即応できる俊敏性の高さ、インフラ維持運用コストの削減、信頼性・可用性向上、増設・拡張が容易であることの4点が要件として掲げられた。これらをクリアできるものとして、同社が目を付けたのがハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品である。福村氏はその理由を「今回のプロジェクトに関しては、単なる基盤更新に留まらず、今後の新たなビジネスにもつなげられるものにしたいとの思いがありました。高い柔軟性とシンプルさを兼ね備えたHCIは、こうした構想を実現していく上で非常に強力な武器となります」と語る。同社では、早速市場に提供されているHCI製品を候補に挙げ、綿密な比較・検討を実施。その結果、新たに採用されたのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHCI製品「HPE SimpliVity 380 Gen 10」(以下、SimpliVity)である。
中村氏は製品選定の決め手を「まず一点目は、アーキテクチャ面での優位性です。SimpliVityは他社HCI製品よりCPUやメモリーなどのリソース消費量が少なく効率的に動作します。また、専用ハードウェア・アクセラレータによる圧縮・重複排除機能が備わっているため、インフラの集約率も高めることができます」と語る。加えて、ハード/ソフトを問わず一元的なサポートが受けられる点も大きかったとのこと。他社HCI製品の中には、HCIを構成するソフトウェアと汎用サーバーを組み合わせたものもあるが、これだと障害発生時に多方面との連携が必要となり迅速な復旧は難しい。その点、SimpliVityであれば、HPEによるワンストップ対応が可能だ。「さらに、充実したバックアップ機能を標準で備えていること、使い慣れたVMware vCenterで運用管理が行えることなども高く評価しました」と中村氏は続ける。
お客様のDXを支援する「imforce」
NTTデータビジネスシステムズの「imforce」は、同社が長年にわたり培った実績とノウハウを結集させた全方位プロフェッショナルサービスである。レガシーシステムを最新Webシステムに刷新する「トランスレーションシリーズ」、最新デジタル技術で最適な業務/プロセスを実現する「インテグレーションシリーズ」、従来のERPに捉われず真の企業価値向上に貢献する「アプリケーションシリーズ」、建設業などの特定業種に特化した「ビジネススイートシリーズ」の4シリーズで、お客様のDXの実現を強力に支援する。
詳しい情報についてはこちら
https://www.nttdata-bizsys.co.jp/imforce/
従来の課題を完全に解消、コストもクラウドの約1/3に
ちなみに同社では、今回のSimpliVity導入をあえて自前で行っている。「まずは自社実践で経験を積み、そこで得られた経験やノウハウをお客様向けソリューションに活かしたい」(中村氏)というのがその理由だ。実際の作業もスムーズに進んだとのこと。中村氏は「やはり考慮すべき部分が少なくて済むというのは大きな長所だと感じましたね。設定項目などもシンプルですし、複雑なストレージ設計を行う必要もありません。最初、HCIは難しいのではと身構えていた部分もありましたが、まったくそんなことはありませんでした」とにこやかに語る。旧環境からの仮想マシン移行では苦労する場面もあったが、インフラそのものの構築は拍子抜けするくらい容易だったという。この結果、SimpliVityによる新開発クラウドは、2019年4月より無事本番稼働を開始している。
導入後のメリットも非常に大きかったとのこと。旧環境では老朽化したサーバーの障害対応に時間を取られることも多かった。また、中には冗長化されていないサーバーもあったため、万一トラブルが発生した場合には、そのサーバー上で行われている開発業務に支障が生じるおそれもあった。しかし、現在では、インフラ環境全体で信頼性・可用性が担保されているため、安心して開発業務に取り組むことができる。「運用管理負荷が下がった点も大きいですね。仮想マシンの台数が以前の2~3倍に増えているにも関わらず、より少ない人員で運用を廻せています。vCenterだけでハードウェアのパフォーマンスやストレージの状態から仮想マシンの状態まで一元管理でき、メンバーがこれまで培った運用スキルをそのまま活かしながら運用の煩雑さを解消できました。プライベートクラウドは運用のわずらわしさとコストが判断ポイントになりますが、仕組みを最適に選択することで維持・運用のしやすさやコスト抑制できた当社の体験をITインフラのソリューションに活用してお客様へ還元したいです」と中村氏は語る。圧縮・重複排除機能の効果も大きく、約1/7程度の容量になった。リソースにも余裕が生まれたため、開発部門が個別にサーバーを調達するようなこともなくなった。コスト削減効果も大きく、主要なパブリッククラウドを利用する場合と比較して約1/3程度の費用に収めることができた。
開発業務用VDIも新たに構築、セキュアなリモート開発が可能に
こうして社内開発クラウドの刷新に無事成功した同社だが、時を置かずまた新たなチャレンジに挑むこととなった。それは開発エンジニア向けVDI(仮想デスクトップ)環境の導入である。NTTデータビジネスシステムズ 第一システム事業本部 ITソリューション事業部 主任 日下祐輔氏は、取り組みの背景を「社内開発クラウドの本番稼働開始後、本社オフィスを別の場所に移転することが決まりました。新型コロナ対応や働き方改革を推進するという観点からも、これを機に開発環境のVDI化を図ることが決定。そのためのインフラをどうするか、検討することになりました」と説明する。
検討の過程では、VDI基盤用のインフラを新たに構築する、あるいはクラウドサービスを利用するなど、様々な手段が模索された。その結果最終的には、社内開発クラウドで大きな成果を上げたSimpliVityをさらに増設し、この中にVDI環境も統合する方法が選ばれた。「社内開発クラウドの利用も活発化し、そろそろリソースの余裕が少なくなり始めていました。どうせ増設を行うのであれば、この中に開発用の仮想PCも統合してしまった方が効率的です。また、自前で環境を管理できるということは、セキュリティやガバナンス強化の面でも有効です」と日下氏は語る。
この決断を受けて、同社では早速SimpliVityの増設作業に着手。当初社内開発クラウド用に導入された3ノードに加えて、新たにVDI基盤用の5ノードを追加。ここではSimpliVityの柔軟なスケーラビリティが大いに役立った。「既に使用している開発環境に影響を与えず、拡張する必要もありましたし、本社オフィス移転の期日が決まっていましたので、それまでに何としても環境構築を終えてしまう必要もありました。その中、約1か月という短期間で増設作業を完了し、既存開発環境の停止もほとんどなく、無事スケジュールに間に合わせることができました。従来型の3Tier構成では、とてもこれほどのスピードは実現できなかったでしょう」と日下氏は語る。
これにより開発エンジニアの働き方も大きく変化。お客様の重要なシステム/データを取り扱う関係上、従来は社内で開発業務を行う必要があった、しかし現在では、自宅などリモートからでもセキュアな形で開発に取り組むことができる。「全社的なテレワークを促進するという面でも、大きな意義がありましたね」と中村氏は語る。
新たなお客様向けソリューションにもHPE SimpliVityを積極的に活用
さらに同社では、この経験を発展させSimpliVityを用いたプライベートクラウドソリューションをお客様に提供している。「当社が開発環境の刷新および本社移転で体験したプライベートクラウドの柔軟性やセキュリティ、ITガバナンスでの大きな効果をより多くのお客様へ提供したいと考えています。また、当社内外の優れたサービス/ソリューションとSimpliVityを組み合わせて、パブリッククラウドに近しい「短期間で導入」を実現しつつ、「仮想化技術を知らなくても直観的で簡単に操作できるインターフェース」を持つソリューションとして提供します。ぜひ当社のソリューションでプライベートクラウドの良さを実感してほしいです」と中村氏は抱負を語る。
また福村氏も「NTTデータグループでは、デジタルワークスペースの提供に力を入れており、クラウド型の『BizXaaS Office』などのサービスもご用意しています。しかし中には、オンプレミスでVDIを構築したいというニーズもあることでしょう。こうした際の選択肢として、SimpliVityは非常に有望だと感じています」と続ける。お客様の企業の生産性向上やDXを強力に後押しするNTTデータビジネスシステムズ。そのサービス/ソリューションを進化させるプロダクトとしても、SimpliVityが活用されていくことになりそうだ。
第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー
今回のHPEサーバーを支える心臓部にはインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを採用。さまざまな種類のワークロードに高い性能を提供し、内蔵のAIアクセラレーションと高度なセキュリティ機能も備え、エッジからクラウドまで最高のパフォーマンスを発揮します。2021年春には第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーに進化。SimpliVityのベースになるDL380にも搭載可能に。最大40コアを提供し、メモリーやI/O帯域幅が強化されています。また、インテル® ディープラーニング・ブースト、インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション512(AVX512)、インテル® スピード・セレクト・テクノロジーといったワークロード・アクセラレーション機能を内蔵し、パフォーマンスやスループットが前世代製品から大きく向上しています。
※ Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Celeron、Celeron Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Ultrabook、Xeon、XeonInside、Intel Xeon Phi は、アメリカ合衆国および /またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。
株式会社NTTデータビジネスシステムズ
(左から)第一システム事業本部 ITソリューション事業部 主任 日下 祐輔 氏/グループマネージャー 福村 隆廣 氏/グループマネージャー 中村 聡 氏
ご導入製品情報
世界最高レベルの効率と耐障害性を備えた、大企業から中小企業まで幅広い企業で利用されているエンタープライズグレードのハイパーコンバージド(HCI)製品であるHPE SimpliVityは、複雑なIT環境をシンプル&コンパクトに統合し、これまでにないシンプルで扱いやすい仮想化基盤を実現します。
本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス
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