デジタル時代の働き方改革を下支えする新たなVDI基盤をHPE SimpliVityで構築



西日本鉄道株式会社 様

 

多様なユーザーニーズに対応した業務環境を実現、圧縮・重複排除機能によるリソース有効活用にも成功


九州を代表する大手私鉄として知られる西日本鉄道株式会社では、働き方改革を下支えするVDI基盤を新たに導入した。育児や介護などを行う社員が在宅でも働ける環境を整備すると同時に、大規模自然災害や今後のデジタル変革への対応を図るのが狙いだ。新VDI基盤の中核には、「HPE SimpliVity Gen10」を採用。多種多様な業務ニーズにもきめ細かく応えられる柔軟なデスクトップ環境を確立することに成功している。

業界

鉄道・運輸

 

目的

自宅や外出先でも会社と同じように業務が行える環境を整備し、全社的な働き方改革や事業継続性強化に向けた取り組みを強力に後押ししていくこと。

 

アプローチ

クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル®Xeon®スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」によるVDI基盤を新たに導入。フルクローン方式を採用することで、幅広いアプリケーションに対応したデスクトップ環境を提供する。

 

ITの効果

• 「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新VDI基盤を実現

• システムを2ノード構成とすることでスモールスタートに成功

• VMware vCenterによる効率的な運用管理を実現

• 圧縮・重複排除機能を活用し、ストレージ容量を約91%削減

 

ビジネスの効果

• 従来のファットクライアントと同様の快適なレスポンスを実現

• 時間や場所を問わない柔軟な働き方に貢献

• 各事業部門やグループ企業の業務にマッチしたデスクトップ環境を提供

• 将来的な利用拡大にもスピーディな対応が可能に

働き方改革を加速すべくVDI基盤の導入に着手


「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」の企業理念の下、鉄道やバスなどの公共交通事業を展開する西日本鉄道。同社を中心とする西鉄グループでは、不動産や流通、国際物流、レジャー・サービス、農業など、幅広い領域にわたるビジネスを展開。地域の社会と経済を牽引する重要な役割を果たし続けている。

その事業活動をICT面から支援しているのが、情報システム部門であるICT戦略部だ。西日本鉄道ICT戦略部 課長 古川 浩平氏は「西鉄グループでは80社を超えるグループ会社を擁するため、ICTに対するニーズも多岐にわたります。そこで、個々の事業に関わるシステムについては、それぞれの強みを活かす形で作り上げると同時に、セキュリティ/ガバナンスに関する方針策定やグループ共通のシステムについては、当部門で全体を統括するようにしています」と説明する。

また、同社では数年前より全社的な働き方改革に取り組んでおり、在宅勤務についても、昨年より試験的に導入を進めている状況であった。少子高齢化や労働人口の減少が進む中、社員がより柔軟に働ける環境を整備することは、企業経営にとっても重要な課題だ。今後、在宅勤務の仕組みが整えば、育児や介護などの事情を抱えた社員も安心して働けるようになる。「これに加えて、当部門としても別の課題意識がありました」と古川氏。それは九州地方でも近年多発している大規模豪雨などへの対応だ。「交通機関が止まり出社できないというケースが現実に増えつつあります。情シス部門としては、こうした事態にもきちんと対応できるようにしておかなくてはなりません」と古川氏は続ける。

さらに、この動きを加速させることになったのが、今回のコロナ禍である。「これまで当社では、USBタイプのシンクライアントを在宅勤務に利用していました。しかしこれは、あくまでも育児や介護などの事情を抱えた社員や、災害などの事情で出社が困難な社員が一時的に利用するためのシステムであり、今回のように本社に勤務している社員の7割が在宅勤務を強いられるような事態までは想定していなかった。その結果、性能面でも使い勝手の面でも、不足が目に付くようになったのです」と古川氏。これにより同社では、本格的なVDI基盤を早急に整備する必要に迫られたのだ。

西日本鉄道株式会社

ICT戦略部
課長
古川 浩平 氏

西日本鉄道株式会社

ICT戦略部
係長
牟田 哲郎 氏

西日本鉄道株式会社

ICT戦略部
係長
井浦 修 氏

インテル® Xeon®
スケーラブル・プロセッサー搭載

スモールスタートが可能なHPE SimpliVityを採用


新VDI基盤向けインフラ製品の選定にあたっては、まず環境がシンプルであることが要件として掲げられた。西日本鉄道ICT戦略部 係長 牟田哲郎氏は「当部門もそれほど人員が多いわけではないので、導入や運用管理に手間が掛かるような製品だと、余分な負担を抱え込むことになります。後々の安定稼働を維持する上でも、できるだけシンプルな製品を導入したいと考えました」と語る。また、西日本鉄道ICT戦略部 係長 井浦 修氏も「加えて、もう一つ重視したポイントは、スモールスタートで導入でき、必要に応じて柔軟に拡張が行えるという点です。当社でもコスト削減は重要なテーマですので、いきなり多額の投資が必要な製品はあまり望ましくありません」と続ける。

もちろん、今後の利用拡大が見込まれるインフラである以上、大量の仮想デスクトップを快適に動作させられる性能・信頼性は大前提である。そして、こうした要件を満たすものとして選ばれたのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル®Xeon®スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」(以下、SimpliVity)であった。「効率的なインフラ環境を実現する上で、HCIの持つシンプルさはやはり大きな魅力です。中でもSimpliVityは、運用管理も使い慣れたVMware vCenterで一元的に行える上に、バックアップなどの機能も最初から標準で備わっています」と牟田氏は語る。また、コスト面においても、SimpliVityには大きなアドバンテージが備わっていた。井浦氏は「他のHCI製品と違って、最小2ノードからシステムを構成できるのも良かったですね。これなら、その時々のニーズに応じて段階的にシステムを拡張したいという方針にも沿った形で導入が進められます」と語る。

製品選定の過程では、他社HCI製品やクラウドサービスと比較・検討も行われた。しかし、圧縮・重複排除などの処理をハードウェアベースで行う先進的なアーキテクチャや、優れたコストパフォーマンスを高く評価。また、重要なデータはやはり社内で管理したいとの方針から、クラウドではなくオンプレミスで環境が構築できるSimpliVityを熟慮の上、選択したとのことだ。

圧縮・重複排除機能を活用しフルクローンでの運用を実現


実際の導入作業も、スムーズに進められたとのこと。「当社側の作業としては、必要なパラメータを埋めるくらいでしたので、特段苦労するような場面はありませんでしたね。従来型の3Tier構成でシステムを構築したのでは、とてもこうはいかなかったでしょう。また、将来的なマイグレーションが容易に行えるという面でも、SimpliVityを選んだ効果は大きいと言えます」と井浦氏は語る。この結果、SimpliVityによる新VDI基盤は、2020年4月より無事本番稼働を開始。ちなみにデスクトップ仮想化ソフトには、「VMware Horizon」が採用されている。

システム構築面の工夫としては、仮想デスクトップの作成にフルクローン方式を採用している点が挙げられる。「VDI基盤を構築する場合には、OSなどの共通部分を複数のユーザーで共有するリンククローン方式を選ぶ企業も多い。しかし、前述の通り、当社では様々な事業部門やグループ会社を抱えており、業務で使用されるアプリケーションもそれぞれ異なっています。リンククローン方式では十分な対応が行えないため、フルクローン方式を選んでいるのです」と牟田氏は説明する。

もっとも、多種多様なアプリケーション環境を柔軟に提供できる反面、フルクローン方式だとストレージ使用量が大幅に増えることになる。特にユーザー数が数百名にも上る大規模環境においては、この点がネックとなるケースも少なくない。その点、SimpliVityには、独自開発のハードウェア・アクセラレータによる高速・高効率なインライン圧縮・重複排除機能が備わっている。これにより、フルクローン方式の運用でも、ストレージ使用量を最小限に抑えることが可能だ。現在は、本格的な利用拡大を見据えて、ICT戦略部門を中心とする約100ユーザー分のVDI基盤を準備しているが、実に約91%もの圧縮・重複排除率を達成している。「導入したリソースを有効に活用できるというのは、コスト削減やICT投資の最適化を進めていく上でも非常に大きい」と古川氏は語る。

さらに、SimpliVityの優れたパフォーマンスも大きく貢献。「処理が非常に高速なので、新しい仮想デスクトップの作成作業も数分程度で行えます。おかげで今後台数がさらに増えていっても、苦労する心配はありません」と牟田氏。また、バックアップについても、SimpliVityの標準バックアップ機能が威力を発揮。大量の仮想デスクトップのバックアップを日次で行っているが、短時間で処理が完了するため普段はまったく意識せずに済むとのこと。「他の製品のように、バックアップシステムを別途構築・運用する必要がないのは大変便利ですね」と井浦氏は満足げに語る。

コロナ禍への対応に大きく貢献デジタル変革への活用も視野に


SimpliVityによる新VDI基盤が稼働したことで、従来の課題は完全に解消。コロナ禍が厳しさを増す状況においても、問題なく業務を継続できる環境を整えることができた。「取り組みを始めた頃には、正直ここまで影響が長引くとは思っていませんでした。それだけに、早めに環境を準備しておけたことは本当に良かった」と古川氏は胸をなでおろす。

新VDI基盤の使い勝手にも、高い評価が寄せられている。「これまで利用していた物理PCと比較しても、全く遜色のないレスポンスが確保できています。旧シンクライアントでは使えるアプリケーションにも制限がありましたが、フルクローン方式を採用したことでこの問題も解決できました。自宅や外出先でも、会社と全く同じ環境で仕事ができるというのは、非常に大きなメリットですね」と牟田氏は語る。

特に好評を博しているのが、オンライン会議のような映像を用いたアプリケーションも快適に利用できるようになった点だ。「在宅勤務での課題の一つに、フェース・トゥ・フェースでのコミュニケーションが減ってしまうことが挙げられます。当社でも、オンライン会議で直接対話したいという要望が非常に増えたものの、旧環境ではなかなか十分な対応が行えませんでした。幸い、新VDI基盤の導入によってこの点もクリアできましたので、社内コミュニケーションの活性化に役立てていければ」と井浦氏は語る。

さらにSimpliVityは、インフラ運用管理の効率化にも寄与。牟田氏は「当社では、以前からVMware vSphereを利用していますので、使い慣れたvCenterだけで運用管理が行えるのは大変便利ですね。製品に特化した運用管理ツールの使い方を新しく習得するとなると、教育コストも嵩みますし運用の属人化も生じがちです。その点、SimpliVityは、今までと操作が全く変わらないので、新しい製品を導入したという実感が沸かないくらいです」とにこやかに語る。今後、利用拡大が進んだ暁には、グループのIT企業に運用を任せることも想定されている。こうした局面においても、SimpliVityならスムーズに運用を引き継ぐことが可能だ。またAIによる予測分析機能を備えた運用監視プラットフォーム「HPE InfoSight」による監視も行われているため、万一の障害時などにもプロアクティブな対応が行える。

加えて、もう一つ見逃せないのが、今後のデジタル変革への活用だ。古川氏は将来に向けた展望を「たとえば当社では、物流関連業務やフィールド業務などで外に出て仕事をする社員も多い。今回のVDI基盤を活用すれば、こうした社員向けの新しいサービスを創出する可能性も見えてきます。我々ICT戦略部には、ウィズコロナ/アフターコロナ時代の業務改革を牽引する役割が強く求められています。その期待にしっかりと応えていきたいと考えていますので、HPEの提案や支援にも大いに期待しています」と述べた。

ご導入企業様

西日本鉄道株式会社 様

 

所在地:福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号

URL:http://www.nishitetsu.co.jp/