教育系サーバー群をHPE SimpliVityで仮想統合
インフラ環境の高信頼化とシンプル化を実現



学校法人奈良大学 様

 

ランニングコスト低減と大幅な省スペース化にも成功

 

学校法人奈良大学(以下、奈良大学)では、学内の研究教育活動を支える教育系サーバーを全面刷新した。個別の物理サーバーで構築されたシステム群を仮想統合し、これからの大学にふさわしい先進的な環境を実現するのが狙いだ。同大学では、この新たな基盤に「HPE SimpliVity 380 Gen10」を採用。インフラの性能・信頼性・拡張性を大幅に強化すると同時に、リソースの有効活用や運用管理の効率化も実現している。

業界

学校

 

目的

個別の物理サーバーで構築された教育系システム群を仮想統合し、インフラ環境の全体最適化やコスト削減、性能・信頼性の改善などを推進していくこと。

 

アプローチ

クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル®Xeon®スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」を新たに採用。大量のサーバー群をコンパクトに集約すると同時に、新たな教育研究ニーズにもスピーディな対応を図る。

 

ITの効果

• 「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新たな教育系サーバー基盤を構築

• 2ノード構成によるスモールスタートを実現

• 圧縮・重複排除機能を利用し、ストレージ 容量を約1/3に削減

• 標準バックアップ機能を活用し、高速なバックアップ/リストアを実現

 

ビジネスの効果

• インフラの信頼性・可用性が向上し、安定的なサービス提供が行えるようになった

• ラックスペースが約1/2、消費電力も約1/4以下に減少しコスト削減に貢献

• 大容量データを利用する教育研究活動にも余裕で対応できる環境を実現

• 運用管理負荷が軽減され、より付加価値の高い業務への注力が可能に

個別の物理サーバーで構築された教育系システム群の仮想統合に挑む

 

東大寺や春日大社、平城京跡など、数多くの歴史遺産を有する古都・奈良。悠久の歴史と文化を背景に、本物を“見る、触れる、聞く、感じる”「生きた学問」の実践に取り組んでいるのが奈良大学だ。文学部、社会学部、通信教育部、及び大学院2研究科を擁する同大学では、1年次から専門教育の勉強に集中できる自由度の高いカリキュラムを採用。附属博物館には貴重な文化財が多数展示されているほか、図書館も全国大学ランキングでトップを獲得するほどの水準を誇る。この恵まれた環境に惹かれて、県外から同大学を目指す学生も少なくない。

「フィールドワークに力を入れているのも、本学の大きな特色です。せっかくこれだけの歴史遺産に囲まれているわけですから、この地の利を活かさない手はありません。大量の書物を抱えて部屋に籠もるという一般的な文学部のイメージとは異なり、どの学科もどんどん現場に出て行きます」と語るのは、文学部 地理学科の木村 圭司 教授。特に地理学科では、他大学に先駆けてGIS(地理情報システム)の活用に取り組むなど、先進ICTの活用も意欲的に進めているという。また、社会学部 総合社会学科の正司 哲朗 准教授も「社会学部でも、企業やNPO法人との連携による社会体験実習を推進しています。総合社会学科では社会調査なども行いますが、その根底にはやはり問題意識が必要です。そこで、実際に社会に飛び込み、様々な課題を肌で感じてもらっているのです」と続ける。

その同大学において、今回実施されたのが、学内の教育研究活動を支える教育系サーバーの仮想統合である。情報処理センターのメンバーにも名を連ねる正司氏は、「元々旧環境では、e-ラーニングサーバーやファイルサーバーなどのシステム群が、それぞれ個別の物理サーバーで構築されていました。このため、障害発生時の原因切り分け作業などが非常に煩雑で、トラブルが解決するまでに一年以上を要したケースもあったほどです」と明かす。また、これ以外にも、サーバーごとに保守契約を結ばなくてはならない、UPS装置もサーバーと同じ数だけ必要であるなど、コスト面でも多くの課題を抱えていた。さらにバックアップについても、リストア作業が短時間で行えない点がネックになっていた。正司氏は「これらの問題を抜本的に解消するためには、インフラ環境全体を最適化し、もっとシンプルな形に改める必要があります。そこで本学でも、教育系システムを構成するサーバー群の仮想統合に踏み切ることにしました」と続ける。

奈良大学

社会学部 総合社会学科
准教授
正司 哲朗 氏

奈良大学

文学部 地理学科
教授
木村 圭司 氏

奈良大学

情報処理センター
参事
吉野 彰一 氏

HPE SimpliVityを新たに採用 「RAID」+「RAIN」で高い信頼性・可用性を確保

 

最近では学内情報基盤のクラウド化を図る動きも進んでいるが、同大学ではセキュリティ的な問題からオンプレミスでの構築を選択。旧環境では、内蔵ファン故障などのハードウェア障害も多かったため、製品選定にあたっては信頼性・可用性の高さが重要な要件として掲げられた。ここでITパートナーである三谷商事から提案されたのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル®Xeon®スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」(以下、SimpliVity)である。同社の紺谷 建志氏は、その理由を「旧環境と同様の3Tier構成で仮想化基盤を構築する方法もありますが、お客様にはやはりこれからの大学にふさわしい環境をご活用頂きたい。その点、SimpliVityであれば、シンプルかつ先進的なインフラが実現できます」と語る。また、SimpliVityにはRAIDに加えて筐体間ミラーリング機能の「RAIN」も実装されているため、ディスク障害/ノード障害の両方からデータを保護することができる。これにより、懸案であった信頼性・可用性の問題も解決することが可能だ。正司氏は「旧サーバーは冗長化が十分ではなかっただけに、HCIを構成する各筐体に同時にデータを書き込むことで、高い信頼性・可用性を担保できるのは非常に安心感が高かったですね」と語る。

SimpliVityの充実した機能も、提案を後押しする大きなポイントとなった。同社の大東 知之氏は「たとえば、SimpliVityは高速なバックアップ/リストア機能を標準で装備していますので、バックアップにまつわる課題も効果的に解消できます。また、専用ハードウェア・アクセラレータによる圧縮・重複排除機能を利用することで、リソースの有効活用も図れます」と語る。加えて、もう一つ見逃せないのが、リーズナブルなコストで先進的なHCI環境を実現できる点だ。「他社HCI製品では3ノード構成が一般的ですが、SimpliVityは2ノードでも環境を構築できます。さらに、今回はストレージサイズの小さいXSモデルを選ぶことで、お客様のコスト負担も最小限に抑えられると考えました」と大東氏は続ける。

同大学でも、こうした提案を高く評価。正司氏は「本学としては、仮想化技術もHCIも今回が初めての導入になります。それだけに、最初は不安もありましたが、三谷商事から詳しい説明を受けて懸念を払拭できました。また、本学では以前からいろいろなHPE製品を導入しており、その品質やサポートにも十分満足しています。そこでSimpliVityの採用を決断しました」と語る。

図1

図2

先進的なインフラを短期間で構築 バックアップ環境も全面刷新

 

実際の導入作業に関しても、スムーズに進められたとのこと。「奈良大学様の学内ネットワークに接続するには、MACアドレスの申請手続きが必要なのですが、それが事前に把握できておらず悩んだ場面もありました。しかし、こうした細かい点を除けば、基盤そのものの構築でつまずくようなことは特になかったですね。従来型の3Tier構成のように、時間を掛けてストレージ設計を行う必要もありませんし、非常に導入しやすい製品という印象でした」と紺谷氏。今回はHPEのインストレーションサービスも活用しているため、現地作業3日という短期間で構築作業を終えられたとのこと。また、奈良大学 情報処理センター 参事 吉野 彰一氏も「MACアドレス申請の件があったことで、おそらくスケジュールにも多少の影響があったはずです。しかし、他に問題となるような点がなかったことから、予定通りの期間でプロジェクトを完遂できました。私自身もずっと構築作業に立ち会っていましたが、新しいサーバーが瞬時に立ち上がるのには感心しましたね」と語る。

ちなみに、旧環境では、Windows Server 2008 R2で構築されていたシステムも存在していたため、今回の仮想統合を機にOSも全て新しいバージョンに入れ直した。また、これと並行して、クライアントPCのOSもWindows 7からWindows 10に移行している。「バックアップに関しても、以前の他社製バックアップソフトウェアから、SimpliVityの標準バックアップ機能に変更しました。従来型の方法であれば、バックアップをストレージのどの領域にどう取るか、どうやったら効率的に取れるかといったことを考えながら、バックアップ設計を行うところです。その点、SimpliVityの場合には、スケジューリングの設定くらいしか手を掛けるところがありませんので、こちらの設計も非常に楽でしたね」と紺谷氏は語る。なお、今回は約10台のサーバーをSimpliVity上に移行しているが、ファイルサーバーについては10世代分、その他のサーバーについては7世代分のバックアップを取得しているとのことだ。

こうして導入されたSimpliVityによる新教育系サーバー基盤は、2019年9月より無事本番稼働を開始。同大学としても、この新基盤に大きな手応えを感じている。「いくら仮想化を行うといっても、これまでと同じような形で環境を構築したのでは、インフラとしての進歩がありません。その点、SimpliVityを提案してもらったことで、高い性能・信頼性と柔軟な拡張性を備えたインフラ環境を実現できました。今回これをやっておいて良かったというのが、率直な感想ですね」と正司氏は満足げに語る。旧環境においては、個々の物理サーバーの障害が、そのまま業務停止に直結するリスクもあった。しかし、前述のRAINによる冗長化が施されたことで、こうした不安も解消。各種の学内システムを安心して活用できる環境が整ったのである。

三谷商事株式会社

情報システム事業部
文教営業部
関西テクニカルソリューション課
紺谷 建志 氏

三谷商事株式会社

情報システム事業部
文教営業部
関西文教課
大東 知之 氏

潤沢なリソースを教育研究にフル活用 事務系業務システムの統合も視野に

 

SimpliVityの導入により、これまで抱えていた課題は完全に解消。「まず性能面では、システムが以前より短時間で起動するなど、物理サーバー時代と同等以上のパフォーマンスを確保できました。また、インフラ環境のシンプル化と高信頼化が図れた点も大きいですね。おかげで以前のように、障害原因の切り分けなどに苦労する心配も無くなりました」と正司氏は語る。加えて、大幅な省スペース化/省電力化も実現。吉野氏は「ラックスペースを従来の約1/2程度に削減できたほか、消費電力も3000VAから800VAへと、1/4近くにまで減っています。電気代は毎月掛かるものですから、ランニングコストの低減にも大いに役立っていますね」と語る。

さらに、もう一つ見逃せないのが、圧縮・重複排除機能の効果である。現在では、サーバーが使用する容量をオリジナルの約1/3程度にまで削減。バックアップデータまで含めると、実に約1/30もの容量削減効果が得られている。「本学における実測値ですから、他の大学でも大いに参考にして頂けるのでは」と吉野氏は語る。以前の環境では、容量の大きいe-ラーニングシステムだけ、専用のバックアップシステムを用意していたという。しかし、そちらも容量が一杯になってしまい、動作が不安定になるなど様々なトラブルを抱えていた。「SimpliVityの圧縮・重複排除機能を利用することで、こうした問題を解決できたことも大きなメリットですね」と正司氏は語る。

インフラのリソースに余裕が生まれたことで、今後の研究教育活動にも大きな弾みが付くことが期待されている。木村氏は「たとえば地理学科では、GISの地図情報やリモートセンシングデータなど、大量の大容量データを普段から頻繁に利用します。大学の共通基盤にはとても入りきらないので、従来は学科で別にサーバーを立てて運用を行 っていました。しかし、こうしたものも基盤側に収容してもらえるとなれば、学科で独自にサーバーを持つ必要がなくなり、研究教育活動だけに専念できます」と語る。加えて、学生用のファイルサーバー領域なども、これまでより拡大することが可能に。もちろん新たな学内向けサービスなども、迅速に立ち上げることが可能だ。

「今回のプロジェクトを通して、SimpliVityが大学や教育研究機関の課題解決にも最適の製品であることが実感できました。文教分野における当社のノウハウと組み合わせ、今後も積極的な提案を行っていきたいですね」と大東氏は語る。奈良大学でも、情報インフラの最適化をさらに追求していく考えだ。将来に向けた展望を「現在回線帯域の増強を進めていますので、今後はクラウドの活用も容易になります。しかし、セキュリティなどの問題も考えると、しっかりとしたオンプレミスの基盤があることは非常に重要です。学内には、研究用インフラ、他の学内基盤システムなども多数稼働していますので、今後はこうしたものの集約も進めていきたい」と語る正司氏。SimpliVityが活用されるシーンも、ますます拡がっていきそうだ。

ご導入企業様

学校法人奈良大学 様

 

所在地:奈良県奈良市山陵町1500

URL:http://www.nara-u.ac.jp/