良品計画が、「働き方リノベーション」の ITパートナーにHPE Pointnextを指名し全社コミュニケーション基盤を構築



株式会社良品計画 様

 

HPE Pointnextが、生産性の高い働き方のコンサルティングからOffice 365とIceWallによる認証連携基盤導入・運用までを実施

 

"HPE Pointnextが、コミュニケーション基盤の効果測定や利活用促進までを支援してくれているのは非常に心強いですね"

―株式会社良品計画
 人事総務部
 総務課長
 髙梨 哲 氏

「働き方リノベーション」を推進する良品計画が、全社共通のコミュニケーション基盤を新たに構築した。社員全員が自ら働き方を考え、働き方を改善していくことを目指した戦略的な環境整備である。本プロジェクトでは、HPE Pointnextのコンサルティングチームが「働き方」における課題を洗い出し、「あるべき姿」の策定とIT機能要件への落とし込みを起点に、Microsoft Office 365の導入と利活用促進、認証連携システムの構築までを全面的に支援した。

 

業界

流通

 

目的

全社で推進する「働き方リノベーション」の一環としての全社コミュニケーション環境の改善。これまでの働き方を見直し、従業員一人ひとりの生産性を高めるとともに情報活用の高度化を図る。

 

アプローチ

業務の中に潜むムダや非効率を洗い出し、全体最適化の視点からコミュニケーション基盤を刷新。スピード感のある連絡や情報共有、より創造的なコラボレーションが可能な環境を実現する。

 

ITの効果

・ Office 365をベースに「働き方リノベーション」を支える全社共通コミュニケーション基盤を実現

・IceWallにより使い慣れたIDを使用してOffice 365にログインできる認証連携(フェデレーション)を実装

・在席確認、チャット、Skype会議などの新しいコミュニケーション環境を利用可能に

・HPE Pointnextがユーザー教育、フォローアップ研修などを提供しスムーズな利用を支援

 

ビジネスの効果

・HPE Pointnextが「あるべき働き方」の策定を支援し、合意形成とスムーズなプロジェクト運営に貢献

・業務の目的を明確化するとともに、現状の課題と照らして「ITで解決可能な要件」への落とし込みを支援

・認証連携やサポートデスクなど、ユーザーがOffice 365を快適に利用可能な環境を整備

・Office 365導入後の効果測定を実施し新環境の利活用を効果的に促進

チャレンジ

オフィスのリノベーションを機に「働き方リノベーション」に着手

 

生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくる――衣料品、生活用品、家具やインテリアなど、「無印良品」ブランドのシンプルで美しい商品は、長年にわたり多くの人々を魅了し支持を拡大させている。良品計画が提案する「感じ良いくらし」は、働く場としての「感じ良いオフィス」、従業員が実感する「感じ良い働き方」に支えられているという。

「本社ビルに入居して二十数年。新しい事業を次々と立ち上げ、常に走りながら組織を成長させてきました。がむしゃらに突っ走ってきた、というのが正直なところです。気づいたとき、古くなった私たちの本社オフィスは、私たちが提案する『感じ良いくらし』とかけ離れたものになっていました」と話すのは、人事総務部 総務課長の髙梨哲氏である。

良品計画は、2016年2月から11月にかけて本社の『オフィスリノベーション』を実施した。プロジェク トをリードした髙梨氏は、「多くのヒアリングを繰り返し、良品計画らしい、働きやすいオフィス像を描き具体化していきました」と振り返る。

「しかし、オフィス空間やデスクが新しくなっても、肝心の働き方は大きくは変わらなかったのです。働く人たちが自ら働き方を考え、働き方を改善し続けていける環境づくりこそ、リノベーションで目指すべきものと気づきました」(髙梨氏)

同時期に情報システム部門では、社員の利便性や生産性を高めるためのIT環境がどうあるべきかを模索していた。

「事業が拡大して多くの社員が様々な環境で働くようになる中、社内外のコミュニケーションをITで支援する重要性が高まっています。すでに導入しているモバイルデバイスをもっと上手に活用したいという思いもありました。しかし、ビジネスの成長とともに走りながら整備してきたIT環境は、役割ごとにサイロ化していて柔軟な連携が難しかったのです」と話すのは、情報システム担当インフラストラクチャー課長 安田俊治氏である。

こうした課題認識が重なり、人事総務部門と情報システム部門が連携して「働き方リノベーション」に取り組むことになった。良品計画の「全社共通コミュニケーション基盤」の構築に向けて、プロジェクトが動き出したのは2016年5月である。これを全面的に支援したのが、モビリティソリューションと認証テクノロジーに精通したHPE Pointnextのコンサルティングチームである。

「ファシリティ中心に進めてきたオフィスリノベーションを、『働き方リノベーション』というステージに引き上げるために、HPEの知識と技術力を借りることにしたのです」(髙梨氏)

株式会社良品計画

人事総務部
総務課長
髙梨 哲 氏

株式会社良品計画

情報システム担当
インフラストラクチャー
課長
安田 俊治 氏

ソリューション

良品計画らしい働き方を「あるべき姿」として描く

 

HPE Pointnextは、企業のデジタルトランスフォーメーションをトータルに支援するサービス組織だ。世界80カ国で2万5,000人を超えるITプロフェッショナルが、豊富な実績とナレッジに基づくコンサルティング、構築サービス、運用保守サービスをトータルに提供している。髙梨氏らはリサーチの一環として、日本ヒューレット・パッ カード大島本社の「オフィスツアー」に参加していた。これがHPE Pointnextコンサルティングチームとの縁につながったという。

「日本ヒューレット・パッカードが『場所を選ばない働き方』への取り組みを始めたのは2002年頃です。フリーアドレス制を導入し、モバイルデバイスや無線LANの活用を促進し、在宅勤務やリモートワークを支える制度づくりを進めました。『環境・ツール・ルール』に三位一体で取り組むことの重要性を、身をもって体験したのです。オフィスツアーでは、ファシリティやツールだけでなく私たちが実体験から得たノウハウもご紹介しています」とHPE Pointnextでプリセールスを勤める渡辺基子氏は話す。

HPE Pointnextでは、顧客案件や自社の経験に基づく「あるべき情報共有のToBe像策定フレームワーク」を整備している。これをベースに総務・人事・営業などの業務部門へ実業務のヒアリングを行い、課題の抽出・整理を進めていった。HPE Pointnextのコンサルタントであり、本プロジェクトのプロジェクトマネージャーを務める森田智彦氏は次のように話す。

「アセスメントを経て、感じよい働き方、良品計画らしい働き方を『あるべき姿』として描きました。そして、ワークショップを通じてプロジェクト内の合意を図りながら、描かれた構想を計画へ、課題抽出からより具体的なIT施策へと落とし込んでいったのです」

HPE Pointnextから良品計画へ、「あるべき姿」が示されたのは2016年3月のことだ。

「オフィス、外出先、自宅と場所を選ばず仕事ができるためのツールやルールが描かれていましたが、特に印象的だったのはワーキングマザーの実例でした。それを見て、良品計画として目指すべき働き方の将来像はこれだと、非常に納得感の高い内容でした」(髙梨氏)

利便性、生産性、セキュリティを変えるコミュニケーションツールの刷新

 

HPE Pointnextが解決すべき課題として掲げたテーマは、①業務効率の改善 ②情報活用の高度化 ③セキュリティへの対応の3つである。森田 氏は、PCとモバイルデバイスから利用できるコミュニケーション / コラボレーション環境としてMicrosoft Office 365を、ユーザーがオンプレミスの業務システムとクラウドサービスをシームレスに行き来できる仕組みとしてIceWall SSOを提案し、これが全面的に採用された。

「Office 365は、メール環境とスケジュール管理を統合するとともに、プレゼンス(在席確認)やメッセンジャー(チャット)、オンライン会議などの新しいコミュニケーション機能を活用できることが、『業務効率の改善』に寄与すると考えました」(森田氏)

森田氏は、複数の業務部門にヒアリングする過程で、「会議召集」や「在席確認」に手間がかかる現状を実際に見聞きしていたという。業務の中に潜むムダや非効率を洗い出し、スピード感のある連絡や情報共有と、より創造的なコラボレーションが可能になる環境を目指した。

「会議召集では、関係者の予定を確認し、日時を調整し、会議室を確保する流れなのですが、スケジューラー、メーラー、会議予約システムという3つのツールを使わなければなりませんでした。また、内線電話の取次ぎが頻発しており、相手が不在の場合には何度もムダなやり取りが発生していました。これらのコミュニケーションロスは Office 365によりシンプルに解決できます」(森田氏)

また、「情報活用の高度化」という観点では、コラボレーションの促進とチームでの生産性向上への貢献が期待される。

「リモートワークを推進していくうえで、場所や時間を選ばずリアルタイムでコミュニケーションできることは欠かせない要素です。従来は専用設備の必要なテレビ会議システムを主に海外拠点とのやり取りに利用してきましたが、オンライン会議が誰でも使える身近なものになればコラボレーションの形も変わるはずです」と安田氏は期待を示す。

認証連携にIceWall SSOを採用し オンプレミスとクラウドをシームレスに活用

 

Office 365とともに「働き方リノベーション」をセキュリティ面から支えるインフラとして、日本ヒューレット・パッカードが開発・提供するシングルサインオン製品「IceWall SSO(Windows版)」が採用された。IceWall SSOは、1997年の登場以来4,000万以上のユーザーライセンスを販売し、国内シェアは半数以上*と他を大きく引き離す。Office 365やG Suiteなど、代表的なSaaSとの認証連携(フェデレーション)を「接続保証」しているため安心かつ迅速な導入が可能だ。

「既存の業務システムを利用するためのアカウントで、そのままOffice 365を利用できるよう認証連携の仕組みを実装しました。さらに、IceWall SSOの活用範囲をひろげて、マーチャンダイジングや物流などの業務系システム、社内ポータル、Office 365での統合Windows認証に対応したシングルサインオンを提案しました」(森田氏)

IceWall SSOは、認証連携というひとつの要件だけでなく、その先の利便性までを見据えたHPE Pointnextならではのソリューションとなった。

「Windows環境にログインすれば、ユーザーはオンプレミスとクラウドを意識することなく、様々なアプリケーションを自由に利用できるようになりました。ユーザーの利便性向上に大きく寄与したと考えています。今後は、オンラインストレージ や経費精算など他のクラウドサービスにも IceWall SSOを適用していく考えです」(安田氏)

IceWall SSOは、同時期に立ち上げられた「ID 統合プロジェクト」の要求にも応えることにもなった。

「ユーザーが利便性をすぐに実感できるシングルサインオンの先行導入が完了しました。現在取り組んでいる『ID統合管理システム』の構築が完了した時点で、IceWall SSOと連携させる考えです。理想的な統合認証基盤の構築に向けたシナリオを描くことができました」と安田氏は話す。

2017年9月から始まった「デバイス統合管理プロジェクト」では、IceWa l l SSOとVMware Workspace ONEを連携させて、デバイスごと、接続場所ごと、アプリケーションごとのアクセス制御を実現している。今後ID管理が統合されることで、ロールや権限ごとのよりきめ細やかなアクセス制御が可能になる。

*Webシングルサインオンパッケージ 市場シェア 2016 年度(実績/出荷金額ベース)No1 日本ヒューレット・パッカード:52.5% 出典:ミック経済研究所「個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場の現状と将来展望2017年度版」

日本ヒューレット・パッカード株式会社

Pointnext事業統括
製造・流通サービス事業本部
第二サービス本部 第三部
プロジェクトマネージャー
森田 智彦 氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社

Pointnext事業統括
製造・流通サービス事業本部
第二サービス本部 第三部
付 思宇 氏

ベネフィット

コミュニケーション基盤の効果測定から利活用促進までをしっかりとサポート

 

HPE Pointnextが支援した全社コミュニケーション基盤の整備は、良品計画の「働き方リノベーション」に着実に寄与しつつある。だが、「本当に使いこなしていくのはこれから」と髙梨氏は言う。

「良品計画には、新しいものを追いかけるのではなく、あるものを徹底的に使おうという文化があります。新しい働き方や、新しいインフラへの移行に抵抗感を持っている人は少なくありません。HPE Pointnextが、コミュニケーション基盤の 効果測定や利活用促進までを支援してくれているのは非常に心強いですね」(髙梨氏)

PMO(Project Management Office)の中心メンバーとして、幅広い活動を行っているHPE Pointnextの付思宇氏は次のように話す。

「在席確認やチャット、オンライン会議などの新しい機能を提供するSkype for Business Online の利活用促進に力を入れています。ユーザー教育やサポートデスクをはじめ様々なサービスを提供していますが、利用方法を紹介したスクリーン セーバーを配布したり、エレベーター内にポスターを掲出するなどの地道な施策と、フォローアップ研修をタイミングよく実施するのが効果的です。チャットボットを活用した会議室予約など、便利な使い方も次々と提案していきます」

ツールごとの利用率、ユーザーごとの利用時間などは週次でレポートされ、啓蒙施策や教育プログラムの改善に活かされているという。

良品計画の「働き方リノベーション」は、インフラだけでなく制度面でも大きな進展を見せている。2017年には個人所有のスマートフォンから Office 365をセキュアに使えるようになり、2018年からはテレワークを全社制度としてスタートさせた。

「2020年までに、23カ国の海外拠点でも本部同様のコミュニケーション基盤を利用可能にする考えです」と安田氏は言う。

最後に髙梨氏は次のように話して締めくくった。

「自分たちで発想し、自分たちでかたちにする ──良品計画には、もともとそうした風土があります。社員全員が自ら働き方を考え、働き方を改 善していくためにこのコミュニケーション基盤を使いこなすようになったとき、『働き方リノベーション』は数段上のステージに上がることができるはずです。ここまで親身にサポートしてくれたHPE Pointnextに感謝するとともに、今後のご支援にも大いに期待しています」

ご導入企業様

株式会社良品計画 様


所在地:東京都豊島区東池袋4-26-3

URL:http://ryohin-keikaku.jp/