お客様導入事例

株式会社ピー・エム・シー 様

車番認識システムの進化と新たなビジネス価値の創造

株式会社ピー・エム・シー 様

所在地:東京都品川区南品川2丁目2−7南品川Jビル7F
URL:https://www.vehiclevision.jp/

ピー・エム・シーが、全国1,000以上の顧客に提供するナンバープレート認識システム「Vehicle Vision」に、HPE OEMソリューションを採用しクラウド型管理の検証も開始

株式会社ピー・エム・シーが展開する「Vehicle Vision(ヴィークルヴィジョン)」が好調だ。クルマのナンバープレートを自動認識し、瞬時に顧客情報と結びつけてサービス向上に役立てられる本システムは、顧客体験を重視するカーディーラーや小売店を中心に全国で支持を拡大している。高い信頼性と長期保証が求められる本環境のエッジサーバーにはHPE OEMソリューションで提供されるクラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiant サーバーが採用され、クラウドベースのサーバー管理サービスHPE GreenLake for Compute Ops Managementの検証も始まった。「画像認識テクノロジー×エッジコンピューティング」の最新事例を紹介する。

業界

情報サービス

 

ビジョン

画像認識技術と顧客管理アプリケーションを統合した「車番認識システム」の開発・提供を通じて、新しい顧客価値の創造、新しいビジネス領域の開拓を目指す

 

戦略

顧客対応の最前線で、画像解析および顧客情報との照合・共有などの処理をリアルタイムで行うために、高性能・高信頼のエッジサーバーを活用する

 

成果

• HPE OEMソリューションの採用により、Vehicle Visionシステムの信頼性と安定性を向上

• 長期供給サーバー(5年以上継続販売モデル)が選択でき、より安定的に稼働できるエッジサーバー環境を実現可能に

• 全国数百拠点に展開するエッジサーバー監視へのHPE GreenLake for Compute Ops Managementの採用に向けて検証を開始し、プロアクティブなサーバー管理を目指す


国内1,000拠点以上で活用されるナンバープレート認識システム

 

「◎◎様、いらっしゃいませ。試乗をご予約ですね」――カーディーラーを訪ねたとき、出迎えたスタッフのあまりにもスムーズな応対に驚かされた体験はないだろうか。ピー・エム・シーが開発・提供するナンバープレート認識システム「Vehicle Vision」は、来場者のクルマのナンバープレートを自動認識し、氏名や来店目的といった情報と瞬時に結びつけてスタッフに共有することで、このような快適なサービスと顧客体験を実現する。同社 ITソリューション事業部 事業部長の重崎光輝氏は次のように話す。

「Vehicle Visionは、ワンランク上のおもてなしを指向するカーディーラー様を中心に支持をいただき、全国での導入拠点数が1,000を超えるまでに成長しました。ナンバー認識機能、来店顧客管理機能、顧客分析・集計機能を統合したシステムとして、お客様対応の最前線でカーディーラー様の業務を支え、お客様とカーディーラー様のより良い関係づくりに貢献しています」

夕刻や夜間などの悪条件下でも高精度なナンバープレート認識が可能なことが、Vehicle Visionのシステムとしての優位性のひとつだ。さらに、カーディーラーの業務課題やニーズを正確に捉えて、来店顧客管理を支えるアプリケーションを作り込んできたことがVehicle Visionへの大きな支持に結びついている。

「カメラ、赤外線投光器、画像解析エンジン各メーカーとの共同開発体制、そして、カーディーラー様のご要望を速やかにアプリケーションに反映できる自社開発体制が私たちの強みです。お客様の現場で実際に使われる状況下で、いかにナンバー認識の実効性能を高めるか、いかに接客品質と業務効率の向上に貢献するかにこだわって、Vehicle Visionの性能と機能を作り込んでいます」と語るのは、同社 ITソリューション事業部 システム開発課 係長の大塚功貴氏である。

ピー・エム・シーでは、Vehicle Visionの標準プラットフォームとして長年にわたりHPE ProLiantサーバーを採用してきたが、新たにHPE OEMソリューションの導入を決定した。Vehicle Visionの「成長の第2ステージ」に向けた戦略的なインフラ強化である。

画像解析をエッジで行うことで、優れたレスポンスを実現

 

Vehicle Visionの基本システムは、カーディーラーの出入口に設置されたカメラ、受付や事務所でスタッフが参照するモニター、Vehicle Visionのアプリケーションが稼働するサーバーから構成される。

「来店車両のナンバーが認識されると、モニターやインカムを通じてスタッフに瞬時にお客様の来店を通知し、同時にシステムに登録されている情報を共有します。これにより、店舗スタッフはお客様の名前や来店目的などを把握した状態でお出迎えができるわけです。モニターに示されたショールームのフロアマップでは、お客様の着席位置や滞在時間などを一覧することができ、ステータスに合ったおもてなしが可能です」(重崎氏)

「ナンバー認識=画像解析」が、一連のプロセスの起点になっていることに注目したい。Vehicle Visionアプリケーションの初動では、来店車両のナンバープレートを検知して、正確かつ高速にナンバーを読み取り、顧客データベースと照合して顧客の特定までを瞬時に行う必要がある。

「Vehicle Visionは、ナンバーの検知から店内モニターへのお客様情報の表示までをリアルタイムで行います。優れたレスポンスを実現するためにはオンプレミスの『エッジサーバー』が不可欠でした。HPE ProLiantサーバーは、これまで様々なお客様環境がある中で安定的なサービス提供を支え、その優れた信頼性を実証してきました。お客様の要件に応じてモデルや仕様を柔軟に選定・構成でき、短期間で保守部品を入手可能なことも大きな魅力です。HPE OEMソリューションの採用により、私たちは更なるメリットが得られるものと期待しています」と大塚氏は話す。

システム製品の完成度を高める、OEMならではの保証制度

 

HPE OEMソリューションは、「自社製ソリューションにクラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiantサーバーを組み込んで提供」するパートナー企業向けに用意されたプログラムだ。ピー・エム・シーのVehicle Visionは、複数のハードウェア/ソフトウェアからなるシステム製品であり、サーバーはコンポーネントのひとつと位置づけられる。

「大手カーディーラー様などでは、複数年計画でVehicle Visionを複数の店舗に導入されるケースが珍しくありません。その際に求められる要件が『同一仕様のシステム』です。HPE OEMソリューションでは、5年以上にわたり同型のサーバー製品が供給されるとともに、充実した技術情報が提供されるため、安心してVehicle Visionのシステムを構成することができます」と重崎氏は話す。

HPE OEMソリューション専用サーバーには「5年間の標準保証」が付帯しており、ユーザー企業の要求に沿って「8年以上の長期保守」にも応えてきた実績もある。

「Vehicle Visionの基本契約は5年ですから、5年間無償でハードウェア保守が受けられるのは有難いですね。また、近年はサーバーラックを備えるカーディーラー様が増えてきましたが、ラックマウント型サーバーを設置できる店舗は限られています。タワー型サーバーであれば受付や事務所など様々な環境に対応できます」(大塚氏)

5年以上の長期供給モデルの提供、5年間の標準保証、自社ブランドのベゼルカスタマイズ、年間販売量に応じたOEM価格の提供、OEMパートナー向け技術情報の提供など――HPE OEMソリューションの優れた特徴は、Vehicle Visionのサービスをより高信頼に進化させていくだろう。

「HPEにはもうひとつ大きな期待があります。HPE GreenLake for Compute Ops Managementによる多拠点サーバーのリモート管理です」(大塚氏)

更なるビジネス成長を見据えて、メンテナンスフリーのインフラへ

 

HPE GreenLake for Compute Ops Management(COM)は、2022年末に登場したHPE ProLiant Gen10サーバー以降で利用できる新時代のサーバー管理サービスだ。サーバーへのアクセス、監視、保守のためのクラウドネイティブな管理コンソールを通じて、データセンターからエッジまで、多拠点あるいは大規模に展開するサーバーの管理を直感的に行える。

「Vehicle Visionアプリケーションの稼働状況や負荷状況をリモートで監視する専用ツールを独自に開発して運用してきましたが、ハードウェアの不調やリソース不足などをリアルタイムで把握することは困難でした。COMは、全国で稼働する数百台のHPE ProLiantサーバーを一元的に管理し、何らかの不具合が発生したときにこれをHPEサポートへ自動通報してくれます。コンソールでは、どの拠点のどのサーバーのどのデバイスに問題があるのかを即座に把握できます。原因が特定できた状態で保守対応を行えますので、より迅速な復旧が可能になるでしょう」と大塚氏は話す。

SaaSとして利用できるCOMは、HPE ProLiantサーバーが内蔵する管理チップHPE Integrated Lights-Out(iLO)5または6とHPEのクラウドサービスをダイレクトに接続するため、「管理サーバー不要」で監視・運用・保守の様々な機能を利用できる。

「多拠点に展開するサーバーのファームウェア更新を一斉に行えることも大きなメリットです。さらにCOMでは、将来的にAIベースの障害予兆検知・分析機能が実装されます。これを利用すれば、ハードディスクやメモリなどのデバイスエラーといったVehicle Visionのサービスに影響する可能性のある障害予兆を検知して、問題が顕在化する前に対処できるようになります。カーディーラー様の業務を支える『止められないシステム』の信頼性をさらに向上させることが、COMに対する大きな期待です」(大塚氏)

COMの本格活用が始まると「予兆検知」⇒「自動通報」⇒「HPEによるオンサイト保守」が連携する障害対応フローが完成する。そして、全国数百台規模のサーバー運用は「メンテナンスフリー」へと大きく近づく。

「COMによるメンテナンスや障害対応などの工数削減効果は、エンジニア1人分のリソースに匹敵すると試算しています。私たちは、Vehicle Visionアプリケーションの機能や品質の向上、安定稼働のための施策にいっそう注力できるようになると期待しています」(大塚氏)

更なるビジネス成長を支える戦略的なインフラ強化

 

Vehicle Visionのナンバープレート認識技術は、カーディーラーでの実績を起点に、小売店やマンション駐車場での入退場管理、工事の入場車両通知、交通量調査、マーケティング分析など様々な領域で活用が進んでいる。大塚氏は次のように構想を語る。

「画像認識技術の応用をさらに拡大し、顔認識や歩容認識を採り入れたシステムの開発にも取り組んでいきたいと考えています。Vehicle(車両)という殻を突き破るような、画像認識と様々なお客様課題・ニーズと結びつける新サービスの開発に挑戦します。HPE GreenLakeのas a Serviceモデル(月額・従量制)を採用し、お客様にシステムを資産所有していただく必要なく、クラウドライクなサービス利用モデルでの提供を目指します」

全国数百拠点で稼働するサーバーは、サポート終了に合わせて順次置き換えられる計画だ。COMの検証も着実に進んでいる。重崎氏は次のように結んだ。

「HPE OEMソリューションの採用とCOMの検証は、Vehicle Visionビジネスの更なる成長を支える戦略的なインフラ強化と位置づけられるものです。エッジサーバーとクラウド管理の組み合わせは、非常に合理性の高い選択になると考えています。日本ヒューレット・パッカードには、導入に際して私たちのビジネス目標や課題を理解してもらいながら、様々なアドバイスを受けることができました。これからも、私たちのビジネス成長を支えるテクノロジーと製品を提供してもらえることを期待します」

(写真左より)

株式会社ピー・エム・シー ITソリューション事業部 システム開発課 係長 大塚 功貴 氏 / 株式会社ピー・エム・シー ITソリューション事業部 事業部長 重崎 光輝 氏


ご導入製品情報

HPE OEMソリューション

HPE OEMソリューションとのパートナーシップにより、お客様はその能力を増大させ、適用範囲を拡張することができます。当社の世界クラスのITソリューション、サービス、スペシャリストおよびサプライチェーンは、成長のための強力な構造を構築します。HPE OEMソリューションを味方につけると、新しい機会を加速し、顧客の進化する要求へ迅速に対応することができます。

HPE GreenLake for Compute Ops Management

エッジからデータセンターまで、あらゆる環境のHPE ProLiantサーバーをクラウドから一元管理する新世代のマネジメントサービスです。サーバーへのアクセス、監視、保守のためのクラウドネイティブな管理コンソールを提供し、多拠点あるいは大規模に展開するサーバーの管理を容易にします。

HPE ProLiantサーバー

HPE ProLiantサーバーは、ハイブリッド環境向けに設計されたサーバーで、クラウド運用エクスペリエンス、組み込みのセキュリティで信頼できる「世界標準の安心サーバー」です。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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