デジタルハイブリッドを加速させる、サービス基盤のas a service化

トッパン・フォームズ株式会社 様

所在地:東京都港区東新橋1-7-3
URL:https://www.toppan-f.co.jp/

トッパンフォームズがHPE GreenLakeを採用し、HPE ProLiant Gen10サーバー、HPE Primeraストレージによるデータ・プリント・サービス(DPS)の統合仮想化基盤を構築

トッパンフォームズが、主力事業である「データ・プリント・サービス(DPS)」を支える中核システムの統合化を進めている。クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiant Gen10サーバーHPE Primeraストレージを採用する新しいサービス基盤は、HPE GreenLakeによる「as a serviceモデル(月額・従量制/定額制)」で導入された。「デジタルハイブリッド」を掲げてビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業の成長を加速させる同社にとって、顧客要求に柔軟かつ俊敏に応える新システムの整備は極めて重要な意味を持つ。HPE製品とHPE GreenLakeに精通した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、本プロジェクトを一貫してサポートした。

業種

製造

 

ビジョン

「デジタルハイブリッド」に基づくビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業の成長、その中心となるデータ・プリント・サービス(DPS)の強化

 

戦略

オンプレミス環境をas a serviceモデル(月額・従量制/定額制)で導入し、自社のセキュリティポリシーを遵守しながらパブリッククラウドと同等の柔軟性と俊敏性を実現する

 

成果

• HPE ProLiant Gen10サーバーとHPE Primeraストレージにより高性能かつ高信頼な統合基盤を整備

• HPE InfoSightによりDPSサービス基盤全体の予兆検知と稼働状況のモニタリングを実現

• HPE GreenLakeによりシステムの月額・従量制/定額制での導入とオンデマンドのリソース割り当てを実現

• HPE Pointnext Complete Careによりプロアクティブな保守体制を整備


デジタルハイブリッドによる成長戦略を加速

 

トッパンフォームズが、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)領域における存在感を高めている。「情報」を起点に様々な媒体とデジタル技術を融合。「デジタルハイブリッド」を具現化した付加価値の高いサービスを次々と開発・提供し、幅広い顧客層から支持を獲得している。中でも、「情報の器」とも言えるビジネスフォームを基盤とするソリューションが最大の強みだ。同社 情報システム本部 システム技術部長の秋山高寛氏は次のように話す。

「私たちの主力ビジネスのひとつ『データ・プリント・サービス(DPS)』は、お客様からデータを預かり、編集から印字、封入、ダイレクトメールの発送までをトータルに提供するアウトソーシングサービスとして長い歴史があります。クレジットカードや公共料金などの利用明細書が典型的なもので、個人ごとの明細やカスタマイズされたお知らせをイメージプリントし、メール配信や専用Web向けのPDFとしても提供しています。DPSは、トッパンフォームズの中核事業の一つであるインフォメーション・プロセス事業の売上の約半分を占める主力サービスに成長しています」

1994年にサービスを開始したDPSは、多様化する顧客要求に応えながら進化し、「CloudDM」「CXリサーチサービス」「WebBureau」「デジタルハイブリッド帳票ソリューション」など、様々な形でBPOサービスのポートフォリオを拡充させてきた。

「DPSは、情報を起点として様々な媒体とデジタル技術が融合する『デジタルハイブリッド』を象徴するサービスのひとつです。お客様からお預かりした情報を安全かつ適切に扱い、最適な形でサービス提供する技術とノウハウは、私たちが長年にわたり培ってきた最大の強みであると考えています」(秋山氏)

DPSを支えるサービス基盤は、厳格な情報セキュリティが確保された「トッパングループデータセンター」に整備されている。2021年、トッパンフォームズは、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiant Gen10サーバーとHPE Primeraストレージを採用しDPSのサービス基盤を最新化した。注目すべきは、HPE GreenLakeによる「as a serviceモデル(月額・従量制/定額制)」での導入である。

新しいDPSサービス基盤にHPE GreenLakeを採用

 

HPE GreenLakeは、プラットフォーム、ソフトウェア、各種サービスを費用化して「月額・従量制/定額制」で利用可能にする画期的なサービスとして世界中で支持を拡大している。オンプレミスとクラウド環境全体の監視・運用・保守を、HPEのエキスパートチームに任せられることも人気の理由だ。

「DPSサービス基盤は、特定のお客様が占有するシステムや複数のお客様向けの汎用システムなど、多数のシステムで構成されています。氏名・住所・メールアドレスなどの個人情報を扱う環境で、お客様ごとのセキュリティ要件に応えてきた結果、システムのサイロ化が課題になってきました」と情報システム本部 システム技術部 第三グループの佐藤輝久氏は話す。

独立した数10システムから構成されるDPSサービス基盤では、監視や運用負荷の増大、システム単位で発生する余剰リソース、多発するシステム更新、といった問題が顕在化していた。

「中でも、お客様からの急なインフラ増強の要請に応えられない、という問題は深刻でした。要求があるごとに見積依頼、社内承認、調達、システム構築といった手続きを経ていては、対応のスピードを高めることは困難です。システム数の増大に歯止めをかけ、運用負荷を軽減し、ビジネスアジリティを高めるために、抜本的な見直しに着手しました」(佐藤氏)

2021年7月、トッパンフォームズが直面していた課題に対し、解決策としてHPE GreenLakeを提案したのは伊藤忠テクノソリューションズである。HPEの幅広い製品・サービスに精通する同社エンタープライズ事業グループの松本一成氏は次のように話す。

「サイロ化した環境の課題解決には、統合化・共通基盤化が有効なことは明らかです。新しいDPSサービス基盤では、お客様ごとのセキュリティ要件に応えつつ合理的な統合環境を整備するために、HPE GreenLakeを活用しました。まず、優れたマルチテナンシーを実現するHPE Primeraストレージをベースに、物理サーバーと仮想サーバー環境を組み合わせた統合システムを構築します。これをひとつのリソースプールと見立てて、サイロ化していたシステムを順次統合していきます」

システムの統合によってリソースの重複は解消され、システム構成と運用はシンプルになり、リソースプールから切り出す形で必要な時にシステムを増強できる。ここにHPE GreenLakeのメリットが加わる。

「HPE GreenLakeが適用された環境では、あらかじめ10-20%の予備リソース(バッファキャパシティ)を用意することができ、必要なタイミングで即座に利用できることに大きな魅力を感じました。使い始めるまで予備リソースのコストは発生しないので、パブリッククラウドと同等の使い勝手が期待できます。この方法なら、使用するリソースに合わせた従量課金制のため、社内の承認プロセスも大幅に簡略化できると直感しました」と秋山氏は評価する。

佐藤氏は、「リソースの使用量の見通しが立てやすい占有システムを『定額制』で、どのタイミングでどれだけのリソース要求があるか予測の難しい汎用システムとストレージを『従量制』で導入することで、システム利用期間中全体のコストを最適化できると考えました」と話す。

包括的な保守サービスHPE Pointnext Complete Care

 

HPE GreenLakeでは、自社のセキュリティポリシーを適用したオンプレミス環境を「クラウドと同等のスピード感で」「使った分だけ後払いで利用でき」「マネージドサービスとして運用を任せられる」というメリットが得られる。最上位の保守サービスHPE Pointnext Complete Care(旧名称:HPEデータセンターケア)を利用できることにも注目したい。

「新しいDPSサービス基盤の整備とともに、システムの保守もアップグレードされました。HPE Pointnext Complete Careでは、私たちのシステム環境を理解している専任のアカウントサポートチームによる対応に大きな安心を感じています。リアクティブな保守対応だけでなく、予兆検知による予防的なメンテナンス、計画的なファームウェアアップデート、リソース使用量の予測と最適化のアドバイスを受けられるなど、プロアクティブな運用管理が可能になるものと期待しています」と情報システム本部 システム技術部 第二グループ 担当課長の遠藤博亮氏は話す。

遠藤氏は社内業務システムの仮想化統合を担当し、ここにもDPSサービス基盤と同様にHPE GreenLakeによる従量課金モデルが適用されている。

「新しく整備した社内系仮想化基盤には、最終的に100VM以上のシステムを統合する計画です。基幹系サブシステムから情報参照系システムまで、レガシー環境の一掃を目指して新旧多様なシステムの仮想化統合を急ピッチで進めています。HPE GreenLakeでは、使い始めたシステムから課金が始まるので非常に合理的です」(遠藤氏)

セキュリティの「最後の砦」HPE ProLiant Gen10サーバー

 

DPSサービス基盤、社内系仮想化基盤には、HPE ProLiant Gen10サーバーとHPE Primeraストレージがそれぞれ採用されている。

「DPSサービス基盤には、トッパンフォームズ独自の厳格なセキュリティポリシーを適用しています。国内でも『ハードウェアに関する脆弱性管理の必要性』が重要視され始めている今、HPE ProLiant Gen10サーバーのハードウェアレベルのセキュリティは、多層防御における『最後の砦』として大きな安心感があります」と秋山氏は話す。

HPE ProLiant Gen10が搭載するHPE独自開発のシリコンチップ「HPE Integrated Lights-Out 5(iLO 5)」は、真のSilicon Root of Trust(シリコンレベルの信頼性)の実現をはじめ、他のx86サーバーとは一線を画す高度なセキュリティ機能を提供する中核デバイスだ。iLO 5は、数あるx86サーバーの中でHPE ProLiant Gen10の存在を際立たせている。

「私たちが運用するシステムの8割以上をHPEサーバーが占めているのですが、東西データセンターのHPEサーバー&ストレージに対し、HPE InfoSightから統合的に稼働状況を把握できることは大きなメリットです。HPE Pointnext Complete Careのチームとの連携が可能になったことで、さらに運用品質が高まるものと期待しています」(佐藤氏)

HPEでは、より付加価値の高いモニタリング機能を提供するHPE GreenLake for Compute Ops Managementを2022年10月に発表している。

「HPE Primeraストレージは、トッパンフォームズ内で多数の稼働実績があるHPE 3PARの後継製品として採用しました。HPE 3PARと同様の使い勝手を継承しながら、性能、信頼性・可用性、管理性が大幅に進化していることが評価のポイントです。DPSサービス基盤では、エンクロージャーに余力を持たせることで運用期間中のディスク増設を即座に行えるよう工夫しています」(佐藤氏)

テクノロジーリフレッシュを積極活用

 

新しく生まれ変わったDPSサービス基盤、社内系仮想化基盤では、あらゆるビジネス要求に対して柔軟かつ俊敏な対応が可能になった。オンプレミス環境に新しい「クラウド体験」をもたらしたのは、HPE GreenLakeである。

「統合化された基盤では、性能や容量への要求に即座に応えられるようになり、バッファキャパシティを活用してオンデマンドでリソースを拡張でき、さらにHPE GreenLakeのテクノロジーリフレッシュを利用することで、統合基盤のモダナイゼーションも容易になりました。まさに、『進化し続けるための仕組み』が手に入ったと言えるでしょう」(秋山氏)

テクノロジーリフレッシュでは、HPEのアカウントサポートチームのアドバイスを受けながら、最適なテクノロジーを選択し、移行期間中の重複コストを発生させることなく次の世代の統合基盤へ移行できる。秋山氏は次のように結んだ。

「HPEサーバー&ストレージ製品は、DPSをはじめトッパンフォームズ全社で様々なビジネスを支えています。私たちは、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献するために、『デジタルハイブリッド』を軸にしたビジネスを進化させ、同時に私たち自身の変革にも取り組んでいきます。CTCとHPEには、将来にわたって私たちのチャレンジを支えてくれる、進化し続けるシステムとサービスを提供してもらえることを期待します」

(写真左より)
トッパン・フォームズ株式会社 情報システム本部 システム技術部 第三グループ 佐藤輝久氏 / トッパン・フォームズ株式会社 情報システム本部 システム技術部長 秋山高寛氏 / トッパン・フォームズ株式会社 情報システム本部 システム技術部 第二グループ 担当課長 遠藤博亮氏 / 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープライズ事業グループ エンタープライズ営業第1本部 エンタープライズ営業第4部 エンタープライズ営業第1課 課長 松本一成氏


ご導入製品情報

HPE GreenLake

HPE GreenLakeは、エッジ、コロケーション、データセンターでオンプレミスのワークロード向けに、従量制課金モデルでフルマネージドのパブリッククラウドサービスとInfrastructure as a Serviceを提供します。

HPE ProLiant DL360 Gen10

マルチワークロード環境に対応できるきわめて高い柔軟性と他にはない拡張性を備えた、2P/1Uの高密度コンピュートの標準です。

HPE Primera

卓越した耐障害性とパフォーマンスに加えてクラウドの俊敏性を備えた、ミッションクリティカルなアプリケーションに最適な、世界をリードするインテリジェントストレージです。


ソリューションパートナー

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 様

 

所在地:東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー

URL:https://www.ctc-g.co.jp/


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。

導入ハードウェア

HPE ProLiant DL360 Gen10
HPE Primera C650/ C630

導入サービス

HPE GreenLake
HPE Pointnext Complete Care