成長戦略を加速させる、ハイブリッドクラウド

三菱マヒンドラ農機株式会社 様

所在地:島根県松江市東出雲町揖屋667-1
URL:https://www.mam.co.jp/

三菱マヒンドラ農機が、グローバル戦略を支える、基幹系サブシステムとPLMシステムのインフラ最新化に、HPE GreenLakeのas a Serviceモデルを採用

三菱マヒンドラ農機が、印マヒンドラ&マヒンドラ社との協力関係を強化し、新製品開発と市場開拓の両軸でグローバルでのビジネス成長を加速させている。これと歩調を合わせてIT環境のモダナイゼーションが進められ、基幹系サブシステムとPLMシステムを稼働させる統合的な仮想化基盤が整備された。採用されたのは、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載のHPE ProLiant Gen10サーバーである。注目すべきは、この仮想化基盤をHPE GreenLakeによる「as a Serviceモデル(月額定額制)」で導入し、クラウドとオンプレミスを適材適所で使うハイブリッドクラウド環境を目指している点だ。HPE製品・ソリューションに精通した横河レンタ・リースが、本プロジェクトを全面的に支援した。

業界

製造

 

ビジョン

印マヒンドラ&マヒンドラ社との協力関係を強化し、新製品開発と市場開拓の両軸でグローバルでのビジネス成長を加速

 

戦略

ビジネス協力の基盤となるIT環境のモダナイゼーションを進め、クラウドとオンプレミスを最適に融合させたハイブリッドクラウド環境を目指す

 

成果

• HPE GreenLakeを採用し、基幹系サブシステムとPLMシステムを稼働させる統合的な仮想化基盤をas a Serviceモデル(月額定額制)で導入

• HPE GreenLakeをカスタマイズし、3年間は月額定額制で利用、4年目以降はインフラ規模の増減を可能にすることで、変化し続けるビジネス環境に柔軟に対応

• HPE CloudPhysicsによりリソース使用状況・トレンドを計測しながらハイブリッドクラウド環境を最適化

• システムの過剰投資を抑制するとともに運用負荷を低減

• システムのアセスメント、インフラ設計・構築・保守、クラウドジャーニーの策定までを横河レンタ・リースがトータルにサポート


グローバル成長戦略を支えるIT環境のモダナイゼーション

 

三菱マヒンドラ農機は、トラクター、田植機、コンバインなど農業機械の総合メーカーであり、その歴史はゆうに100年を超える。三菱農機としての事業活動を経て、新生・三菱マヒンドラ農機としてスタートを切ったのは2015年のことだ。三菱重工業グループと印マヒンドラ&マヒンドラ社(M&M社)による戦略提携の狙いは、両社の強みを活かしたグローバルビジネスの強化・拡大にあった。同社IT業務改革室 DX企画推進課の奥田寿宏氏は次のように話す。

「世界屈指の自動車・農機メーカーであるM&M社の資本参加を受け、OEM供給の拡大、北米での販売協力、共同購買などで着実に協業の成果をあげてきました。現在は、『世界戦略トラクター』の開発支援や市場開拓でも協力しています。グローバルでのビジネス成長は、両社の共通目標であり、最も重要な戦略と言えます」

現在、三菱マヒンドラ農機は、新型農機の開発やスマート農業分野での技術開発に積極的に取り組んでいる。環境負荷低減に寄与する同社の独自技術を搭載した田植機は、農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」における認定農機にいち早く選出された。

「製品開発のスピード化を可能にしているのが、コンカレントエンジニアリングへの取り組みであり、これを支えるプロダクトライフサイクル管理(PLM)システムです。開発部門と製造部門間のデータ連携が強化されたことで、ものづくりのデジタル変革は着実に前進しています」(奥田氏)

もうひとつ、同社の事業を支える中核システムには、調達、生産、販売、物流を担う基幹系システムとそのサブシステムがある。サプライチェーン(基幹系)とエンジニアリングチェーン(PLM)は、ものづくり企業である三菱マヒンドラ農機の生命線だ。

「2023年3月に、基幹系サブシステムとPLMシステムのインフラを最新化しました。2システムは別のインフラで稼働していましたが、統合的な仮想化基盤を整備してこれに集約する計画です。従来のシステム導入と大きく異なるのは、オンプレミス環境に準備したITインフラをパブリッククラウドと同等の『as a Serviceモデル(月額定額制)』で利用可能にしたことです。言わば『所有から利用へ』の転換です」(奥田氏)

三菱マヒンドラ農機に新しいクラウド体験をもたらしたのは「HPE GreenLake」である。HPEのプラットフォーム製品とソリューションに精通した横河レンタ・リースが、このインフラ最新化プロジェクトを全面的にサポートした。

基幹系サブシステムとPLMシステム、2つの仮想化基盤を統合

 

HPE GreenLakeは、HPEが提供するサーバー/ストレージ/ネットワーク製品はもちろん、OSや仮想化ハイパーバイザーなどのソフトウェア製品や各種サービスまで、包括的に「as a Service(月額従量制または定額制)化」が可能だ。今回のインフラ最新化において、三菱マヒンドラ農機は仮想化基盤を構成するハードウェアを所有せず「サービスとして利用」している。

「全社IT環境のグランドデザインにクラウドを組み込むことは必然ですが、クラウド移行はあくまで手段であり、目標とすべきはビジネスのスピードと競争力を高めること、運用負荷を軽減してデジタル変革に注力できるようにすることです。パブリッククラウドのメリットをどのように享受するか、オンプレミスを使う必然性をどう考えるべきか、私たちは様々な議論を重ねました」(奥田氏)

三菱マヒンドラ農機は、全社システムを3年後にはクラウドへ移行させる構想を持っていた。そうした中、横河レンタ・リースから提案された「クラウドジャーニー」や「ハイブリッドクラウド」の考え方は、クラウド戦略の具現化に向けて大きなヒントになったという。

「私たちが横河レンタ・リースの提案を採用した決め手は大きく2つ。ひとつは、HPE GreenLakeによる『as a Serviceモデル』でのシステム導入。もうひとつが、継続的なアセスメントを通じた『ハイブリッドクラウド環境の最適化』でした。システムを導入できたら終わり、ではなく、3年後、5年後、その先までを見据えた横河レンタ・リースの提案は、他のITベンダーとはまったく異なる視点であり経営陣にも高く評価されました」(奥田氏)

ハイブリッドクラウド環境をどのように最適化するのか。横河レンタ・リース ITICS営業推進部の中嶋和弘氏は次のように説明する。

「HPE GreenLakeをカスタマイズして、3年間の月額定額制、4年目以降はシステムの拡張・縮小に柔軟に対応できるas a Serviceモデルを提案しました。お客様は、4年目に全システムをクラウドに移行することも、一部を移行して仮想化基盤を縮小しコストを抑制することもできます。そうした判断に必要な情報は、AIベースのアセスメントツールHPE CloudPhysicsによりレポートしますので、過剰投資のリスクもリソース不足のリスクも解消できます」

HPE CloudPhysicsは、仮想化基盤におけるハードウェアの構成情報とリソース稼働率データを収集し、HPEが独自に蓄積した計測データに照らしてAIが分析を行う。これにより、クラウド移行の検討に際して、クラウド上で必要となるリソースとコストを予測し、移行の実効性・妥当性を評価しながら投資計画を具現化できる。

三菱マヒンドラ農機株式会社
IT業務改革室 DX企画推進課
奥田 寿宏 氏

横河レンタ・リースが提供する、ITインフラコンサンプションサービス

 

横河レンタ・リースは、HPE ProLiantサーバー/HPEストレージ製品を活用したインフラ設計・構築・保守において豊富な実績がある。HPE GreenLakeに独自のサービスを組み合わせた同社の「ITインフラコンサンプションサービス(ITICS)」は、オンプレミス環境をクラウドライクに使いたい、という企業のニーズを捉えて支持を得ている。

「ITICSは、お客様の要件に合ったシステムをカスタムメイドでき、お客様のセキュリティポリシーに合致した環境で運用できるとともに、システム監視・保守や資産管理を横河レンタ・リースにお任せいただけます。三菱マヒンドラ農機様のプロジェクトではインフラ設計・構築もサポートし、すべてをas a Serviceモデルでご利用いただけるようにしました」(中嶋氏)

横河レンタ・リースでは、顧客企業のハイブリッドクラウド環境の最適化を支援するサービスを「Cotoka for Systems」ブランドのもと体系化を進めている。ITICSを中心に、アセスメント、移行支援、クラウドバックアップ、セキュリティオペレーション、ハウジングなどの幅広いサービスメニューが利用可能だ。

三菱マヒンドラ農機の基幹系サブシステムとPLMシステムを稼働させる統合的な仮想化基盤は、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiant DL380/DL360 Gen10サーバーとHPE MSA 2060ストレージを中心に構築された。

「HPEの自動通報サービスを利用し、ハードウェアの不調検知から、原因の特定、保守対応までを迅速に行うためのフローを整備しました。横河レンタ・リースとHPEによる包括的なサポート体制に移行したことで、私たちの運用負荷は大きく軽減されました」と奥田氏は話す。

クラウドとオンプレミス両者のメリットを享受

 

「世界中で不確実性が高まる中、3年後、5年後のビジネス環境を正確に見通すことは非常に難しくなっている。三菱マヒンドラ農機の「ハイブリッドクラウド」への取り組みは、変化し続けるビジネス環境に柔軟に対応するための優れた戦略となる。

「IT資産を所有せず、運用負荷が低く、月額費用処理が可能で、サービスとして利用できるメリットは、パブリッククラウドとHPE GreenLakeに共通するものです。スピード感ではクラウドに分がありますが、性能、コスト、セキュリティの面では、オンプレミスが有利なことも多いでしょう。予測の難しい時代において、移行や変更の幅広い選択肢を持てることは、私たちにとって非常に重要です」(奥田氏)

HPE GreenLakeを利用すれば、クラウドとオンプレミスを適材適所で使い分けながら、両者のメリットを享受できる。奥田氏は次のように結んだ。

「三菱マヒンドラ農機がグローバルな成長戦略を推進していく上で、IT環境のモダナイゼーションは最重要のテーマのひとつです。HPE GreenLakeによる仮想化基盤の最新化は、私たちにとって最適なハイブリッドクラウドの実現に向けた大きな一歩となりました。私たちのクラウドジャーニーをより良いものとして具現化していくために、今後も横河レンタ・リースにはIT・クラウドのパートナーとして伴走してもらえることを期待しています」

横河レンタ・リース株式会社
営業統括本部 ITS&システム営業推進本部
ITICS営業推進部
中嶋 和弘 氏

(写真右より)

三菱マヒンドラ農機株式会社 IT業務改革室 DX企画推進課 北野 篤史 氏、三菱マヒンドラ農機株式会社 IT業務改革室 DX企画推進課 奥田 寿宏 氏、横河レンタ・リース株式会社 営業統括本部 ITS&システム営業推進本部 ITICS営業推進部 中嶋 和弘 氏


ご導入製品情報

HPE ProLiant DL380 Gen10

マルチワークロードのコンピュートに対応できる世界最高レベルのパフォーマンスときわめて高い汎用性を備えた、業界をリードする2P/2Uサーバーです。

HPE ProLiant DL360 Gen10

マルチワークロード環境に対応できるきわめて高い柔軟性と他にはない拡張性を備えた、2P/1Uの高密度コンピュートの標準です。

HPE MSAストレージ

卓越したシンプルさ、スピード、手頃さ、さらにはエンタープライズクラスの信頼性と簡単なクラウドバックアップを特長とする、あらゆる場所でビジネスを展開する中小企業に最適なエントリーストレージです。

HPE GreenLake

HPE GreenLakeは、エッジ、コロケーション、データセンターでオンプレミスのワークロード向けに、従量制課金モデルでフルマネージドのパブリッククラウドサービスとInfrastructure as a Serviceを提供します。


ソリューションパートナー

横河レンタ・リース株式会社 様

 

所在地:東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト
URL:https://www.yrl.com/


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