最大34,000ユーザーの働き方を変える世界屈指の大規模VDI環境の実現へ
関西電力株式会社 様
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株式会社オプテージ 様
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関西電力の「デジタルワークスタイル」推進基盤としてNutanixハイパーコンバージドテクノロジーおよびNVIDIA M10 GPU/NVIDIA仮想GPUテクノロジー搭載のHPE ProLiant DXを採用
関西電力および関西電力送配電の従業員、最大34,000ユーザーを収容可能な仮想デスクトップ基盤が稼働を開始した。世界屈指の規模となるこのVDI環境は、関西電力が全社で取り組む「デジタルワークスタイル」の推進基盤となるものだ。システムには、Nutanix、NVIDIA、HPEの最新テクノロジーが凝縮された高性能ハイパーコンバージドインフラ「HPE ProLiant DX380 Gen10」がおよそ600台規模で導入され、オフィス、発電所、フィールド、自宅など、あらゆるシーン、あらゆる現場で柔軟で生産性の高い働き方を支えている。
業種
エネルギー
ビジョン
「デジタルワークスタイル」の推進を通じて、従業員、部門、全社レベルでコミュニケーションと生産性を向上させ、新しいビジネス価値の創出を目指す
戦略
最大34,000ユーザーを収容可能な高性能VDI環境を構築し、全社共通アプリケーションとして採用したMicrosoft 365、Teams、Boxの活用を推進
成果
• Nutanix Cloud Platform搭載のHCI製品「HPE ProLiant DX380 Gen10」によりシンプルな機器構成で34,000ユーザー規模のVDI基盤を構築
• NVIDIA M10 GPUおよびNVIDIA仮想GPUテクノロジーがVDIの高速化を可能に
• オプテージによる集中監視を起点に大規模マルチベンダー環境を安定的に運用管理する体制を整備
デジタルワークスタイル実現による生産性の向上
関西電力グループが、デジタルテクノロジーを活用したビジネス変革へ大きな一歩を踏み出した。関西電力および関西電力送配電の従業員、最大34,000ユーザーが利用できる、世界屈指の大規模VDI環境の運用開始である。本環境は、「デジタルワークスタイル」の実現を通じてコミュニケーション/コラボレーションを活性化し、個人と組織の生産性を向上させ、新しいビジネス価値の創出を目指す基盤となる。関西電力 IT戦略室 情報通信技術グループの川合昭徳氏は次のように話す。
「2021年から始まったグループ中期経営計画では、ゼロカーボンへの挑戦(EX)、サービスプロバイダーへの転換(VX)、強靭な企業体質への変革(BX)を掲げています。これらの計画を実現するためには、デジタルテクノロジーをフルに活用できる環境を整備して、個人の生産性を高め、部門間のコミュニケーションをスムーズにし、全社レベルでビジネスの競争力を高めることが不可欠です。IT戦略室では、『デジタルワークスタイル』の実現をはじめとする重点テーマを設定し、DXへの取り組みを支えるIT環境の整備を推進しています」
川合氏らが最初に着目したのは、大規模な組織ならではの階層的な意思決定プロセスや、出張や会議出席に伴う移動時間などの非効率業務だった。
「様々な非効率を解消し、業務のスピードを高めることが生産性向上に直結すると考えました。そのために、情報伝達や情報共有の仕組みを見直し、時間や場所に制約されず業務ができる環境、会議に参加できる仕組みづくりに着手しました。注目したのが、全社共通アプリケーションとしてのMicrosoft 365とBoxの導入です。特にコラボレーションツールとしてのTeamsに大きく期待しました。またSaaSを利用することで、メールやファイルの容量などシステム的な制約からユーザーを解放できるメリットも得られます。さらに、セキュアにデータを扱えて高い生産性を支えるVDI環境も同時に整備することで、デジタルワークスタイルをしっかりと実現することが重要と考えました」(川合氏)
2019年末、IT戦略室は「新たにVDI環境を整備し、Microsoft 365とBoxを関西電力・関西電力送配電の全社員へ提供」する方針を固めた。最大で34,000ユーザーを収容する超大規模VDI環境へのチャレンジである。
「ユーザーに仮想デスクトップを提供するVDI基盤には、Nutanix、NVIDIA、HPEの最新テクノロジーが凝縮された高性能ハイパーコンバージドインフラHPE ProLiant DX380 Gen10を採用しました。決め手となったのは、圧倒的なコストパフォーマンスです。Nutanix Cloud Platformならではの優れた機能性、NVIDIA M10 GPUによるグラフィックス性能も高く評価しました」(川合氏)
ユーザーの高い生産性を支える高性能VDIの実現
VDI基盤構築に際して掲げられた基本方針は、「ユーザーの高い生産性を支える高性能なVDI環境の実現」である。関西電力グループにおいてITソリューション領域を担うオプテージが、本システムのテクノロジー評価を行った。同社ソリューション事業推進本部の安藤一樹氏は次のように話す。
「VDI環境で高い性能を発揮させるために、ユーザーあたりのリソースの割り当てを慎重に検討した上で、グラフィックス処理を高速化するGPUを活用することとしました。また、VDI基盤を構成するシステム機器は、シンプルで運用しやすく、拡張やアップデートを無停止で行えることを重視しました。HPE ProLiant DX380 Gen10はすべての要件を満たすとともに、様々なメリットが手に入ると期待しました」
今回採用されたHCI製品「HPE ProLiant DX380 Gen10」は、NutanixとHPEが緊密に協力して生まれたエンタープライズクラウドソリューションである。高い信頼性とセキュリティ機能を備えたHPE ProLiant Gen10サーバーに、洗練された運用体験をもたらすNutanix Cloud Platformを統合。コストパフォーマンスと運用管理性に優れたNutanixアプライアンスとして、世界中で急速に支持を拡大している。
「VDI基盤に採用したHPE ProLiant DX380 Gen10は、NVIDIA M10 GPUを2基搭載しています。NVIDIA仮想GPUテクノロジーを利用してユーザーごとに1vGPUを割り当て、1筐体あたり最大64ユーザーを収容する設計です。また、HPE ProLiant DXの内蔵ディスクは、SSDとHDDのハイブリッド構成で高い性能と容量を最適化しています」(安藤氏)
NVIDIA M10 GPUは、オフィスアプリケーションはもちろん、Webブラウジング、動画再生、地図検索、Teamsを使ったオンライン会議など、幅広い用途でユーザー体験を改善できることが事前検証で確認された。
「NVIDIA vGPUを使用した環境では、さまざまな処理でCPU使用率を軽減して画面の動きがスムーズになり、快適に業務が行えます。事前にvGPUあり・なしの仮想マシンを用意して実際に検証比較し、経営層にもvGPUの効果を納得してもらったうえで導入しました」と川合氏は話す。
NVIDIAの調べによると、グラフィックス処理をNVIDIA vGPUにオフロードできるVDI環境では、CPUの負荷を10~60%削減し、ユーザー体感ではWindows 10のUser Experience Indexのスコアを34%向上できるという。
Nutanixならではの洗練された運用体験
Nutanix Cloud Platformを搭載したHPE ProLiant DXは、Nutanixアプライアンスならではの洗練された運用体験をもたらす。オンプレミス環境での理想的なエンタープライズクラウド環境を支えるのは、HCI基盤ソフトウェア「Nutanix AOS」、統合運用管理ツール「Nutanix Prism」、HCIに最適化されたハイパーバイザー「Nutanix AHV」などの最先端のソフトウェア群である。
「最大34,000ユーザーを収容するVDI基盤は、外部ストレージが不要なHCI製品で構成しても、物理ノードは600台以上に達します。この大規模環境の運用を安定的かつ安全に行えることが、Nutanixアプライアンスの最大のメリットと考えています。中でも、人手を介さず自動的にシステムアップデートを行えることは、運用負荷を抑えるだけでなく安定運用の観点でも重要なポイントです」(安藤氏)
VDI基盤では、20台のHPE ProLiant DX380 Gen10でクラスターを構成し、これを基本単位(Pod)として柔軟に拡張可能なアーキテクチャーを採用している。2拠点のデータセンターにVDI基盤を分散配置することでBCP/DRにも対策がなされている。およそ600ノードという大規模システムならではの設計上の工夫も多い。
「その代表例は、サービスの継続性・システムの可用性を重視したインフラ設計です。Nutanixクラスターはディスクやノード単位の障害でもサービス継続が可能ですが、何らかの重篤な問題が発生したときでも最小範囲に影響を抑えられるよう基盤設計を工夫しました」と安藤氏は説明する。
VDI基盤は、オプテージのオペレーションセンターが統合的な監視・運用管理を担っている。システムの稼働状況・負荷状況は、Nutanix Prismでリアルタイムにモニタリングされる。
「HPE ProLiant DX380 Gen10の運用を通じて実感したのは、Nutanix Prismでの高速な仮想マシンの複製、スナップショットの使いやすさです。特に、安全にスナップショットを取得でき、バックアップデータとして利用できることは運用チームにとって大きな安心となっています」とオプテージ ソリューション事業推進本部の信谷真由氏は話す。
大規模災害時にこそ継続できるVDIサービスを
IT戦略室のミッションは、デジタルワークスタイルを支えるIT環境を整備し、全社レベルでDXを加速させてビジネスのスピードと競争力を高め、関西電力が掲げる中期経営計画の実現に寄与することにある。川合氏は、VDIとTeamsによるコミュニケーション/コラボレーションの促進に期待を寄せる。
「VDIの活用を開始した部門からワークスタイルが変化しつつあります。Teamsによるオンライン会議が進むにつれ、場所や時間を選ばず柔軟な情報共有と意思決定が可能になりました。業務のスピードは確実に高められていると思います。コロナ禍の影響でリモートワークや在宅勤務にシフトした従業員も、柔軟な働き方を選びながら生産性を向上させています」(川合氏)
電力供給という社会インフラサービスを担う企業としての関西電力の責任は大きく重い。川合氏は次のように話して締めくくった。
「私たちは、持続的かつ安定的な電力供給という社会的使命を担っており、大規模災害のような事象に際しては迅速な復旧対応が求められます。新たに構築したVDIシステムは、そうした状況下でも私たちの業務を支えていく役割を担ってもらわなければなりません。現時点ではデータセンター2拠点体制によるBCP/DR対策を採っていますが、次のステージではパブリッククラウドと連携したVDIサービスの継続性強化を実現したいと考えています。Nutanix、NVIDIA、HPEには、緊密に連携して私たちのミッションを支え続けてもらえることを期待します」
(写真左より)
関西電力株式会社 IT戦略室 情報通信技術グループ 川合昭徳氏/株式会社オプテージ ソリューション事業推進本部 ICTソリューション部門 電力IT基盤部 電力IT基盤第1チーム 信谷真由氏/ソリューション事業推進本部 ICTソリューション部門 電力IT基盤部 電力IT基盤第1チーム 安藤一樹氏
ご導入製品情報
HCIのパイオニアであるNutanixを稼働させるための専用プラットフォームです。Nutanixが誇る洗練された管理ソフトウェアやツールはそのままに、世界標準の安心サーバー「HPE ProLiant」が提供する先進テクノロジーでNutanixを更に安心・安全にお使い頂ける環境を実現します。
ソリューションパートナー
NVIDIA Japan 様
ニュータニックス・ジャパン合同会社 様
本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス
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