フィンテック事業の成長と、更なる顧客増を支え続ける
エムアンドシーシステムがHPE NonStopサーバーを採用し、「エポスカード」を支えるフィンテック基幹システムの最新化を推進、HPE GreenLakeにより無停止サーバーの導入を月額費用化
丸井グループが、「オンラインとオフラインを融合するプラットフォーマー」への変革を目指し、小売、フィンテック、未来投資による三位一体の事業戦略を加速させている。グループの成長を牽引しているのは「エポスカード」を中心とするフィンテック事業だ。そして、急増するエポスカードのトランザクションを24時間365日・無停止で支えるのは、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサー搭載HPE NonStop NS8サーバーである。丸井グループのIT戦略の実行・推進を担うエムアンドシーシステムは、HPE GreenLakeを採用し「月額制・費用モデル」で次世代の無停止システムを導入した。
業界
IT
ビジョン
丸井グループの成長を牽引するフィンテック事業の更なる強化、中核となる「エポスカード」のビジネス拡大
戦略
フィンテック事業を支える基幹システムを最新化し、24時間365日の無停止運用、処理性能、拡張性を向上
成果
• インテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサー搭載HPE NonStop NS8サーバーを採用し、フィンテック基幹システムの中核システムである与信サーバーを最新化
• 24時間365日の無停止運用を前提に、オンラインリアルタイム処理性能の大幅な向上、ビジネス成長に応える拡張性を獲得
• HPE GreenLakeを採用し、無停止システムと高品質な保守サービスを一体的に月額費用化
フィンテック基幹システムの最新化を推進
丸井グループのIT戦略の実行・推進を担うエムアンドシーシステム(以下、M&Cシステム)が、フィンテック基幹システムの最新化を進めている。「エポスカード」を中心とする丸井グループのフィンテック事業は、グループの成長を牽引する中核ビジネスである。2022年3月期、エポスカードの取扱高は3.1兆円を突破し、フィンテック事業の営業利益は412億円に達した。M&Cシステムシステムセンター事業本部 ネットワーク運用部 部長の鈴木俊秀氏は次のように話す。
「エポスカードのビジネスは目覚ましい成長を続けています。リアル店舗との連携に加え、家賃払いや定期払い、ECに重点を置いた『家計シェア最大化戦略』を通じて、2016年3月期比でクレジットカード取扱高をおよそ2倍に拡大させました。2022年6月に発表した中期経営計画では、2026年3月期にエポスカードの取扱高5.3兆円、フィンテック事業での営業利益530億円の達成を目標に掲げています」
丸井グループは「インパクトを実現する事業戦略」として、小売・フィンテック・未来投資による三位一体のビジネスモデルを構築しシナジーを追求している。その先に見据えているのは、自身の「オンラインとオフラインを融合するプラットフォーマー」への変革である。
「M&Cシステムは、丸井グループの事業戦略を支えるIT環境の具現化に取り組んでいます。エポスカードを支えるフィンテック基幹システムをはじめ、顧客管理・販売管理などの基幹系、店舗系、ECサイトやスマートフォン向けアプリなど――私たちが設計・開発・運用を手掛けるシステムは、ミッションクリティカルな環境からモダンなクラウドアプリケーションまで広範に及びます」(鈴木氏)
M&Cシステムでは、フィンテック基幹システムの中でも最重要のシステムである「与信サーバー」に、無停止サーバー「HPE NonStopサーバー」を採用している。
「2004年の採用以来、3世代にわたりHPE NonStopサーバーを使い続けています。お客様に安心・安全にクレジットカード決済をご利用いただくための『与信(オーソリゼーション)』を、リアルタイムかつ24時間365日・無停止で提供し続けるために、HPE NonStopサーバーは圧倒的な無停止性能を発揮しています」(鈴木氏)
2022年初頭、M&Cシステムは「次期与信サーバー」の選定に着手した。慎重な検討を経て選ばれたのは、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する最新のHPE NonStop NS8サーバーである。HPE GreenLakeを採用し、「月額制・費用モデル」でこの無停止システムが導入されたことに注目したい。
最新のHPE NonStop NS8サーバーを選定
HPE NonStopサーバーは、クレジットカード決済やATMなどのペイメントシステムにおいてグローバルで圧倒的な実績を持つ。M&Cシステムが採用した「HPE NonStop NS8サーバー」は、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する最新のハイエンドモデルである。鈴木氏は選定理由を次のように語る。
「これまで20年近くHPE NonStopサーバーを利用してきましたが、システム障害による深刻なサービス影響を経験したことは一度もありません。もちろんハードウェアの故障はゼロではありませんが、すべてのコンポーネントが完全に多重化されており、お客様が体験するサービスに影響しないことが重要です。ハードウェアだけでなく、ソフトウェアに問題が発生しても処理を継続できるHPE NonStopサーバーの『無停止アーキテクチャー』に対して、私たちは全幅の信頼を寄せています」
HPE NonStopサーバーでは、単一システム内でハードウェアだけでなくソフトウェアの実行プロセスも二重化する。プライマリープロセスで障害が発生しても、バックアッププロセスが瞬時に処理を引き継ぐためサービスは影響を受けることがない。他の追随を許さないこのテクノロジーは「プロセスペア」と呼ばれ、ハードウェアからOS、ミドルウェアまでが高度に統合されたHPE NonStopサーバーならではのものだ。
「与信(オーソリゼーション)は、クレジットカード決済時に、お客様のエポスカードが有効か、利用限度額に達していないかを確認し、その上で利用枠を確保します。一連の処理はリアルタイムで実行され、停滞や遅延は許されません」とM&Cシステム システムセンター事業本部 ネットワーク運用部 フィンテック運用担当 マネジャーの石井淳氏は話す。
クレジットカードの利用限度額は、一般的なカードでは年齢・職業・年収で決まるが、エポスカードでは利用実績と支払い実績という独自の基準を設定しており、これが若い顧客層の支持に結びついている。M&Cシステムは、割賦販売・債権回収におけるノウハウを組み込んだ与信アプリケーションを独自に開発し、HPE NonStopサーバーと統合された「与信サーバー」として信頼性・可用性を磨き上げてきた。
「他のプラットフォームやパブリッククラウドを含めて慎重に比較検討を行いましたが、システム全体での信頼性・可用性を確保するためには、HPE NonStopサーバーが最も投資対効果が高いと評価しました。また、与信アプリケーションという資産を正しく継承していく、という観点でもHPE NonStopサーバーの採用は理に適ったものです」(鈴木氏)
与信サーバーを「月額制・費用モデル」で導入
M&Cシステムは、第4世代となる与信サーバーの構築に際して、HPE NonStopサーバーを「月額制・費用モデル」で導入した。これを可能にしたHPE GreenLakeは、プラットフォーム、ソフトウェア、監視や保守を含む各種サービスを「as a service」で利用できるソリューションとして世界中で支持を拡大している。
「システムの稼働期間全体を見通して、最もTCOを低く抑えられるHPE GreenLakeを採用しました。オンプレミス環境をクラウドライクな費用モデルで利用できることは、様々なシステムをパブリッククラウド上で稼働させている現在の方針にも沿っています」と鈴木氏は話す。
HPE GreenLakeは、従量制、定額制、期間内で変動するモデルなど、システムの目的や性格によって様々な支払いモデルを柔軟に設計できる。また、HPE GreenLakeには、HPE Pointnext Complete Careと呼ばれる最上位の保守サービスが統合されており、エッジ、オンプレミスからクラウドに至るIT環境全体の監視・運用・保守を、包括的にHPEのエキスパートに委ねることも可能だ。
「与信サーバーのようなミッションクリティカルな環境では、M&Cシステム自身が、自社のポリシーに基づいてしっかりと監視・運用を行うことが重要と考えています。その上で、何らかの問題が発生したときに備え、HPEによる24時間365日対応の保守が組み込まれていることが大きな安心となっています」と石井氏は話す。
取扱高5.3兆円、営業利益530億円を目指す
フィンテック基幹システムの最新化プロジェクトは着実に進んでいる。新しいHPE NonStopサーバーは、キャッシュレス化の進展に伴うトランザクションの増大に応えながら、「与信(オーソリゼーション)」というミッションをリアルタイムかつ24時間365日・無停止で担っていく。「2026年3月期のカードクレジット取扱高5.3兆円、営業利益530億円」を目指す丸井グループの挑戦は続く。
「新システムへの切り替えに際しては、計画停止時間を最短にしなければなりません。データ移行とシステム切り替えの手順は確立されていますので、HPEおよびサポートベンダーの協力のもと、しっかりと計画して本番に臨みたいと考えています」(石井氏)
HPEは、2019年に「すべてのHPE製品をas a serviceで提供可能にする」と宣言し、計画通り2022年にこれを達成した。HPE GreenLakeでは、HPE製品だけでなく、サードパーティのソフトウェア/ハードウェア、パブリッククラウドサービスなど70以上のソリューションを包括的に「月額・費用化」できる。
「HPE GreenLakeという1つのサービスを通してIT環境の調達・整備が可能になることは、多様なシステムを運用している私たちにとって、今後様々な利用価値が期待できる」と話しつつ石井氏は次のように結んだ。
「与信サーバーを含むフィンテック基幹システムは、クラウド事業者の都合でシステムを停止させなければならない可能性が残る以上、オンプレミスで運用することが基本です。HPE NonStopサーバーには、『無停止』という絶対的な価値、投資に見合った価値を提供してもらえています。そして、HPE NonStopサーバーのような『無停止サーバー』を提供するクラウドベンダーは存在しません。HPEには、これからも丸井グループのビジネスの中核を支えるテクノロジーとサービスを提供し続けてもらえることを期待しています」
第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー
今回のHPEサーバーを支える心臓部にはインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを採用。さまざまな種類のワークロードに高い性能を提供し、内蔵のAIアクセラレーションと高度なセキュリティ機能も備え、エッジからクラウドまで最高のパフォーマンスを発揮します。
2021年春には第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーに進化。最大40コアを提供し、メモリーやI/O帯域幅が強化されています。また、インテル® ディープラーニング・ブースト、インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション512(AVX512)、インテル® スピード・セレクト・テクノロジーといったワークロード・アクセラレーション機能を内蔵し、パフォーマンスやスループットが前世代製品から大きく向上しています。
※ Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Celeron、Celeron Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Ultrabook、Xeon、XeonInside、Intel Xeon Phi は、アメリカ合衆国および /またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。
ご導入製品情報
HPE NonStop family of systems
ビジネス継続性と100%のフォールトトレランスが求められる、ミッションクリティカルな環境に合わせて新規設計されたHPE NonStopシステムは、大規模なビジネスニーズやオンライントランザクション処理およびデータベースの要件に対応すると同時に、ダウンタイムのリスクを排除します。
HPE GreenLake
HPE GreenLakeは、エッジ、コロケーション、データセンターでオンプレミスのワークロード向けに、従量制課金モデルでフルマネージドのパブリッククラウドサービスとInfrastructure as a Serviceを提供します。
本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス
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