ビッグデータを用いた店舗内小売分析で収益を増加させて廃棄物を削減

デンマーク最大手の食料品チェーンであるDansk Supermarked Group (DSG) は、競争の激しい市場環境で成功を収めるために顧客の嗜好や業務の効率をきめ細かく確認しています。ビッグデータを活用して競争力を向上させたDSGは、ITのボトルネックを店舗内小売分析とビジネス・アジリティの原動力に変え、収益を増加させて廃棄物を減らすことに成功しました。

食料品店の利益を蝕む複数の課題

小売市場では低成長と消費者のニーズの高まりが課題となっています。

小売業者は基本的に生産者と最終消費者を結び付け、商品のコストに比較的少額の利益を上乗せして販売を行っていますが、その結果として利益率が低くなるため、コストと業務の効率を厳しく管理する必要があります。DSGが最初に参入したデンマークの食料品市場では、成長の鈍化、食品価格の下落、そしてスーパーマーケットからディスカウントストアへの移行が顕著に見られます。また、食料品以外や繊維の市場もオンライン取引へとシフトしつつあり、成長の速度が落ちています。

利益率が低いため、小売業者は常にコストの制御と業務の効率化に重点を置いています。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

さまざまな要因が消費者の意思決定に影響を与えるようになる中、購買行動も一層高度化されつつあります。多くの消費者が、価格、品質、利便性だけでなく、持続可能性、有機栽培、原産国、動物や人の権利、コーポレートシチズンシップなどの問題にも目を向けるようになったことから、小売市場は細分化され、各市場でターゲットを絞ったバリュープロポジションが求められています。そしてその結果、商品の選択肢が増えるとともに、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、オンラインショップといった複数の流通経路が生まれ、在庫管理が複雑化しています。

こうした課題に直面している小売業界のITシステムは、小売業者が顧客のニーズに迅速に対応できるよう、店舗のPOSから膨大なデータを収集して予測分析を適用し、タイムリーにレポートを作成するものでなければなりませんが、それを可能にするのがビッグデータです。適切な商品を適切な棚に適切なタイミングでストックしておけば、廃棄物を最小限に抑えつつ収益を最大限まで増やすことができます。今問われているのは、消費者の満足度、企業の収益性、そして環境の持続可能性です。

また、多くの小売業者はキャッシュフローを改善してイノベーションや市場機会に資金を投入する必要があると考えていますが、これは、テクノロジーが資本支出から運用コストへと移行することを意味します。DSGのような小売業者は、より柔軟にITインフラストラクチャの設計と資金調達を行い、容量のスケールアップ/ダウンでビジネス・アジリティを向上させる能力を獲得しつつ、管理の負荷を軽減できる方法を求めています。

4

小売業界の利益率は低いため、コストと業務の効率に重点を置く必要がある

9,000

全世界のサプライヤー - DSGは生産者と消費者をつなぐ広範なバリューチェーンの中心に存在

24時間365日

営業時間が延びたことでPOSデータが増加

デンマークの大手小売チェーン

Dansk Supermarked Groupは、国際的な競争力を高めるために、無駄のないアジリティを重視しています。

 

デンマーク最大の小売企業であるDansk Supermarked Groupは、複数のe-コマースビジネスと4つの小売チェーン (føtex、Bilka、Netto、Salling) を運営しており、ヨーロッパ4か国に1,467の店舗を展開しています。食料品とそれ以外の買い物の件数が週に900万回に達するDSGでは、5万1,000人の従業員を雇用しています。

DSGの第一の目標は、持続可能な小売ビジネスを展開しながら、お客様にとって利便性の高い感動的なショッピングエクスペリエンス、従業員にとって安全な労働環境、そしてサプライヤーとパートナーの成長の機会を創出することにあります。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

利益率が低く熾烈な競争が繰り広げられる、課題の多いビジネス環境で成功を収めるため、DSGは、変化し続ける多様な顧客のニーズを詳細に分析して新たな商品、店舗、および流通経路を管理することで世界的な事業の拡大を図りつつ、無駄のないアジャイルな体制を維持しています。

900万

1週間の買い物の件数

577億

2015年の収益 (デンマーククローネ)

1,467

デンマーク、スウェーデン、ポーランド、およびドイツに展開している店舗

無駄のないビジネス。迅速な意思決定。競争力の強化。

利益率の低さ、顧客の嗜好の変化、および新たな流通経路の登場がきっかけとなり、DSGではより効率的なデータの活用が進んでいます。

 

量販店を展開するDansk Supermarked社は、1日あたり140万人の買い物客にサービスを提供していますが、各自のニーズを満たす必要があります。買い物客が牛乳 (卵、パン、生花など) を購入するために店舗を訪れたときには、その商品が新鮮でなければならず、また在庫がなければ売上につながりませんが、仕入れが多すぎて廃棄を生じさせるようなことがあってはなりません。そしてこのような在庫管理の課題は、消費者のニーズの細分化に伴ってさらに複雑化します。ある日のある店舗では、成分無調整の牛乳、乳脂肪分2%の牛乳、豆乳、または有機牛乳の在庫をどの程度にしておけばよいのでしょうか。その消費者は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、またはディスカウントストアで買い物をするのでしょうか、もしくはオンラインストアで商品を注文するのでしょうか。

ビジネスが拡大し、環境が複雑化しているため、無駄のないアジャイルな体制を維持しなければなりません。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

需要が横ばいで利益率が4%ときわめて低い小売市場では、商品と流通経路を適切に組み合わせることが非常に重要です。こうした課題に直面しながらも、DSGは顧客のニーズを鋭く捉え、絶えず無駄のない業務の実現に重点を置くことで成功を収めています。

140万

1日あたりの買い物客の数

105

管理している商品カテゴリ

2万

最適な場所に最適な量をストックしておく必要のある商品

ビッグデータを活用

従量制課金のSAP HANAで従来のIBM PowerおよびDB2プラットフォームの制約を克服

Dansk Supermarked Groupでは、世界的な事業の拡大を図って流通経路を多様化するとともに、営業時間を延長するのに伴って、店舗レベルでの日々の在庫管理の意思決定にビッグデータの予測分析を活用することが増えつつあります。しかし、SAP Business Warehouse (BW) をサポートするために使用していたIBM PowerおよびDB2プラットフォームでは、タイムリーなレポートを作成可能な速度でデータをロードできませんでした。また、DSGの50TBのデータベースは1か月に2TBのペースで容量が増えているため、IT環境を変革してリアルタイム分析を行えるようにしなければ、こうした問題は悪化する一方でした。

SAP HANAプラットフォームで市場をリードするHPEは、新しいテクノロジーを実装するときに発生する可能性がある複雑な問題の回避に役立つ確かな専門知識を提供してくれました。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

このような状況を受けてインメモリコンピューティングプラットフォームのSAP HANAに移行することを決定したDSGは、ハードウェア、ソフトウェア、およびIT管理サービスを統合したエンドツーエンドのソリューションを提供してくれるSAPパートナーを必要としていました。また、コストを削減してIT環境の柔軟性を向上させ、季節性や市場の動向の変化に対応できる、従量制課金のソリューションを求めていました。

2TB

1か月のデータの増加量

50TB

データベース

4,500

4か国で1日に作成されるレポート

データを有益な情報に変換

DSGは、コスト効率の高い方法で膨大なトランザクションデータの予測分析を行うために、HPEフレキシブルキャパシティを利用してコンバージドインフラストラクチャを展開するなど、HPE Pointnextと連携してエンドツーエンドの革新的なソリューションを開発しました。

将来にわたる持続的な成長を実現すると同時に、無駄のないアジャイルな体制を維持するため、DSGはHPE Pointnextにエンドツーエンドソリューションの設計、構築、および展開のサポートを依頼しました。

DSGのシステムは現在、ヨーロッパ各地のすべての店舗に設置されているPOSシステムから膨大なトランザクションデータを絶えず収集して迅速に分析を行い、タイムリーかつ情報豊富なレポートを意思決定者に提供しています。データからリアルタイムインサイトを引き出すこの機能により、DSGは顧客と従業員の満足度、および業績の面でデンマークNo.1の小売業者になるという目標を達成できました。

HPEのソリューションとSAP HANAによってデータのロードとレポートの作成に要する時間が短縮され、より的確な意思決定に必要な情報とアクセスが得られるようになりました。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

DSGはまた、インフラストラクチャを柔軟なサービスとして購入し、自由に使える資金を増やすことで、世界的な事業の拡大と市場機会を追求できるようになりました。資本支出を行うのではなくHPEフレキシブルキャパシティを利用することにより、使用した分の支払いのみで済むようになったDSGでは、ビジネスニーズが変化したときに、必要に応じて容量を確実に増減させることが可能となり、キャッシュフローが最適化されるとともにITのアジリティが向上しました。

また、HPE Pointnextから継続的な業務のサポートも提供されています。

事業の拡大、競争に勝つためのアジリティ、顧客に関する有益な情報

正確かつタイムリーな顧客情報に基づいて在庫に関する意思決定を行うことにより、収益が増加して廃棄物が削減されます。

DSGの各店舗の店長は、毎朝開店前に顧客が前日に購入した商品の詳細情報を確認することが可能です。表示されるのはデータサブセットの分析結果に基づく推測の情報ではなく、また、店舗が開店してからレポートを受け取るまでに数時間待たされることもありません。店長にはパーソナライズされた包括的なレポートが提供されるため、在庫に関する最善の意思決定を行って顧客満足度と収益を向上させ、仕損や廃棄物を減らすことができます。これによってDSGは成長を続け、利益率の問題を緩和しています。

HPEのソリューションによってデータの生成に必要な時間が短縮され、商品の過剰在庫に起因する廃棄物と財務上の損失を回避する方法や価格を調整するタイミングなど、ビジネス上の意思決定をより的確に行えるようになりました。
Alan Jensen氏
Dansk Supermarked Group CIO

経営幹部レベルで以前よりも自由に成長目標を追求できるようなったDSGは現在、新規店舗をオープンして新たなコンビニエンスストアの形態を取り入れ、e-コマースの機会も追求しています。DSGは、HPEフレキシブルキャパシティによって従量制のインフラストラクチャ資金調達モデルに移行したことで、インフラストラクチャの総所有コストを削減し、競争力の基盤となるイノベーションに投資できるようになりました。

HPEのソリューションを導入したDSGは、ボトルネックだったITをアジャイルな原動力に変え、各店舗にストックしておく牛乳のリットル数といった非常に細かな問題から世界的な事業の拡大に関する戦略上の課題にまで対応しています。

30~40

新しいデータハブでPOSレポートの作成を高速化し、在庫に関する日々の意思決定をより的確に行えるようにすることで、収益を最大化するとともに廃棄物を最小限に抑制

30

DSGのNettoスーパーマーケットにおける2030年までの食品廃棄物の削減目標

200

レポート作成の高速化によってスタッフがより価値の高いアクティビティに投入できるようになった1日あたりの時間

パブリッククラウドのアジリティを備えたオンプレミスのコンバージドソリューション

HPE Pointnextのソリューション設計、実装、および展開サービスを利用してビジネストランスフォーメーションを推進したDSGは、HPE Converged System 500 for SAP HANAに移行したことにより、処理、ストレージ、バックアップ/リカバリを含む統合ソリューションを利用できるようになりました。また、HPEフレキシブルキャパシティによるデリバリを選択したことで容量の拡張が可能になり、自由に使える資金が増えました。継続的な管理については、HPE Pointnextが提供するHPEデータセンターケアオペレーショナルサポートサービスを通じて行われています。